昨日、統合失調の母親が娘を8年監禁していたというニュースが流れた。


私としては別に驚きもしないニュースだ。

実際に似たようなケースを何件も垣間見て来た。


生まれたばかりの赤ちゃんを、「監視されている」と言う妄想から、雨戸を締め切り電気もつけない真っ暗な部屋で寝かせつけている親。

外に出す事も無い。


ニュースを見ていて一番腹立たしいのは、コメンテーターの人達の意見だ。

コメンテーターの人達は、母親が入院させられ「統合失調症」と分かった上でコメントを述べる。


それが分かっていれば誰も苦労はしない。

後になれば何とでも言える。

それが分からないから周りの人達は翻弄される。


一番の問題点は社会システムではなくて「病気」という物を見抜けない人達が多すぎる事だ。



実際の現場は、病者は「狙われている」と言う犯罪の被害を主張する。

犯罪の被害を主張する人を正常者として扱ってしまえば、おかしいとは思いながらもその言葉を信じて対処してしまう。

世の中に統合失調症と言う病気の存在を知らない人が非常に多い。

それは統合失調症に限った事ではなく、躁鬱病も同じだ。

統合失調症にしろ躁鬱病にしろいきなり発症する訳ではない。

必ず予兆がある。

その予兆を知り、見逃さない事だ。


安い葉っぱの人の離婚会見のハイテンションを見て「明るい人」などと言う印象を持った人は多いと思うが、あの会見のハイテンションを見て「躁鬱病」の可能性に気付いた人が何人いるだろうか?


離婚会見の時にあれだけハイテンションであれば、その数ヶ月前から小さい朝の人は、多大な理不尽に晒され相当な精神ストレスを抱えていたはずである。

そう言った理不尽に晒された人は、最初は熱心に支えようとするが、その事自体が病者を怒らせる事になり、手が付けられなくなるし、敵対視し始める。

親子であれば縁は切れないので何とか対処できるが、夫婦間では離婚を切り出されたら対処できなくなる。

普通の人なら係わり合いを持ちたくなくなる。

無理に関われば自分の精神もやられる。

体の傷は放って置いても勝手に治るが、心の傷は簡単には治らない。

係わり合いを持ちたくなくなるのは、一種の自己防衛本能であって、誰もそれを責める事は出来ない。

それは「死んで来い」と言うのと同じ位の意味を持つ。


とある番組で安い葉っぱの人に関して「テリーマン」が、家族が支えてやるべきと言っていたが、それは奇麗事でしかない。

現状を知らない人の意見であって、奇麗事は支持されやすい。

しかしその奇麗事はが家族を追い込んでしまう。


同じくテリーマンが別の事件の発言で、「介護疲れのストレスで」と言う物に対し、「介護をストレスと言っている・・・介護されている人にしてみれば、何だ私の介護はストレスか」と言う発言があったが、介護と言う物を知らない人の奇麗事だ。

介護がどれだけストレスを受けるのか、実際にやった人で無ければ分からない。



話は戻るが、8年間子供を監禁した母親は「子供を守った」と言っている。

その事からも「狙われている」と言う妄想による物だった事が伺える。

恐らく監視妄想等の被害妄想だと思うが、監視妄想が出た時点で異常に気づき、適切な治療を行なっていればこうした事態は避けられる。

これは後付の奇麗事ではないし、不可能ではない。

実際に私はそれを行っているし、行なって来たし、事前に回避させている。


こうした事に携わって来て、痛切に思う事は「事件性と病気」の双方を知り、判断できる人材の育成だ。

世の中には事件性と病気を繋ぐ物が無い。

事件が起きて、その担当者を責めるのは酷と言う物だ。

TVで知ったような事を述べているコメンテーターも、進行形で行なわれている場面に遭遇すれば何をして良いのか分からなくなるだろう。

病気の人の視点で相手を理解せず、病者に一般論を押し付けた時、事態が悪化する事も知らないだろう。

場合によっては半狂乱になり、収拾が付かなくなる事さえある。

病気と言う物を理解せずに、良かれと思ってする事が、病気を悪化させる結果になって困り果てている人を何人も見てきているのだ。


その中で、強制入院は最後の手段で、入院させる事や無理やり治療させる事は必ずしも解決にはならない。

病者を説得する話術と言う物もあるのだが、これすらも先に同じ妄想を抱く人の思想に先に触れられてしまえば使えなくなってしまう。



不謹慎ながら、私としては事件性よりも、実験できない事のデータの方に興味がある。

それは、隔離された人間の脳は退行すると言う事。

19歳で救出された女性の知能は3歳程度まで退行していたと伝えられている。


これを「他者とのコミュニケーションを立たれた脳は退行する」と見れば、現在の若者世代のコミュニケーション力が低い事が将来に及ぼす影響が予測できる。

いや、集団ストーカーを訴える人を見ていると、かなりの学歴がある人が小学生レベルの事が理解できなくなっている人もおり、そう言った人は社会と隔絶した世界で生きている。


こうした事から「人はコミュニケーションによって脳が発達し、コミュニケーションが絶たれると脳が退行する」とも考えられる。






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