私は子供に勉強を強いる事には疑問を持っている。
その為、勉強を強要した事はほとんど無い。
その代わり、将来の目的を持たすようにしている。
勉強などは、自分で目標が出来れば自分で勝手にするようになる。
何の為に勉強するのか?そこの所を自分で見出させる。
そして目標を持った勉強は、質が違う。
但し、学校の成績は悪くなる。
私は、成績の為の勉強ならしない方が良いと思っている。
自分の為の勉強と言う意識が無ければ、知識は役に立たない。
娘は絵が好きだった。
小学生時代から、漫画家かイラストレーターになりたいと言っていた。
しかし、三角の顔に、かもめの口の絵を描いていて、はっきり言って絵は下手だった。
クラスの中でもかなり下手な部類に入ると思う。
しかし、そんな娘のへたくそな絵の中に、娘の感性が光っていた。
それが、表現力だ。
「蜘蛛が怖いよ」と言うタイトルの思いっきり下手糞な絵を見た時、その怖さが物凄く伝わって来た。
娘はミルクティーが好きで、知らずにレモンティーを飲んだ時に、酸っぱかったので腐っていたと思い、自分で「レモンティーに気を付けよう」と言うポスターを作った。
そのまずそうな表現が凄かった。
絵の技術は下手糞だが、感性や表現力には目を見張る物があった。
絵が上手いとか下手とかは、実際の所あまり才能とは関係が無い。
そんな技術的な事は、練習すれば上手くなる。
問題は、感性だ。
私も若い頃は音楽をやっていた。
楽器は練習すれば誰でもそこそこは出来るようになる。
バンドなどをする人は、今も結構多いし、皆上手だ。
しかし上手いだけのバンドが多い。
何も伝わって来ない。
私は娘が好きな絵に対しても、その才能を伸ばそうともしなかった。
なぜなら、親が加熱すれば才能を潰す事になる。
好きにやらせる事が一番だ。
進学に関しても、娘に自分で考えさせて自分で決めさせている。
そして、高校の学費も自分でアルバイトで支払わせている。
自分で支払う事で、勉学意識を持たせているのだ。
自分で学費を支払えば、金銭感覚も身に付き、おしゃれにもお金を使わなくなし、無駄遣いも減る。
授業中の居眠りは、学費を捨てている事という自覚も付き、自分から勉強するようになる。
進学もデザイナー学校を志望し、入学金などの貯金も始めている。
デザイナーの世界は生易しい物で無い事も知っているが、反対はしない。
物になるのかどうかは分からない、多分物にはならないだろう。
しかし、無駄な努力などは無く、必ずその経験は人生の何処かで生きてくる物である。
娘の絵も、見違えるように上手くなった。
今ではアニメ美術部の部長も務めている。
そして、自分に足りない物も自分で正確に理解している。
その足りない物を学ぶ為に、その学校を選んだのだろう。
自分で満足するまでやらせるつもりだ。
集団ストーカー―盗聴発見業者が見た真実 (晋遊舎ブラック新書 001)/古牧 和都