娘が幼稚園の年長組みになった時に、引越しする事になった。
当然娘も転校する。
新しい幼稚園に入る前に、娘に言い聞かせた事がある。
それは「同じ失敗を繰り返すな」と言う事だ。
前の幼稚園では、自分のワガママからせっかく出来た友達を減らしてしまった。
「ワガママは友達を無くす」と言う経験値を得ている訳だ。
娘は、言いつけを守りワガママを言わずに、順調に友達を増やして行った。
そんな中、友達の中に昔の娘そのままの子供がいた。
当然その子は友達から浮いていた。
娘はその子の事を「あの子ワガママ」と言った。
しかし私は「あれは以前のお前と一緒だよ」と教えた。
同じ性格の子供に、以前の自分を見せた訳だ。
そして「じゃあどうしたら良いかな?」と自分で考えさせた。
娘は、自分のワガママな時を思い出して「仲立ち」をしてくれる人が欲しかった事を思い出した。
そして、娘は友達同士で仲間割れしようとする時に、自分から仲裁役をするようになった。
それぞれの意見を聞いて「じゃあこうしようよ」と提案するようになった。
これはこれで良い方向に向っていると思ったのだが、小学校に上がると別の問題が浮上してきた。
それが、人種差別的な問題だ。
私の娘はハーフの為、肌の色や骨格、顔立ちが違う。
祭りの時でも「何処の国の人?」と良く聞かれた。
外人からも英語で話しかけられたりした。
その事に付いて、友達から言われ始めた。
その事に娘は傷付いて行った。
この問題は、簡単には解決出来ない。
それは、異質な物に対する疑問や偏見は、一朝一夕には行かないからだ。
とりあえず「ハーフは大きくなったら人からうらやましがられるよ」とか、「体の違いを言われるのは今だけだよ」などと常に言って、テレビを見ている時でも「この子もハーフだよ、ハーフでも人気あるじゃない」と言い続けた。
娘は、褐色の肌をしている。
そこで、真っ暗遊びと言う物を考案して、娘と一緒に遊んだ。
それは、電気を消すと黒い肌は見えにくくなるから「何処だ~」と言って探す遊びだ。
これは、心に傷が付く以前からしなければ意味が無いので、娘から学校での話の中に人種差別的な報告があった時点ですぐに始めた。
娘はこの遊びが結構気に入って、毎日のように遊んだ。
その中で、ボケと突っ込みも教えた。
これは、将来の事を見越して始めた遊びで、しばらくの間は友達から体の特長の事を言われる事で、その事にコンプレックスを持つはずである。
この遊びは、コンプレックスを持っても、成長と共にそのコンプレックスを解消出来る種を植え付けておく為の遊びだ。