犬の知能は、人間の2~4歳程度と言われている。


裏を返して言えば、幼児期の人間は犬以下と言う事でもある。


犬のしつけも、子犬の頃から教えると覚えが早い。

犬のしつけは、悪い事をしたら言葉と同時に、引っ叩いたりする。

犬は言葉を知らないからだ。


しかし考えて見れば、人間の子供も同じだ。

言葉が通じない時期は犬並みの知能しかない。

言葉を理解する頃には「反抗期」に入っている。

反抗期は3~4歳で、この時の知能が犬と同等と言う事になる。

反抗期に入ってからのしつけでは、なかなか上手くいかない。

「駄目!」と言った事をやりたがる。

駄目といった事をやせらない為には、それ以前の体験が必要だ。

駄目、と言って引っ叩く。

すると、駄目=痛い と言う事を覚えて行く。


言葉が通じない時期は、引っ叩いて体で覚えさせ、言葉を理解するにつれて体罰を減らして言葉で言い聞かせて行く事が必要ではないかと思う。


まあ子育ては少し置いておいて、犬にも精神疾患が有る事をご存知だろうか?


昔飼っていた犬は、かなりおかしくなってしまった。

それは、子育てが上手くいかなかったのが原因だった。


その犬は、貰い物の犬だったが、その親は300万の値が付いたほどのチャンピオン犬だった。

血統書付きの犬を飼うのも初めてだったと言う事もあり、蝶よ花よと可愛がった。

その犬は牝だったので、一緒に雄も飼う事にした。

そして、最初の妊娠は死産。

二回目の妊娠で6匹の子犬を産んだ。

その牝犬は、子犬を一生懸命育てていた。

しかし、一匹の子犬が病気になり、顔中が腫上がり膿みだらけになってしまった。

すると母犬は、その膿みを舐めて綺麗にしようとするのだが、子犬はそれを痛がり、キャンキャンと悲鳴を上げた。


母犬は、どうして良いか分からず、おろおろするばかり。

そして、段々と切れてきた。

乳をせがむ子犬達に、牙を向けて威嚇するようになってしまった。


仕方なく、親子を引き離す事になったのだが、今まで蝶よ花よと育てられてきた犬にとって、それは屈辱だったのだろう、鬱病の症状になってしまった。

それまで仲の良かった、雄犬や子犬達に牙を向けて威嚇するので、一緒にさせる事が出来なくなってしまった。

それだけではなく、気に入らないと飼い主にも牙をむいて威嚇する。


その母犬の旦那は、買って来た子犬の時から、悪い事をしたら叩かれて育った。

その為か、一度も飼い主に牙を向いたり、唸ったりして威嚇をした事は死ぬまで無かった。

そればかりではなく、子犬がお漏らしをして、しつけで引っ叩いたりすると、ワンワンと吠えて助けようとする。

試しに、家族同士で「叩く振り」をすると、ワンワンと吠えて人間同士の事でも止めようとした。


生まれた子犬は2匹残す事になった。

病気になった犬と、胸にワンポイントの柄が付いた犬だ。


その子犬でも、面白い事が分かった。

病気の犬は、病気である為に大切に育てられ、もう一匹の犬は普通に育った。


大切に育てられた犬は、自分が特別と思っていた。

人間が食事をする時、空いている椅子に座り、おねだりをする。

そこに、他の犬が来ると牙をむいて威嚇する。


もう一匹の普通に育てた犬は、父犬と同じく人間や他の犬を守ろうとする行動を取るようになった。

ちなみに、この様な行動は多頭飼いの時だけで、一頭飼いの他の犬では見られなかった。

この犬は、他の犬を威嚇する事は無かったし、餌をもらう時も他の犬と仲良く食べていたが、病気の犬は一緒に餌をもらった時、他の犬が近くに来るだけで威嚇した。

ジャーキーなどをやる時、3匹の犬が一緒に欲しがるのだが、その病気の犬は他の犬が欲しがると、怒って威嚇した。

そしてその病気の犬は、甘え方が非常に上手だった。

叱ると甘える、他の犬を撫でていると、そこに自分の体を入れて他の犬を追い出す。

自己愛性人格障害と同じだ。


ちなみに、寿命なのだが、父犬は14歳、母犬は8歳、病気犬は10歳、もう一匹は17歳だった。

群れ?を守ろうとした二匹は他の犬よりも長寿だった。

そして、貰われて行って蝶よ花よと育てられた兄弟達は結構早死にで、14歳頃には全て死んだ。


今は、13歳の犬と4歳の猫を飼っているが、こいつらも面白い。

元々犬がいたのだが、野良猫の子猫が家に迷い込んで来た。

その猫は、手の平サイズで痩せ細っていた。


犬がいるので、最初はその猫を追い出していたのだが、何度追い出しても戻ってくる。

その時は台風が来ていた時だったので、可哀想に思い家に入れた。


すると、その猫は私のひざの上に飛び乗って、ニャ~と鳴き、膝の上で丸くなって寝てしまった。


仕方が無いのでその猫を飼おうと思ったのだが、犬との問題もある。

そこで、犬とご対面させた。

案の定、犬は猫に対し吠えまくった。

最初は猫をガラスのショーケースに入れ、犬とガラス越しにご対面させていたのだが、猫は自分でガラスの扉を開けて犬に立ち向かって行った。

その犬は芝系の雑種の中型犬だ。

手の平サイズの子猫がかなうはずも無い・・・と思ったのだが、猫は負けていなかった。

そんな犬猫バトルを繰り返し、猫は自分の居場所を確保した。

この時、私は最初だけ犬を叱ったが、その後は何もせずに見ていただけだ。


これは、以前飼っていた犬での教訓だ。

犬は序列社会で生きている。

当然先にいた犬の方が、自分の方が順位は上だと思っている。

人間の目から見れば、弱い方に味方をしたくなるのだが、その事に人間が介入すると以前の犬のように、関係がおかしくなると思い、勝手にやらせておいた。

しかし、バトルを見ていると子猫の方が上手だ。

少し考えれば、猫の方が有利と気が付いた。

戦史を見れば一目瞭然だ、2次元的な犬は3次元的な猫にはかなわない。

いくら巨体でも、世界最大の戦艦大和がアメリカの航空機に負けたのと同じ理屈である。

犬の鼻っ柱に猫パンチを食らわして、高い所に逃げる。

犬は高い所には上れない。

猫は、高い所から急襲してまた高い所に逃げる。

その犬も、鼠を捕獲した実績を持つ勇者だったのだが、猫相手には思うように行かない。

時折、犬パンチの高射砲攻撃がヒットして、押さえ込まれるのだが、そんな時は猫キックの速射砲で危機を脱出する。

まあ、犬は本気を出していない様子だった。


そのバトルを繰り返し、猫は犬に自分の居場所を認めさせた。

今では、仲良しで時々一緒に遊んでいるし、一緒に寝ている時もある。


これを、人間に当てはめて見ると面白い。

昔は、子供の喧嘩に親が口出しをする事は無かった。

子供は子供同士で、自分の居場所を確保していった物である。

自分の居場所の自己主張の方法の一つが、子供の喧嘩だ。


そこに、親とか教師などが介入するから、おかしな事になるのではないだろうか。


次回へ続く・・・




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