Irreversible/不可逆 6~「…誰?」 「知らない人」 | かおり流 もうひとつの「宮」

かおり流 もうひとつの「宮」

「チュ・ジフン&イ・ジュンギな毎日」のまほうの手・かおりが
こっそり書き溜めた「宮」の二次小説を今更公開(四十の誕生日2013/08/18にOPENしました)
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当ブログ内のお話は「宮~Love in Palace~」のキャストをお借りしたフィクションです
コチラのSideStory「Irreversible/不可逆」も
BrownEyedGirls/Gainのソロ曲PVを見た瞬間に湧いてきたイメージによって書いたお話で
完全にフィクションです
GaIn(가인) - Irreversible(돌이킬 수 없는)official BEG@YouTube Thanks!!


「もう…ひとりで寝たくない!
一人で幸せになる方法なんて 知らなくていい
アジョッシと くっついて離れないって 言ったじゃん!」
あたしはアジョッシに飛びついた
「ガイン…ダメだよ…せっかく…」
慌てて抱き上げてくれたアジョッシは 煙草を灰皿で揉み消しながら言った

「俺…今日見合いなんだ…ちゃんと話そう これからの事…」
!?
ふうん… 彼女を忘れられるの?
あたしと居ても忘れらんないのに?!
泣きそうになったけど なんとか堪えて 頷いた
「学校から 帰ってからね」
そう言って もう一度アジョッシの首にぎゅうっとしがみついてから 彼の腕の中から降りた


アジョッシが出かけた後 こっそり戻った
「アジョッシ アンニョン」
それだけのメモを残して 友達の家へ引っ越した
引っ越しなんて大袈裟か… 本当のあたしの荷物なんて ほんのちょっとだったのに 随分増えちゃったな…
話?話なんて言って…
解ってるもん あたしの話なんか聞いちゃくれないでしょ
あたしは彼に諭されるだけ
「ガインは若いんだし 俺なんかよりずっと似合いの いい人に出会えるよ」
彼の声で そんな言葉聞きたくない そんなの聞くくらいなら…

アジョッシと一緒に居れば いつだって楽しかった
思い出は山ほどあった 一緒に温泉にだって入ったよね…
大好きだよ アジョッシ…
夏休みに日本に連れてってくれた時に買ってくれたおっきな旅行鞄をひとつ引き摺って 学校の友達の家に転がり込んだ
実家が遠くて 一人暮らししてる女の子だけど… ホントはそんなに仲良くなかった
なんとなく一緒に居るだけの子だったけど 都合よく転がり込んだりして… ちょっとだけ罪悪感…
「ガインなんか有ったの? スマホ 充電してないでしょ?」
「別に…年の離れた兄ちゃんと二人暮らしだったんだけど 結婚するっていうから…」
「別にって!ソレ…そんなんでいいの?
…もしかしてお兄ちゃんに黙って出て来たんじゃ…きっと心配してるよ…」
電池切れのまま…充電できない理由はいっぱいあった
アジョッシが心配して電話してるだろうなって思う反面 一度も着信なかったらショックだし…
電子マネーのチャージも…どうだか…
正直怖かった
アジョッシは あたしが 自分無しには生きていけないと思ってた
そうならない様に 友達を作れって学校に入れてくれて…大学にも行けって言ってくれた
素直に大学に行ってれば あと4年は一緒に居る口実になったのに…
ダンサーになるからダンススクールに…なんて言ったのは…行きたかったのは勿論だけど…
あたしがアジョッシに依存してるっていう哀しい自覚が有ったからで…
アジョッシにそれを指摘して欲しかったから…なのかな?
こんなのおかしいよね?
狙い通り アジョッシは「俺をなんだと思ってるの?パトロンじゃないんだよ」って言った
ずっとアジョッシの傍に居たかったくせに なんで… なんでこんなことしたんだろう…

ジュニョンが 勝手に充電してしまって…
朝アラームで起動したスマホを手にして…泣いた
アジョッシから 毎日メッセージが入ってた
「どこにいる?元気か?ちゃんと話がしたい」
話なんかしたくない… 過去の女もあたしも全部捨てて
抱かない本命の女の事も諦めて さっさと新しい女と結婚しちゃえばいい…
あたしはまた…
ううん… もう 躰を売るなんて事…できないかもしれない…
あたしはこの2年間 アジョッシ意外の男を知らない

ひと踊りした後 コーラを一気飲みしてるとこで声を掛けられた
「ガイン来てたんだ」
何人かの友達と クラブに来てた
「うん…」
「どうした?」
「え?どうもしないけど?」
「なんか元気なくない?」
「そんなこと…」
「有るみたいだけど?」
「コーラが好き?」
バーテンのおにいさんが 紅茶は使わないのにアイスティーみたいな面白いカクテル作ってあげるって言って ロングアイランド・アイスティーってカクテルを飲んだのは覚えてたんだけど…

目が覚めたら 布団の中のあたしの躰は 裸だった
あ…うそ?もしかして…ヤッちゃった?
肩と胸が あたしの枕に成ってた男が言った
「ガイン…行くとこ無いんなら 俺んとこ来いよ クラブでショーダンサー募集してるし
バイトしながら ダンススクール通えよ」
この人…誰だっけ?
「まさか…覚えてない?昨夜(ユウベ)俺に泣きついたの
ね アジョッシってのはいくつ年上からなの?俺ガインと3つしか違わないんだけど…?」
げ…この人とシてるとき…アジョッシを呼んでたんだ
しかも…あたしが誘った?
そこは昨夜のバーテンの彼ジョンシンの アパートだった 古い宿を改装したボロいアパート
その日から そこに 住むことになった あたしなんて こんな子…

「ガイン!」
玄関のドアを開けたあたしの背中に 声が届いた 懐かしい声 この2ヶ月聞きたくて恋焦がれた声…振り返るの怖かったけど 顔が見たかった
「アジョッシ…」
ゆっくり近付いてくる
「帰ろう? 迎えに来るの 遅くなってごめん」
あたしはその声に手を伸ばしかけたけど…
「ガイン?帰ったのか?」
中から ジョンシンが顔を出す
あ…
「…誰?」
「知らない人」
そう言ってアジョッシを見ずに中に入った
ばいばい…アジョッシ…


知らない人… ガインがそう言った?
その男は誰だよ…この俺に2年も貢がせて?
俺がファンになんて言われてるか知ってんのか?
アジョッシを捨てて オッパに…乗り換えるのか?
メッセージも電話も全部無視かよ…ガンヒョンじゃあるまいし…俺の気持ちが解んないのか?
俺は14年前と何にも変わっちゃいないじゃないか…
社長業も色々と忙しい時期が有るって事 知らないだろう?
人を雇えばすぐに君を見付けられることは解ってたけど 自分で連れ戻したかったから
やっと今日 学校の帰りを待ち伏せた
ダンススクールに通ってた
声を掛けたいのを堪えて 住処(スミカ)に行きついたのに 中から出てきた男が「お帰り」と言った

「ガイン…見合いは止めたんだ 帰っておいで」
あんなメッセージ 送らなきゃよかった…
ホント…しょうもない男だな… 昔からずっと
大切な人に 真心で接しない… うわべだけの男だから… 本気の時も伝わらない

っていうかそもそも大学に行けって言ったのは 高校生は子供っぽいからと 俺から相変わらず離れないガインも 大学生になれば彼氏ぐらいできるかもって思ったからだったのに
完全矛盾してるな… 良かったんだよこれで… そうだろう?

「いらっしゃい 久しぶりだな ギョン ……どうした?」
「アレックス…俺…またやらかしたみたい…」
「ギョン…?」
「今度こそ立ち直れないかも ね…」
今夜アレックスの作るバーボンソーダは全然美味しくない
「薄いよ~ 嫌がらせなの?アレックス~もう来ないよ~?」
「来るくせに」 
「来ないかもよ~? 馬鹿みたいに信じてると裏切られるんだからね~だ ふ~んだ」
「悪酔いしそうな顔してるぞ もう既に飲んでるだろう?」
「あ~あ~ アレックスにはなんでもお見通しか~ ね 俺って全然大人じゃないよね?」
「何いってんだよもう32だろ?」
「年の事じゃないよ~ は~ なんで俺こんな淋しがりなんだろう…」
「あれ?最近幸せそうだったじゃん」
「そうでもないよ~ メビウスの…みたい…歩き…」
メビウスの輪みたいに同じとこグルグル歩き回ってる感じ… で… さ…

「悪いね 君にしか頼めないんだ 俺未だ帰れないし カウンターで寝かせとくわけにも行かないし…」
うん?誰…?
「うん 大丈夫」「さ 行くよ?ギョン 立って…」
うん?…帰るの?

「ココ…どこ?」
覚醒しきらない頭… シーツを手繰り寄せて 自分の部屋じゃない 微かな誰かの香りを嗅ぐ…
この香りは…
「あ ガインの部屋じゃん…」
ガイン?!ガインなのか!?
「ガイン!?」
名前を呼びながらキッチンへ行ったら…
「ごめん…ガインかと思って…」
彼女は小さく首を振った
「こっちこそごめん…あんたを背負って此処まで来たけど 先に開けた部屋が彼女の部屋だったみたい… もうヘトヘトで…あんたのベッドへ移動させるなんて無理そうだったから…」
アレックスの店から…ここまで連れて帰って来てくれたんだ…
「…ごめん…」
「気にしないで… 彼女…出てったの?」
認めたくはなかったけど 現実はそうだ…
俺は小さく頷いた
ガンヒョンは気の毒そうな顔なんかしないで ただ「そっか」と呟いた
「朝ご飯食べよう お腹すいた」
コレがガンヒョンの優しさだ ね…
「うん…いい匂いだね…」
変な感じ…俺の家に ガンヒョンが居るなんて…
ソファに畳んだ毛布が置いてあった
俺のベッド使えばよかったのに… あ そっか…彼氏に操を立てなきゃね…
変わらないな… ガンヒョンは…


アジョッシは連絡をくれなくなった
「ガイン…見合いは止めたんだ 帰っておいで」
そのメッセージは アジョッシが迎えに来てくれる数日前に届いてたのに 気付いて無かったの
見合いやめたの?どうして?帰っても良かったの?
あの手を取ってたら元通り仲良しに戻れてた?
帰りたかった
こっそり会社の近くまで行ったし マンションの前まで行った
だけど 会う勇気なんか無かった

卒業式の帰りに アジョッシの車で帰るのが 高校へ通う間のあたしの夢だった
なのに 卒業式を見にも 迎えに来てもくれなかった
アジョッシはその日 仕事に追われてた
事故を起こして潰れかけた小さな航空会社を社員丸ごと買い取ったって ニュースで見た
アジョッシ ちょっと痩せた?
どうして?あの女(ヒト)と上手く行ってるんでしょう?

アジョッシの家を勝手に出たくせに… あたしはまだアジョッシに依存してた
学費や 学校で必要なお金は 全てアジョッシの口座から引かれていた
「妹が集金袋を渡さないので そうして欲しいと お兄さんから連絡を受けた」って 事務局で言われて… あたしは事務のアジュンマの前で大泣きした
アジュンマは…何も聞かずに
「家出したの?一度帰ってあげなさい お兄さん あなたを すごく愛してくれているわ?」
その日あたしは すぐに走って帰った
だけど あの女(ヒト)が…
アジョッシの忘れられない女(ヒト)が 買い物袋を手にマンションへ入っていったの
他の女だったらきっと 乗り込んで行ったと思う
だけど…

結婚相手を真面目に探さない理由があたしじゃないとしても
あたしが居たからあの女(ヒト)との距離が縮まらなかったんだっていう 分かってた事を 解ってしまった
好きか嫌いかって言われりゃ 好きだと答えてくれるくらいの自信は有った
だけど
アジョッシの あたしへの気持ちは 女への愛じゃない…
事務のアジュンマに言った妹って言葉は立て前じゃなくて本心…
「ガインは可愛いな」って言ってくれる声は色んなパターンのをこの耳が記憶してる
でも… 愛してるどころか 好きって言われたことも 無いもん
だけどよ?
買ったんだから 責任とってよね… あたしをこんな女にした責任
どんな女かって?
アジョッシ中毒だよ…
あたし… いつ死ぬかわかんないくらいアジョッシが欲しい
愛してくれなくてもいい 抱いて欲しいの 「ガインは可愛いな」って耳元で言って?

 

韓国항상 감사합니다 キラっとハート
お・ね・が・い はんさん かむっさはむにだ日本ありがとう

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