学生時代の学生アパート出の出来事
学生時代住んでいた学生アパート。
その2階の部屋でマージャンをしていた時、窓の外を一人の女性が通り過ぎていった。
最初は皆で「誰の彼女だ~!」と冗談を言っていたのだが、一人がボソリとつぶやいた。
「ここって2階だよね」
その瞬間、みんなのマージャン稗をかき回す手が止まった。
そこ窓の外にはベランダも通路も何も無い、ただ空間があるだけだ。
しかし、確かに足音も聞こえた。
いったい誰が何処を歩いていたのだろう?
慌てて窓を開けて確認したが誰もいない。
見えたのは影ではなく、ワンピース姿の髪の毛の長い女性。
それを見た者の話は一致している。
まあ何せ墓だらけの土地なので、何があってもおかしくは無い。
あそこの界隈では珍しい事ではない。
近くに住んでいた先輩の下宿は、窓を開けると一面「墓」。
見えるのは墓と火葬場と空しか見えない部屋だった。
豪胆な先輩は首吊りのあった部屋に住んでいた。
その理屈が凄い。
「お化けが出るのは夏、夏は帰省するから関係ない」
当時でも6畳で5000円は破格。
私が住んでいた所は、4畳半流し付き、共同風呂と共同トイレ共同炊事場で12000円だった。
それでも共同風呂と部屋に流しがあるだけで御殿と呼ばれていた。
しかし、お化けとか幽霊とか何度も見ると慣れてしまい「またか」程度にしか思わなくなって来るから不思議だ。