ラジオ番組を録音しておいて後で好きな時間に聴くというスタイルが大好きです。スマホアプリでインターネットラジオを聴くというスタイルは嫌いです。どうしてか。利用者登録を行わないと聞けなかったり、後で聴こうと思っていたのに無くなってしまってたとか、スマホの画面を見て操作するのが面倒くさいとか、嫌いになる理由は、いろいろあります。

 

じゃあどうしていたのかというと、昔は、ラジオをテープレコーダーで録音していました。その後、コンポーネントステレオが流行り出すと、チューナーとカセットデッキをタイマーで電源(AC 100V)をオンにすることで自動的にテープに録音することができるようになりました。

 

更にその後、2011年頃だったように思いますが、ICZ-R50 が発売されたので、ラジオ番組を予約録音することが簡単になりました。しかもテープではなくSDカードにMP3様式で記録してパソコン等で利用できるようになりました。

SONY ICZ-R50 ラジオ録音機器

ICZ-R50

 

ICZ-R50の後継機種は数世代くらいは登場しましたが、ICZ-R50は壊れませんでしたので、使い続けておりました。さすがにワイドFM非対応だし、日焼けして少し黄色に変色してきましたので、最近になってようやく、後釜の検討を始めたのですが、残念なことに、このシリーズは製造終了になってました。しかも、ソニーのラジオ事業部も無くなっている。

 

ハードオフ等で ICZ-R50 の後継機種の完動品に出会えればよいのですが、それまでは、ICZ-R50を大切に使い続ける必要がありそうです。

 

まずその手始めとして、例えば伊集院光のタネといった番組をAM補完放送(ワイドFM)で予約録音できるようにしようと思います。AM放送(1242 kHz)の方でもいいのですが、ワイド FM 側(93.0 MHz)なら雑音が少ないしフェージングの影響で音声が聞き取りづらくなることもありませんので好ましいと思うからです。

 

ICZ-R50 はワイド FM 非対応なので 93.0 MHz を受信可能化する必要があります。本体を魔改造するのは難しいと思いましたので、周波数コンバータを用意することにしました。この手のガジェットは、ゼロからDIYするよりも、そのものズバリあるいは機能的に近いものを入手して改造する方が安く早く実現できたりします。

 

AliExpress で 790 円の TL-J5201 をみつけました。

 

FM周波数コンバーター TL-J5201

 

アマゾンで 1,460 円の JL-T2105 をみつけました。

 

ワイドFMコンバーター 周波数変換器

 

外観は JL-T2105 と TL-J5201 は同じに見えますが、型名の違いは何を意味するのかネット検索をしてみたところ、カーFMコンバータを買って改造してみた (その3)というブログを見つけました。奇特な先達が詳細に調べを公開してくださっているのでとても参考になり助かりました。

 

そのブログによると JL-T2105 は、ベーク基板上にトランジスタ2個及びリード部品で回路構成されており、水晶発信子の周波数は14 MHz、AM受信用バイパス機能は無いそうです。 TL-J5201 JL-T2105 の新型であり、ガラスエポキシ基板上にトランジスタ2個及びチップ部品で回路構成されており AM 受信用バイパス機能を備えているそうです。水晶発信子の周波数はどちらも 14 MHz です。

 

AliExpress に注文しましたが、ランダムに発送されるので JL-T2105 あるいは TL-J5201 を選ぶことはできないと書いてありました。 アマゾンの商品説明を隅から隅まで読んでないので確証ありませんが、アマゾンも同様かもしれません。

 

小生のところへは TL-J5201 が届きました。

TL-J5201 FM周波数変換器

 TL-J5201


蓋をあけてみました。ガラスエポキシ基板上にチップ部品が見えます。

TL-J5201 周波数コンバーター詳細

 TL-J5201

 

14 MHz の水晶発信子が見えます。

TL-J5201 周波数コンバータ基板

TL-J5201

 

AliExpressの商品説明には「日本の自動車用コンバーター」と書いてあります。このガジェットの主たる用途のことで、輸入した中古日本車のカーラジオでFM放送を聴けるようにするためのガジェットです。

 

もう少し詳しく述べると、日本国内で使用されていた自動車に組み込まれているラジオのFM受信周波数帯域は、古い自動車だと 76~95 MHz で、新しい場合だとワイドFMにも対応していれば 76~108 MHz です。これに対して、国際的にみると、FM放送の周波数帯域は三つあるようです。

  • 87.5 MHz ~ 108 MHz(CCIR)
    • アメリカ、ヨーロッパ、多くの国・地域で採用されている世界的な標準バンド
  • 76 MHz ~ 99 MHz(日本独自)
    • 日本国内で使用されている帯域(2025-05-18までは76~95MHz)
  • 65.8 MHz ~ 74 MHz(OIRT)
    • 旧ソ連圏で使用されているバンド

たとえば、日本から輸入した中古車で CCIR の国や地域内を走行する際に、カーラジオで現地のFM放送を聞くためには、87.5 MHz ~ 108 MHz で放送されているので、これを 76 MHz ~ 95 MHz へ変換してやる必要があるからこのガジェットが登場するわけです。現地仕様のカーラジオ本体を換装する費用に比べたら超激安で済むわけです。

 

これがこのガジェットの想定する顧客ニーズです。しかし、コンバーターの原理からしますと周波数変換はマイナス側の:

90~113 MHz → マイナス 14 MHz → 76~99 MHz

だけでなくプラス側の:

73~94 MHz → プラス 14 MHz → 87.5~108 MHz

も同時に生じます。即ち、このガジェットを日本仕向けの FM ラジオに取り付ければ 90~113 MHz が聴こえるようになりますし、CCIR 仕向けの FM ラジオに取り付ければ 76~99 MHz が聴こえるようになります。商品説明はマイナス14MHzの効能しか謳ってませんが、原理的にプラス14MHzの効能も同時にありますし、副作用というのもあります。

 

異なる二つの周波数の干渉は複数の別の周波数を生み出すということが周波数コンバータの原理です。二つの周波数を加算した周波数及び減算した周波数だけでなく、それらの高調波や低調波も生じますし、生じた周波数同士の干渉も生じます。二つの周波数を加算及び減算した周波数を得るのが目的だとしても、高調波、低調波及び関連する複数の周波数の発生が伴う宿命が副作用です。副作用で生じた周波数が自分自身及び周囲の機器への妨害波になってしまう可能性もあります。副作用で生じた周波数の間に目的とする周波数が居てくれればバッチリ目的どおりの結果になりますが、そうでない場合は、その周波数成分の強度や目的とする周波数での変調方式によっては、せっかく周波数が変換されても副作用による雑音に負けてしまって目的どおりにならないことも結構あります。AM変調だと周波数の干渉はピーピーうるさくて壊滅的ですが、FM変調ならAM変調程壊滅的ではない場合があります。

 

取扱説明書が添付されてました。書いてある内容は、88 MHz~108 MHzのFM放送を76~90MHzの海外製カーラジオで受信可能にする、14 MHz マイナス側の話に終始しています。例えば 91.4 MHz の放送は 91.4 から 14 (第1高調波)を引いた 77.4 MHz に同調させると聴くことができますと書いてあります。また、105.2 MHz の放送は 28 (第2高調波)を引いた 77.2 MHz に同調させると聴くことができると書いてあります。

JL-J5201 周波数コンバーター接続図

取扱説明書

 

この周波数コンバータを使用して下記のシナリオで実験を行いました。 

 

Step 1/

79.0 MHz を受信状態にしたラジオのロッドアンテナにワイヤアンテナを接続して、何も受信されず、ホワイトノイズが聞こえることを確認。

Step 2/

アナログ安定化電源と TL-J5201 とを赤(+)と黒(-)の電線で接続します。電源供給は未だ。

Step 3/

ラジオのロッドアンテナからワイヤーアンテナ(青い電線)を外して TL-J5201 の IN へ接続する。ホワイトノイズが減る。

Step 4/

TL-J5201 の OUT を黄色の電線でラジオのロッドアンテナへ接続する。

Step 5/

安定化電源の電源供給ボタンを押して TL-J5201 へ 12V の供給を開始する。

Step 6/

79.0 MHz を受信中のラジオに 93.0MHz のニッポン放送放送が入り始める。

マイナス14MHzの変換が働いていることがわかる。

Step 7/

安定化電源の電源供給ボタンをもう一度押して TL-J5201 への 12V 供給を停止する。

Step 8/

放送が聞こえなくなる。

Step 9/

安定化電源の電源供給ボタンをもう一度押して TL-J5201 への 12V 供給を再開する。

Step 10/

79.0 MHz を受信中のラジオに 93.0MHz のニッポン放送放送が再び入り始める。

Step 11/

ラジオの受信周波数を 107.0 MHz に変更する。

Step 12/

107.0 MHz を受信中のラジオに 93.0MHz のニッポン放送放送が入り始める。

プラス14MHzの変換が働いていることがわかる。

Step 13/

ラジオの受信周波数を 93.0 MHz に変更する。

Step 14/

93.0MHz で放送しているニッポン放送が聴こえる。

 

コンバータの実験

 

 

「火曜日~金曜日の17:30~17:40, 93.0 MHz(ニッポン放送)」で ICZ-R50 に録音予約を登録しておき、 ICZ-R50  の傍らに、12Vのバッテリーにつないで TL-J5201 を稼働させたまま設置して、 TL-J5201 の IN にはワイヤーアンテナをつなぎ OUT を ICZ-R50 のロッドアンテナにつないでおけば、ワイドFMの方のニッポン放送で伊集院光のタネを録音することができるようになりました。