実に面白いデータが取れた。
この映像は「ダダダーダ」と言う発音の映像に「バババーバ」と言う音声が合成してある。
映像を見ながら音声を聞くと「ダダダーダ」若しくは「ザザダーダ」等「ダ」か「ザ」に聞え、目を閉じると「バババーバ」と聞える。
これは、「バ」の発音は破裂音の為、唇を閉じなければ発音できない発音である事を脳が認識しており、唇を閉じていない「ダ」の発音の時の口の形では「バ」の発音は出来ないと言う脳の錯覚により、この現象が起きる。
この映像を、癲癇患者に見せた所、映像を見ていても、見なくても「バ」の発音として聞えていた。
これは癲癇と言う病気が、脳の異常スパークによって起きる事に起因すると思われるのだが、今回の相談者は「躁鬱病」や「PTSD]を併せ持つ人である。
この相談者は目を閉じて聞くと「ババザーダ」と聞えた。
これは実に面白いデータである。
目を閉じれば、視覚情報は遮断されて聴覚情報だけになる為、「バババーバ」に聞えるはずである。
それが、目を閉じても視覚情報の影響を受けている。
その注目すべき点は、最初は「バ」で後に「ザ」と「ダ」に変換されている所だ。
つまり、脳が過去の視覚情報の影響を受けていると言う事が考えられる。
それは、PTSDの症状、又はフラッシュバックとの関連性が考えられる。
まだ、一人のデータでしかないので、その関連性については単なる可能性の一つに過ぎないが、実に興味深いデータで有る事は確かだ。