まず今回は、面白い実験を紹介しよう。


以前ディスカバリーチャンネルで放送されていた嫉妬の感じ方に関する男女の違いに関するワシントン大学の実験だ。

55人の男女を対象とした生理学的実験なのだが、面白い実験結果が出ている。

その実験結果では、男性の場合肉体的な背信行為に強く反応し、女の場合は感情面での裏切りに強く反応している。

番組に出ていた「ラーセン博士」は、人間は進化の産物であり、心理学的傾向も受け継いでいると考えられ、男女は同じ種の保存と言う目的で生殖活動を行う。

男女共にその目的が脅かされた時、嫉妬と言う感情を抱く。

男性が恐れるのは、確実に自分の子孫を残す為にパートナーの女性が他の男性と交配する事、女性が恐れるのは男性の協力を得て子供を育てる事で、その為に男性の心が離れる事を恐れると結論付けていた。


間違ってはいけないのが、これは表層意識の話ではなく、嫉妬と言う感情(無意識)の話と言う事である。


この実験結果から、色々な事が推測できる。

それが、育児。


共振、共鳴、ドップラーでも書いた様に、心を波として考えると心にも共鳴やドップラー効果がある。

子供を作るという、同じ目的に共鳴して近付きながら子供が生まれるとその後の波長が異なる。

それは、先の実験結果を見れば判る。

男は、子孫を残すという事にベクトルが働き、女は育てるという方向にベクトルが働く。

そこが、出産の後の育児に関する意識の違いにもなると考えられる。


早い話が、生物学上のベクトルが違うのだ。

それは、人間の進化を見ても歴然としている。

人類は、男は狩に出かけ、女は育児をすると言う生物学的形態を何万年も続けてきた。

文明と言う物が出来ても男は仕事、女は育児と言う生活を有史以来続けている。

それは、遺伝子レベルで人間の生態に刷り込まれている。


女性が社会進出したのは、ここ数十年の事であり、遺伝子レベルの本能的な部分を急に変えろと言っても、無理な話だ。


少し目線を他の群れを作る動物に、目を向けて見よう。

群れを作る動物で、メスがボスになる動物は昆虫だけである。

その昆虫の世界で、オスの生物としてのベクトルは子孫を残す事だけである。

子育ても社会性も何も無い。

しかも、メスと言えども女王以外は子を生まず、一生働いて生涯を終える。


哺乳類になると、オスに群れを守るという社会性が生まれ、全てのメスが出産出来る様になり、子供が巣立てば新たな生殖活動を行う。

そのオスの群れを守ると言う社会性は、先の実験の他の男との交配を防ぐ行為と同意儀と見れば、人間は他の哺乳類となんら変わりは無い。


人は、自分の感情を相手に当てはめて考えるが、そこに、この実験の様な男女の違いが存在する。


つまり、生物学的な男性としての繁殖に対するベクトルは、子供を作る事までであり、女性のベクトルは子供を育てる事に向いている訳で、女が男に対して子育てを手伝ってと言う願望は、女性のベクトルから来る願望であり、男性のベクトルとは異なる。

女性が自分と同じベクトルを男性に求めても無理な話だ。

かと言って、男性が完全に子育てに無関心と言う訳ではない。

群れを作る哺乳類のオスと同じベクトルは持っている。

男女間では子育てに対する役割と言うベクトルが違うのだ。

女性のベクトルと同じベクトルを男性に求めようとするから不満が出る。

男性は、自分のベクトルと違うベクトルを押し付けられるからストレスが溜まる。






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