401.身代わり~新しい皇太子妃との婚姻を成せば皇太子の位を譲る | かおり流 もうひとつの「宮」

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「チュ・ジフン&イ・ジュンギな毎日」のまほうの手・かおりが
こっそり書き溜めた「宮」の二次小説を今更公開(四十の誕生日2013/08/18にOPENしました)
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前話にひき続き皇帝陛下イ・ヒョン目線です
 
 
「欺いた事をお詫び申し上げます
いかなる罰も 厭いません」
その声は… 耳を疑うほど我が息子 イ・シンのものに酷似しており 肌がざわめく
「何者かと訊いておる!」

「私は…ソ・ジヌと申します
数日前から 皇太子殿下より 殿下の影の役目を仰せつかっております」
「なにっ?!ではまさか 先刻の儀式もそなたが?」
「おそれながら」
再び深々と頭を下げる

それでは…シンは…何処に…
はっ!まさか…全てを捨てて逃げ出したとでも…?!
余りの驚きに暫く考えが纏まらず言葉を失ったが… いやまさか シンはそれほど愚かでは無い
 
先刻の儀式は 今目の前に居るこの男とは別人のようにシンに酷似しており 誰も気が付かなかった
いや…そうではない
皇太子の言伝てに参ったコン内官は…父親の私よりもシンを熟知している
先程の姿とは異にするこの姿のままで 東宮殿の従者達が気付かぬわけがない
整然と正装して儀式に臨む事など 多くの…協力者がいなければ不可能だ
一体何処までこの者の存在を承知していたのだ?
 
今 明かす為に この姿で此処へ上がったというわけなのだな?
しかも…隣で頭を下げたままのキム・ミニョンも別人と承知の上で儀式に臨んだというのだな
 
 
「皇太子の身分を語るなど 問答無用で罰せられる事もありえるとは思わなかったか?」
「反論の余地も御座いません 無論 罰せられる覚悟も出来ております」
下げた頭をあげることなく それ以上を語ろうともしない姿に些か苛立ちを覚え この声も尖る
「釈明はせぬのか?!」
「釈明する事をお許し頂けるのであれば 致します」
ふむ…まあ…そういうことであれば…
 
「申してみよ」
「畏れながら わたくしは戸籍上は 恵政殿皇太后の次兄ソ・ジョンソクの次男なのですが 真実はそうではないということを 今年5月…二十歳の誕生日に知りました
ソ・ファヨンの次兄ソ・ジョンソクは私の旧友でもある
確かにユルの従弟にあたる息子が二人居た…養子を取ったと聞いたことは無い
しかし それがこの件にどう関係して居るというのだ?!
 
「前置きが長引くことは好ましく無い 単刀直入に語るが良い」
「私は今年… 殿下と同じ5月16日に 二十歳になりました」
何を馬鹿な… この男… シンに瓜二つの顔を持つに止まらず シンと同じ四柱に生まれついたというのか?
いや… シンが自ら影を命じたというのが事実であれば 整形でも偽りでも…無いことくらい とうに確認済みであろう
…いや待て
シンと同じ顔を持ち 同じ日に生まれた?
それは…
「ソ…ジヌ と申したか?」
「はい」
まさか…
「恵政殿皇太后…ソ・ファヨンの次兄の…次男として育ったと申したか?」
「はい」
そうなのか?
そうなのですか?兄上…
「そうなった経緯も聞いたか?」
「はい」
「誰がそなたを ソ家へ?」
「当時の皇太子殿下で 孝烈殿下です」
やはり!?
兄上が…シンと共に生まれた赤子は外戚に託したと仰った…
兄上にとってソ・ジョンソクは妻の兄故 姻戚ではあるが… まさか私の旧友に?

 

「まさか…これ程近くに居ようとは…」
頭を下げたままの青年をじっと見下ろす
灯台元暗しだったのだ
まさか私の友に託すなんて思いもよらず 逆に見つけることが出来ないと踏んだのか…
あるいは いつか自然にたどり着くか こうして対峙する機会を設けてくれるつもりだったのやもしれぬが… その真意を知るすべが有るだろうか…
 
「私を 恨んだであろうな」
我ながら 不思議なほど冷静な声に驚く
こんなにも動じているというのに 悟られまいとしているのか? なんとも哀れな習慣よ
 
「め…滅相も御座いません
多大なるご配慮を賜ったのだと 父から伺っております」
単刀直入に言えだなどと 酷なことを言うこの私に ソ・ジヌは恨み言のひとつも言わなかった
妹ファヨンを皇太子に嫁がせんと 大君である私に身を引くよう迫った兄ジョンナムと違って

外伝 因縁Ⅰ~白い息を吐く唇は俺に塞がれながら切れ切れにもがいた

ソ・ジョンソク… 私の息子を なんと立派に育ててくれたものだ
だが 少しも恨みを抱かなかったと言うならば 今此処にそなたが居る理由は無いはず…
まあ良い だが それはそれ これはこれ
込み上げる熱い感情を脇に避け ともかく今は なぜこのタイミングで双子が入れ替わったのか だ
 
「して…いったい何故 シンではなくそなたが 今此処に居るのだ?
シンに… 代わってくれと言われたか?
自分の代わりに 新しい皇太子妃との婚姻を成せば 皇太子の位をそなたに譲ると?」
ガバリと顔を起こした男の慌てた表情たるや…シンと 何処が違うだろう だが今は感傷に浸る時では無い
 
「とんでもございません! 殿下は 必ず戻られます」
うむ… 私とて そうであろうと… 信じてはおるが…
「では何故シンは…
婚約式という大事な儀式を そなたに代行させ いったい何処へ行ったというのだ?」
「実は 皇太子妃…シン・チェギョン様を迎えに行かれたのです」
何っ?!
「チェギョンが…恵恩宮(ヘウングン)が見付かったのか?!」
 
 
チェギョンがマカオに居ることを突き止め すぐにも婚約を破棄し 堂々と迎えに行きたいところだが… どうしても戻らない意志が強ければ 無理強いしたくはないというシンの考えを尊重したのだと言う…
 
私とて シンの複雑な胸中は充分理解する
だが… 戻ることを拒んだチェギョンが 皇太子の位を捨てて共に生きて欲しいと望んだら…?
否 おそらくシンが皇太子で居る為に身を引いたのであろうチェギョンが そのような要求をすることなど有りはしない
だがシンは チェギョンがそう望めば叶えたい筈…
自らを 律する為に こうまでしたというのか…?
 
「破談にせず 影を立ててまで婚約を正式に成立させたのは 逃げるためではなく 戻るためなのだと信じて 良いのだな?
相手が本物の皇太子ではなかったから 偽の婚約式だ 冗談だったなどという言い逃れは許されぬのだぞ?
妃宮が戻らぬ時はキム・ミニョン そなたは歌を手放し シンとこの国を導く者となる覚悟が 本当に有るのだな?」
 
「未熟ながら 充分に覚悟致しております」
きっぱりとそう言ったキム・ミニョンが ソ・ジヌと目を合わせる
「「それでも 御二人揃ってのお戻りを 信じております!」」
シンの意向を請け 身代わりで婚約式を遂行した若い二人は 口を揃えて断言した
 
無理強いはしたくないが 戻って欲しいと願う気持ちは 私とて同じ
チェギョンが戻るならば大歓迎だ
なんとか無実を証明し 廃妃を取り消して元の皇太子妃の席に戻してやりたい
しかし… 婚約は正式に成立してしまったではないか… どうするというのだ?
 
トテッチェ ムスンセンガクル ハヌンゴニャ?!/(いったい どういう算段なのだ?!)

 
今日もありがとうございますカムサハムニダ
ホントに どうするんでしょうね~?
10/18(水)→402.二人を遮る大きな扉~偉くなったもんだな この俺を門前払いしようなんて…
本当に長らくお待たせ致しました❗
いよいよです❗はい
ソ・ファヨンの次兄の名前は↑ここに登場させていたのですが
間違っていましたので訂正致しました
謝:ソ・ジョンファン→正:ソ・ジョンソク)

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