リーマンショックから一年。
まだ夢覚めやらぬ人が新たな金融商品を生み出しているようだ。
金融リスクを減らす・・・
リスクを減らせば危機意識が低くなり、暴走が始まる。
懲りない人達だ。
昔、バブル突入時に不動産会社に勤めていた時、バブル崩壊は予見出来た。
不動産には土地神話があった。
土地は、値上がりしても下がる事は無い。
しかし、建築促進のプランニングをしていると「?」マークが山ほど出始めた。
土地が高騰する。
その土地を右から左へ動かしていれば確かに利益が出る。
しかし、値上がりした土地に商業施設を建てると、どう計算しても採算が取れなくなる。
無理に建てれば、家賃などに反映する。
例えば、何10億もするさほど大きくも無い土地に建物を建てれば、土地の取得費に建設費が掛かる。
その総コストを何年で償却するかで、床面積1㎡当たりの家賃が決まる。
総コストが高くなり過ぎると、㎡当たりの価格が高くなりすぎ、採算ベースに乗らなくなる。
償却年数を長くすれば、㎡当たりの単価は下がるが、耐久年数を超えてしまう。
結局どんな商売でも採算が取れなくなってしまう。
では、建物を作らずに駐車場として使っても、一月10万とか20万の駐車場など誰も借りない。
高騰しすぎると、その土地が死んでしまう。
高騰しすぎて使えなくなった土地は、誰も買わない。
すると、最後に買った人はその土地で商売する事も、誰かに売る事も出来なくなってしまう。
そして、超高額な固定資産税だけが掛かり、持っているだけで高額な出費だけが必要になる。
しかし、売却しようにも購入金額より売却金額を安くしなければならず、売れば多額な損を出してしまう。
その間にも維持費は消えて行く。
そんな土地が増え始めた時に、不動産業界に見切りをつけた。
その後バブルは崩壊した。
今でも似たような事が起きている。
一つに、破産するしかない地主。
地主がマンション経営に乗り出す。
マンションを建てるのに、そのマンションを立てる土地を担保にして融資を受ける。
返済計画は満室で計算する。
しかし、満室は新築の時だけ。
一年経てば新築ではなく、新しい入居者は新築へ行く。
すると空室が出始める。
新築扱いの時はすぐに入居者が決まるが、年数が経つと空室が出ても入居者が決まらなくなり、空室が目立ってくる。
しかし、新築と家賃が同じでは入居者は新築を選び、家賃を下げなければ入居者を確保できなくなるのだが、新規入居者だけ家賃を下げる訳には行かない。
また、家賃を下げると返済額に満たなくなり、返済が出来なくなる。
しかし、借金は金利で元金より増えているが、建物の価格は年数と共に下がる。
その為、マンションを売っても残金には遠く及ばない。
マンションを売れば収入も激減し、残った残金が払えなくなる。
こうなると、破産するしかない。
その、マンション経営を金融商品にした物もある。
主に東京系のファンド物。
東京の感覚で名古屋にマンションを作る。
東京は山手線や中央線などJR線の駅側が人気かもしれないが、名古屋人は名古屋駅の近くに住みたい人は少数派だ。
結果は目に見えている。