先日、「太田光の私が総理大臣になったら」で、長島一茂さんが自分の鬱病を踏まえて、鬱た自殺者の対策を熱く語っていた。
さすが鬱病経験者、長島一茂さんの語った鬱対策は良く考えられている。
但し、学校にスクールカウンセラーを配置と言う考えは、在校中の自殺者は減るかも知れないが、長い視点で考えれば意味は無い。
色々な人が、色々な意見を話していたが、どうも表面しか見ていない気がする。
子供のストレスを無くしたほうが言いとか、ストレスを与えた方が良いとか、そのための方策がどうのとか、恐らく問題はそこには無い。
ストレスを解消する場を奪っている親にこそある。
ストレスなど何処にでもある。
ストレスをなくす事など出来はしない。
在学中に、カウンセリングを受けてストレスを軽減しても、社会に出たらストレスなど山のようにある。
それを捌き切れなければ自殺者が減る事は無い。
肝心な事は、耐性と発散そして抑制である。
学校で勉強、帰っても習い事や塾、そこから帰ればまた勉強。
発散させる場が無い。
子供の頃に、自分なりの発散方法を身に付けていなければ、大人になって簡単に身に付く物でもない。
多いケースでは「のめり込み」で身を持ち崩す。
酒、異性、ギャンブル、薬物等の依存症。
発散は、脳の快感でもある。
子供の頃は「親」と言うブレーキが有るが、大人になると親と言うブレーキが弱くなる。
子供の頃の、ストレスと発散は、親と言うブレーキが「限度」を教え、それを繰返していれば、ストレスの耐性と、快感の抑制が備わるが、大人になってからではブレーキも無く、双方の耐性と抑制が培われておらず、依存症などの症状として出るか、鬱の症状として出て来る。
結局、学校教育ではなく、親次第。
長島一茂さんも、本能的には理解しているような発言をしていた。
「病気になる人はワガママな人が多い」と。
そして、病気を経験している出演者も納得していた。
ワガママとは、自己抑制出来ない人である。
そしてこんな発言もしていた。
「放任主義だった」
放任主義とは、抑制されずに育って来たと言う事だ。
もっとやりたいと思っても、我慢させる。
やりたい事を我慢させる事はストレスになるが、それを抑制する事で快楽に対する抑制力が付く。
つまり、表裏一体なのだ。
人間の神経のメカニズムを見れば理解出来るだろう。
自律神経は交感神経と副交感神経からなり、興奮と抑制を司る。
そのバランスが崩れると、自律神経失調症が起きる。
ストレスの問題も、興奮と抑制が大切なのだ。
ストレスの興奮が続くと病になり、それを抑制するのが快楽、快楽を抑制できないと依存症になり、快楽を抑制すればストレスになる。
つまり、バランスが必要なのだ。
しかし、論者はどちらかだけしか見えていない。
子供の時期に、これを繰り返す事で「耐性」が備わる。
また、習い事の多さもかなり影響している。
勉強や習い事で、今の子供には自由な時間が少ない。
人間の一番のストレス解消は、友達との会話。
その会話の中で、コミュニケーションに必要な能力を習得する。
学校、習い事、塾に追われていれば、コミュニケーション方法がメールになる。
メールでは、コミュニケーションに必要な能力が養われない。
コミュニケーション能力が低ければ、コミュニケーションが苦手になり、大人になってストレスを発散させる事が困難になる。
そして、コミュニケーションが上手く取れない事が、人間にとって最大のストレスになる。
今の社会認識ではどんな対策をしても自殺者は劇的に減る事は無いだろう。