このブログでも書いた精神疾患のデパートのような人が今の所順調に行っている。


虐待経験者で、躁鬱病やら各種パーソナル障害やら解離性人格障害やらを抱えていた人なのだが、薬も無くなって仕事にも就いてすでに半年、再発の予兆も出ていない。


まあ、仕事に就いたばかりの時には、少し不安定になっていたが、それも乗り切った。


通院を始めてから、仕事をすると3ヶ月で再発していた人が、半年続けても毎日穏やかに過ごしている事は物凄い進歩だ。



改善の要因は幾つかあるが、最大の要因は親子関係の改善だと思われる。

4年前に始めて会った時には、親の話しや子供の頃の話を聞くだけで自律神経症状が出て大変だった。

頭痛や寒気、寒気で震えていた次の瞬間には暑いと言い出し大量の汗をかく。

そして、思い出せる子供の頃の記憶がない。


当時は、既婚者でその家に近付くだけでパニック障害を引き起こし、家に帰れないからホームレス。

そのホームレス時代に知り合った男性と暮らすようになり、ホームレスから脱出。


その新しく出来た彼氏も、彼女と暮らし始めて鬱病を発症。


その直接の原因は、彼女の異常行動。

それは物凄かった。


彼氏のアパートに、新しく知り合った男性を連れ込み、その新しく知り合った男性の前で、彼氏の髪を引っ張り「私の事を好きだと言え!」・・・

かと思えば、ベランダから飛び降りようと自殺未遂・・・


そんな彼女の最初の変化は、親に手紙を書かせてから少しずつ現れた。

その手紙とは、今までの恨みつらみ不満を全て書き連ねた手紙。

最初に書いた手紙は、何度も書き直し、恨みつらみに満ち溢れた手紙、しかしその手紙は結局出さず、少し控えめな手紙に書き直して親に送った。


この手紙の狙いは、まず心に溜まっていた物を手紙に吐き出す事。

それを親に送る事で、親に自分の気持ちをぶつける事。

返事が無ければ、何度も送る。

名付けて「言霊作戦」


言葉は、必ず相手の心に波紋を作る。

何度も送れば、その波紋は大きな波になる。


たとえ無駄でも、心に溜め込んでいた物を相手にぶつけるだけで良い。


手紙だから、相手に臆する事も無く、途中で言葉を遮られる事も無い。

最初は一方的に、思いを伝える事から始めさせた。


絶対に返事が来ないと思っていた親から、すぐに連絡が入り、そこから少しずつ凍っていた親子の絆が解け始めた。

それでも、今日に至るまで何度も親子喧嘩を繰り返して来たが、その親子喧嘩こそが本音をぶつけ合うと言う事。


そして、本音をぶつけ合って、本人が感じていた事と親の思いのギャップが埋まり始めると、親子関係は急速に回復を始め、親に甘えられる様になった時に心は安定し始めた。


年齢は30代、例え大人になっていても、不安定な心を安定させるには、親と向き合い、親子関係の改善が必要であると考えられる。



この人の症状改善で、もうひとつの大きな要因は、彼氏の存在。

彼氏は、自分が鬱病を発症しながらも彼女を支えていた。

但し、彼氏の鬱病の直接の原因は彼女であっても、それ以前に因子は持っていて、彼女はその因子を発症させたに過ぎない。


彼氏にも、親子関係に問題があり、彼女の親子関係が改善していく様子を身近で見る事で、彼氏の症状も少しずつ改善されて行った。


しかし、同居している彼女に仕事が無かったとき、彼女にお金を貸していた。

そのお金の貸し借りが、二人の心の病の足枷になっていた。


彼女は、お金を借りている事に負い目を感じてはいるが、仕事をするには服もいるし、メイクも必要。

その服やメイク用品を買う金も無く、また彼氏から金を借りる。

彼氏は、貸した金も返していないのに、また金を借りる彼女を理解できない。


そこで喧嘩が絶えず、お互いの心が不安定な状態が続く。


「仕事をするには服がいる」

確かに、仕事に合った服は必要だし、面接の時にもそれなりの服で行かないと、採用は厳しかったりする。

それも正論。


彼氏の言い分は、お金が無いのに、無理して買う必要は無い。

それも正論。


どちらも間違ってはいない。


間違いは、お互いの正論を認め合わなかった事。


そこで、彼氏にその借金の放棄を薦め、彼氏はそれに応じた。

30万ほどあった貸付を放棄させた事で、二人の心は安定方向へ向かった。


この意味は、彼氏に対してはサンクコストの呪縛からの開放。

彼女には、彼氏を親の代わりになる存在とすること。


貸付金を放棄させた後の彼氏の感想は、「物凄くスッキリして貸付金を放棄して良かった」。

彼女の方は「返せれる様になったら絶対返す」

まあ、返した時が本当の自律だろう。







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