猫は音に敏感な動物だ。
少しの音でも反応し、少しでも大きな音がすると驚いて逃げてしまう。
今まで合計4匹の猫を飼っているが、1匹だけ大きな音にもあまり反応しない猫がいる。
それが黒猫の「ネル」だ。
もう一匹の「ラン」は音に敏感。
最初は個性の違いと思っていたのだが、あるTV番組で出ていたタレント猫のトレーナーの話を見て気が付いた。
そのトレーナーが言っていたのは、タレント猫の育成は、音に慣れさせる事で、猫を抱っこして歩道などで車の音を聞かせていた。
ネルの育て方もそれに近い物がある。
生後2週間で引き取り、肌身離さずに育てた。
生後間もなかったので、2時間毎にミルクを与えねばならず、外出する時も懐に入れてデパートやスーパー、繁華街にも連れて行きながら育てた。
もう一匹のランは、離乳後に貰って来たので、面倒を見ていたのは黒猫のネル。
その為、外に連れ出した事はない。
大きな音を聞いた時の二匹の違いは、ランは一目散に逃げるが、ネルは確認しようとする。
私の家は、元々商店なのでショーウインドウがあり、その外側にシャッターが付いている。
私が買い物に出かける時、二匹の猫はショーウインドウに入って待っている。
私が帰るとシャッターを閉めるのだが、シャッターの音はやたらとうるさい。
その時、ネルは微動だにしないが、ランは何度経験しても逃げて行く。
しかし、最近ランにも変化が出てきた。
以前は一目散に逃げて言ったのだが、最近は振り返りながら逃げて行く。
ランはここまで来るのに9ヶ月かかっている。
これを「慣れ」と片付ければそれで終わってしまうが、慣れと言う物を考えてみると、脳神経の発達と考える事が出来る。
まだ二匹とも、生後1年未満の猫でもこれだけの差が出ている。
生後間もない時から音に晒された猫は、音に驚く事も少なく育ち、授乳期を静かな環境で育った猫は音の克服に数ヶ月の時間を要している。
刺激が脳神経を鍛えると言う事だろう。
私自身、音だらけの環境で育っている。
家は片側2車線の大通りがぶつかる5差路の大きな較差点の角で、昔は市バスと市電の駅の目の前。
地下鉄が開通したのは私が小学5年の頃で、家の真下が地下鉄の駅。
地下鉄が走ると、ガード下並の音が始発と共にする。
バスの乗車アナウンスも始発からダイレクトで聞こえるし、今では無くなったが暴走族も走り回っていたし、信号で止まる車の大音量のステレオも結構すごい。
音はそれだけでは無く、一階がスナックに貸していたので毎晩夜明けまでカラオケの音が響き渡り、2階はヤクザの事務所で怒鳴り声は日常茶飯事。
時折、スナックのお姉さんの喧嘩も始まり、髪の毛を引っ張り合いヒールで蹴飛ばしながら奇声を上げていた。
そんな環境で育った為、騒音はほとんど気にならない。
その為か、耳元で目覚ましが鳴っていても、寝る時に「起きる」と言う意識を持って寝ないと、睡眠中の目覚ましの音は認識しても夢の中で無視していられる。
と言うか、夢の中に目覚ましの音が聞こえて、夢の中で目覚めるか寝続けるか考える事が出来る。
テレビをつけたまま寝ると、テレビ番組がそのまま夢に投影され、夢の中でテレビを消し忘れた事を自覚して、テレビが夢に投影されるとこんな風に見えるのか?と考える事も出来る。(静かな時に見る夢では出来ない)
先月は夢に鳩山総理が登場し、なぜか鳩山総理と凧揚げしながら餅を食べていた。
その夢を見ながら、「テレビ消し忘れたから総理が出てきちゃったよ」と思いながら夢を見ていて、夢の中で「何で総理と凧揚げ?」と突っ込んでいた。
その時の総理の話は夢に投影されているのだろう。
凧を上げながら温室効果ガス削減について語っていて、隣で蛸を上げている人が色々と質問していた。
その夢を見ながら、「これ早朝のニュースだな、と言う事は5時頃か?」とも考えていた。
ちなみにこの場所は、スナックや飲食店がご近所に有るので、家の前のゲロやら時には「人糞」も日常茶飯事。
ホームレスの残飯まで始末しなくてはならない。
それをアンカリングだのストリートシアターだの騒いでいたらここでは生活していけない。
逆に考えれば、自称被害者は慣れていないだけで、不快な事に対する脳神経が発達していないのかもしれない。
集団ストーカー―盗聴発見業者が見た真実 (晋遊舎ブラック新書 1)/古牧 和都