何処で書いたか忘れたが、娘の友人の弟の相談も受けている。
その弟は、不登校を続け、バイトをしてもすぐに辞め、目が覚めたら家を出て深夜に戻り、家族ともほとんど口も聞かず、兄弟から借りたゲームはセーブを全消しして自分のデータを作ったりしていた。
困った親が相談を受けに来た。
その時にしたアドバイスは、自尊心をくすぐるように話す事等、幾つかのアドバイスをした。
特に指示したのが「居場所」を作る事と「じゃれ合い」。
それから半年が経ったが、かなり変化が見られる。
ます、家にいるようになり、家族と会話をするようになった。
そして、自分からバイトを探して続けられる様になった。
一番の変化は、姉(次女)との関係の改善だろう。
その姉(次女)は学習障害があり、弟との折り合いが悪く毛嫌いしていた。
それが、弟と仲良く接している。
かなり「じゃれ合い」の成果が出てきている。
家族の「じゃれ合い」は、心を作る。
先日、「青春リアル」で「働くのが怖い 」と言う番組をやっていた。
その人に足りないのも、「家族のじゃれ合い」や「人との触れ合い(触る事)」だろう。
言葉とか会話がだけでは「心」は作れない。
子供の頃に、親兄弟とじゃれ合うと結構楽しい物だ。
その中で、やりすぎて喧嘩になったり、怒られたり、泣いたり、笑ったりしながら、心は育って行く。
それは、結構気付き難い感覚かもしれない。
しかし、1000の言葉より、一度の握手でその感覚を伝える事が出来る。
私が相談者に「触る事が心を作る」と言う感覚を伝える時には、握手をして教える。
まず、旧友と再会した場面を想定し、3つの挨拶を実際にやって見る。
1. 言葉だけで「久しぶり!」と言う。
2. 軽く握手をして「久しぶり!」と相手の目を見ずに軽く言う。
3. 相手の手を強く握り締めて、相手の目を見て「久しぶり!」と、大きめの声で言う。
この順番で行なうと、2までは相談者の表情は変わらないが、3をした時に表情が一変する。
そしてそれを行なった相談者の半数以上の人が「物凄く心に伝わって来た」と目を丸くして答える。
長らく触れ合った事が無い人は、飛び上がる様にして驚き「すっごい来ました!」と、目を見開いて言う人さえいる。
そして、相談に来る時は、皆一様に深刻な顔をしているのだが、半数以上の人がそれ以降、顔に明るさが出る。
視覚と、聴覚と、触覚の一致、それを個人的に「三感一致」と呼んでいる。(私の造語なので滅多に使わない)
そして、「じゃれ合い」は「三感一致」の宝庫である。