人生、悪い事は続く物だ。


本業に戻って、仕事をしていたら、以前に防犯カメラを設置の依頼があった業者から「面白い商品無い?」との連絡が入った。


そこで、蛍光灯の反射板を紹介したのだが、その人はノリノリになってしまった。

商売としては、有り難い事なのだが・・・


この商品に人生を賭けるとまで言い出した。


そして、最初に1000枚納入した。

その商品を持って、色々な所を回ったらしいのだが、大手の電材商社に売り込んだ。


最初はトントン拍子に話が進んでいたのだが、厄介な話になってきた。


その電材商社が商品を納入している所が、自分の所で仕入れて売り出すと言い出した。

そこで、その人が頼み込んで来たのが「総代理店」の権利である。


私は、そこまでしなくても・・・と言ったのだが「俺は人生を賭けてる」との気迫に負けて、代理店の交渉を始めた。

そして、年間10万枚の販売を条件に西日本の総代理店の権利を権利金無し、ペナルティー無しの条件で話を付けた。

売れなくても、代理店の権利がなくなるだけで、ペナルティーも無く売る事が出来る内容だ。

普通、そんな好条件で総代理店の権利など取る事など出来ないが、もし売れなかった時にペナルティーで負債を負わせる事を避ける狙いもあった。


そして販売が始まった。

とりあえず、最初に10000枚発注した。

最初は、話が順調だった・・・「話は」である。

私は、自分の所に来た代理店希望者も全てそいつに回した。

仕入先も、西日本から来た代理店希望者をそいつに回した。

その業者の数は数十社に登り、関係者で支援した。


最初5000枚程度は順調に売れた。

しかし販売枚数が止まった。


原因は、自分で売らない事だった。

「誰かに売らせる」そんな考えでは売れない。

その結果、代理店だけが増えていく結果になる。

具体的には「売りたい」と言って、代理店になった人も「誰かに売らせる」と言う考えで代理店になり、それが連鎖して行った。

最終的に、私の所に富山の業者から売り込みに来たのだが、価格は倍に跳ね上がっていた。

私から始まり、6社ほど経由してまた私の所に売り込みに来る始末。

そんなに、代理店が増えても商品は動かない。

正しく他力本願の連鎖になっていた。

その時点で、私は総代理店の権利の放棄するように説得したのだが、手放そうとはしなかった。


そして、追加10000枚、売れてもいないのに・・・

更に念を押して聞いた、注文は嬉しいけど本当に売れるのか?売れる見込みはあるのか?と・・・

すると、様々な企業の商談の話が出てきた。

そして「ここで総代理店の権利を手放すと、全ての努力が無駄になる」と言い張り、10000枚納入する事になった。


同時に、省エネ蛍光灯の発想が生まれた。

36Wの蛍光灯を作れば単純に20%の省エネが出来ると考えた訳だ。

そして、私に作る所を探して欲しいと頼んできた。

私は、韓国で少ロッド生産が出来る所を探し出した。

しかもそこではすでに製品があることを知り、サンプルを輸入した。

それも自腹である。

その蛍光灯を設置したら、見事に20%消費電力が減った。

しかし、それも束の間の喜びで、単に安定器が古い為の現象だった。

新しい傾向器具に変えたら一気に消費電力は上がった。

私は、そこに省エネのヒントを見出したのだが、その人は落胆していた。


そして、その月末に代金は入金されなかった。


そんな折、その人が結石で入院してしまった。

その間、少しでも売上が上がるように、自腹を切ってそこの会社の名前で広告も出してやった。

留守の間、電話の受付もしてやった。


そこまでして、退院してきた時の言葉は「騙された」である。

さすがに、頭に来た。

それでも、総代理店の権利を放棄しない。

支払いを求めると、もうすぐ入金があるからそれで払う。

支払いもしていないのに、次の注文をして来た。

その時にも、売れてもいないのなら、総代理店の権利はクビを絞めるだけの事と説得するが、聞き入れない。


そこで、入金されるまでは発注出来ないと断った。

これ以上、未回収金を増やす事は出来ない。


その後、やっと総代理店の権利を手放した。

結局、15000枚の在庫が残っていた。


しかし、支払いはされなかった。

何度取りに行っても、今度・・・

請求書を出しても無視・・・

さすがに、切れて来た。


貯金はすでに底を付いていたので借金をして仕入金額を支払った。

その為、家賃のかかるマンションを引き払い、実家に戻り支出を切り詰めなければやっていけなくなった。

借金生活になっては広告を出す事もなかなか出来ない。

そこで、ネット通販と調査業に力を入れる事に方向修正をした。


そんな折、この商品の入札が行われた。

その入札は、私の仲間が営業した結果だった。


そこに、そいつの傘下の奴が入札に加わって来た。

そして、起きて破りの金額で落札して行った。


これは回収のチャンスだった。

その落札して行った会社も私は知っている。


この入札には、少し細工がしてあった。

あいつが、「在庫処理の為に安売りしてくる事が予想されたからだ。

そして、ある部品を付属品を含めた入札になっていたのだ。


それは、わずか原価30円の部品なのだが、そいつは在庫をもってい無い事も知っていた。

そして代替品が無い事も知っていた。


そいつから電話が入った。

その部品を売ってくれ・・・やだ!支払いするまで売らない!と突っぱねた。


そしたら、落札した業者から泣きの電話が入った。

何とか売ってくれと・・・

そこで、私はそれまでの経緯を話したら、その業者は驚いていた。

そして私は、セットなら売りますよと言った。

そこで、未払いの業者を断って、私から買うことになったのだが、その事は秘密にする事を条件にした。

翌日、「未払いの業者から電話があって取り合えす50万払うと言ってきたので、満額の250万には程遠いが、取り合えず、入金してから注文してくれと言って電話を切った。

すぐさま50万入金された。

その後に、落札した業者から「あそこは断ったので発注します」との連絡が入った。

そして、追加が出たとの話もあり、追加分の利益は最初に商談をして入札まで持っていった仲間に全額回すことで一件落着。


しかし、50万円は回収出来た物の、200万円の損だ。

この50万むしり取るのに、1年以上経過していた。

まあこの取引の利益が有るので少しはダメージを少なくする事は出来た。

私の仲間も、落札で負けた事で0だった物が数十万入る事になり喜んでいた。


しかし、精一杯仕事して、金が増えるどころか借金生活になってしまった。

人間、順調な時は皆言い顔をするが、順調に行かなくなった時に本性が出る。

それは、私にも言える事だ。

この金のむしり取り方は、結構悪どいと自分でも思う。

しかし、精神誠意した結果が未払いで門前払いされては、悪どくもなる。


しかし、この頃から自律神経に異常が出始める。

何もしていない時でも鼓動が早くなったりし始めた。

今までの精神ストレスの蓄積や、将来の不安を考えれば当然だろう。

金の苦労は初めてではない、昔破産した時の事を思えばどうって事は無いし、心を安定させる方法は心得ている。

そんな時は、まず寝る。

そして、コメディーなどのお笑い系を丸一日見る事だ。

少しでも暇が有れば、お笑い系のビデオを見て笑う事を心がけた。

思いっきり笑う事を心がけたら、症状は消えた。


本当に駄目な時は何をやっても駄目だ。

更に不幸?は続く・・・



ちなみに、その後そいつの会社の事務所は消えた、電話帳からも消えた。



集団ストーカー―盗聴発見業者が見た真実 (晋遊舎ブラック新書 1)/古牧 和都