前回、個性について書いたので、実体験を書く。
私の娘は昔から絵が好きだった。
しかし、好きなマンガの模倣だ。
娘が小学生の高学年の頃の夢は「漫画家」
その時に、真似なんかしてたら漫画家にはなれないと教え、オリジナルを考えて見ろと教えた。
私はそんな事を言った事すら忘れていたのだが、娘はその事を覚えていた。
高校に入って「美術アニメ部」と言うクラブに入り、オタクの世界を堪能していたのだが、作品集を見て成長している事を実感した。
他の子の作品は、何かに似ているのだが、娘の作品は誰の作品にも似ていない。
娘に聞くと、昔私が言った事を忠実に守っていたらしい。
私の姉は美大の洋画科卒と言う事もあり、その影響で色々な絵も見てきている。
娘に関しては結構辛口で評価をするのだが、結構上手い。
同時に、足りない所も判る。
そして、娘に「今の自分に足りない物は判るか?」と聞くと「デッサン力」・・・
分かっているじゃん。
そのデッサン力をつける為にデザイナースクールへ行きたい。
目的を持って先へ進むのなら、反対する理由も無い。
しかしその裏で、言い出せない夢もあった。
それが「声優」
それを言い出すと反対されると思っていたらしい。
私自身、昔バンドを組んでいた時、プロになる事を目指した時期も有った。
私は自分に才能がない事を悟り断念したが、一緒にバンドを組んでいた先輩は私の友人と組んでプロデビュー。
ザ・ベストテンにも出るほどになった。
夢を諦めず成功した人が身近にいる。
そのサクセスストーリーも見ている。
だから、反対する気は毛頭ないし、その世界の厳しさも知っている。
気の済むまでやれば良いと思っている。
娘はデザイナースクールの入学も決まり、入学金も支払い、卒業式も間近に迫った頃に「一年バイトして声優科のある学校に入りたい」と告白。
その時に「好きにやれば良い」と言うと、娘は「反対されると思っていた」と涙を流していた。
そして、一つ聞いて見た。
「どんな声優を目指すのか」
すると娘は「悪役」とか「魔女」とか、主役じゃない役。
悪役の魔女の不敵な笑いがやりたいそうだ。
その為の演技力をつける為に、劇団にも入って本格的な演技力も身に付けたい・・・
よしよし、絵で培ったノウハウをちゃんと応用できている。
自分に何が足りないのか自分で把握して、どうしたらよいのかを考えていた。
後は、その世界に足を踏み込めば見えてくる物もあるだろう。
その都度、そう言う発想が出来れば良い。
別に声優になれなくても思いっきりやればよい。
声優になれなくても、生きていく事は出来るし、何かに打ち込んだ経験は必ず何かの役に立つ物だ。