私は昔から「相場」が嫌いで、株や商品取引などには一切興味が無い。

どんなに儲かると言われても、やる気も無いしそんな物で儲けたくも無い。


最近では「監視妄想の発生メカニズム で書いている「提供する」と「巻き上げる」の実験を元に考えたりしているが、原型は20代の頃に出会ったある会社の社長の一言。


「仕事とは、社会に役に立つ事をして対価を貰う事で、金儲けとは手段も選ばずに金を稼ぐ事、お前がやりたいのは仕事か?金儲けか?」


これはどちらが良いとか悪いとか言う事ではなく、心構えの問題として教えられた。

「仕事」としてやるのなら、儲けよりも社会に役に立つ頃を優先する事、金は後から付いてくる。

金儲けとしてやるのなら、良い人になろうとせず利益を優先させる。

中途半端は利益も上がらず、後から金も付いて来ないと言う意味だった。


そして「仕事」を選んだ訳だ。

だから、株や相場は「金儲け」として、手を出して来なかった。



しかし、「分け与える」と「巻き上げる」の実験を「株」や「商品取引」等の金融商品に当てはめて見るのも良いと思う。

もう一度その実験の内容を書く。


最初に実験参加者に15分間の討論をさせ、その後にアンケートを行い、各実験参加者がどれだけ人を信じているかを調べる。

そしてゲームを行なう。

実験参加者にはそれぞれ1000円が渡され、他の実験参加者に100円を提供するか、100円を巻き上げるかを決めさせる。

100円を誰かに提供する場合、実験者から100円が加算され、相手には200円が渡る。

誰かから100円を巻き上げる事にした場合、相手から200円が引かれ100円は実験者に、残りの100円を手にする。

お互いに提供した場合、それぞれが200円を受取り1100円になるが、お互いに巻き上げた場合、お互いに900円になる。


この実験では面白い結果が出ている。

先のアンケートで、他人に対する信頼度が高い人ほど的中率が高く、信頼度が低い人ほど的中率が低い。

最も信頼度が高い人の的中率は75%、信頼度が最も低い人の的中率は42.3%である。


この実験は人間社会の発達を現している。

人間社会は「協力」と「分け合い」で他の動物より発展してきた。

協力と分け合いとは、協力して分け合う事でより多くの収穫を得る事、協力し合わなければより多くの収穫は望めない。

実験者の100円の加算は、協力作業による増収益である。

株やら商品取引などの金融商品は、自分が利益を上げる事だけを考えている。

つまり実験で「巻き上げる」を選択しているのと同じだと思う。

ライブドアショックで例えるなら、ライブドアの株で儲けた段階は「巻き上げる」を選択して、1000円が1100円になった状態、そしてライブドアに目をつけた人達が一斉に「巻き上げる」を選択した状態が、1100円が900円になった状態である。


パソコンの普及で、デイトレが身近になったが、デイトレは社会に何も提供せずに「巻き上げる」を選択するような物。

リーマンショックも、その巨大化した物でしかない。

デイトレの社会は「巻き上げる」を選択した人の集合体である。


人間の進化の原動力は「協力作業」と「分け合いの精神」である。

それは、「汗して働く」事でもある。

今、この人間の原動力である、一番大切な事が置き去りにされているような気がする。


ちなみに、協力と分け合いは、相手を信じる事で成立している。






集団ストーカー―盗聴発見業者が見た真実 (晋遊舎ブラック新書 1)/古牧 和都