「世の狂い」の続編にもなるのだが、クレーマーと言われる人がいる。


今日聞いた話なのだが、あるデパートのクレームにこんな物があったそうだ。


「そちらで買った財布に宝くじの当たり券を入れていたら、落としてしまいましたので、その当たり金額の半額でも負担してくれ」


何を言い出すことやら・・・


いや、私も商売をやっているから分かる。

そんな人が多い。


問題は、そんなクレームの事よりもそのクレームを受け続ける店員の精神状態の方だ。

実際、その職場の上司の大半が「鬱」になっている。


その原因は「理不尽な要求」に対する精神ストレスだ。


その代表的な物が「介護」である。


別に介護を批判する気は毛頭無い。


しかし、介護絡みの事件は山のようにある。


奇しくも先日、母親と娘を殺害した女性の事件があったが、この女性の職業も「介護」だ。

この事件は、犯行理由などは未だに不明だが、理由はどうあれ他の介護絡みの事件と同じような精神的な問題が根底にあるのだろう。


自分の親の介護だけでも大変なのに、それを職業とする事が如何に大変な事か?

介護の大変さは介護を経験した人にしか分からない。


私も両親が逝った時に経験した。

父は一年程度だったが、母は障害者1級になり長年入退院を繰り返し、自宅でも酸素吸入を必要としていた。

父や母が逝った時、ホッとした。

その感情は、実に複雑な物だ。

一つに、親が苦しんでいる姿を見なくて済む、気兼ね無く寝れる、責任から開放される等と言う感情と、親を失った悲しみ、二度と会えない寂しさ、そんな物が混ざり合った感情。


そんな感覚は経験した者にしか分からないだろう。


しかし分からない人は綺麗事を言う。


綺麗事は、世間の支持を受けやすい。


それが、当事者を追い詰める。


クレーマーも同じだ。


「理不尽な要求」に対して、失礼無く相手をなだめる事が要求される。

それも大切な事なのだが、簡単にできる物でもない。

特に消費者保護が叫ばれている現在では下手な事をしたら吊るし上げを食らってしまう。


これも、世間の狂いで書いた「情報が氾濫しているので、非常に稀なケースを自分に当てはめて心配する」と同じベクトルがある。


その一つが、法律番組だ。


条件付の事例を自分に当てはめて解釈して、クレームを言って来る。

ひどい場合は、万引をして於いて「法律番組で店から30メートル離れないと万引きとは言えない」とか言う内容を見て、万引きではないと主張する人さえいた。


前にも書いたが、クーリングオフが何にでも適用されると思っている人も多い。

それも同じベクトルだ。


クーリングオフは店頭販売や通販には適用されない。

その事を知らないと、平気で法律を盾に文句を言って来るのだが、その法律自体が適用外なのだ。


以前に実際に有った事なのだが、クーリングオフを認めさせようと「親族は警察や弁護士」と言い、「法的手段」を口にし自分の主張を認めさせようとした人もいた。

そう言う時には「ご自由に」と言うのだが、それは私が個人事業主だから言える言葉で、会社の中にいたら中々言える言葉ではない。


しかし、理不尽クレーマーの多くは自己愛製人格障害の可能性が高い。

そんな、異常な「波」をまともに食らっていたら、自分の「波」も乱れてしまい、それが精神ストレスになって行く。






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