先日録画装置を取り付けた人から再三連絡が入る。
どう見ても認知症なのだが、どうしても自分が認知症で有る事が理解出来ない。
物忘れを、侵入と思い込み、被害を訴えて病院には行こうとしない。
そしてお決まりの「仮想犯人」を作り、警察にも届けている。
しかし犯人などはいない。
すでに、録画で証明されているのだが、まだ気付かない。
取り付けた録画装置は、24時間録画を続け、再生している時でも録画を続けている。
それが理解出来ない。
操作方法を教えた時も苦労した。
理屈は理解できないので、繰り返し練習させる事でマスターさせたので、操作は出来る様になった。
それでも「おかしい」と言って聞いてくる。
恐らく、犯人が写っていない事で「おかしい」と思っている事が、話の端々から読み取れる。
その原因を、操作方法に求めている。
どうしても「ビデオデッキ」の操作方法が頭から消えない。
ビデオデッキは、「録画」のボタンを押さなければ録画されず、再生している時は録画出来ない。
そのイメージが何度教えても変らない。
いつも聞いてくるのが「録画の仕方が分からない」。
そして「勝手に録画してますから、録画の操作の操作はいりません」と何度も教えている。
その都度「てっきり、録画していないから写っていないと思って」と言う言葉が帰ってくる。
そして、再生映像を見させて「録画できているでしょう?」と確認させる。
その時は理解しても、翌日には忘れている。
複雑な操作方法など覚えられないので、一番単純な使い方しか教えていない。
操作方法を一つにパターン化して何とか操作できている状態だ。
だから、器械のスイッチの切り方も教えていない。
まあ認知症を認知するまで気長に付き合うしかないが、同居の家族が居れば早めに病院へ行かせた方が良い。
そんな事は当たり前の事なのだが、独居老人の場合それも考え物だ。
「狙われている」と言う緊張感で、現状を維持している面もある。
以前、侵入や犯罪ではなく、自分の物忘れと認知した人は、それ以降急激に衰えて寝たきりに近い状態になってしまった。
介護してくれる家族が居れば良いのだが、旦那はすでに離婚し犯人と思い込んでいる。
録画装置で、犯行ではなく物忘れで有る事を認知して、その誤解が解ければ他の展開もあるだろう。
また、訪問者が、何かを取って行ったと言う誤解も解けるだろう。
この録画装置は、訪問者に対する誤解を解くのにも有効だ。
集団ストーカー―盗聴発見業者が見た真実 (晋遊舎ブラック新書 1)/古牧 和都