Irreversible/不可逆 4~本能や情熱で躰を合わせるように簡単な事じゃない… | かおり流 もうひとつの「宮」

かおり流 もうひとつの「宮」

「チュ・ジフン&イ・ジュンギな毎日」のまほうの手・かおりが
こっそり書き溜めた「宮」の二次小説を今更公開(四十の誕生日2013/08/18にOPENしました)
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当ブログ内のお話は「宮~Love in Palace~」のキャストをお借りしたフィクションです
コチラのSideStory「Irreversible/不可逆」
BrownEyedGirls/Gainのソロ曲PVを見た瞬間に湧いてきたイメージによって書いたお話で 完全にフィクションです
GaIn(가인) - Irreversible(돌이킬 수 없는)official BEG@YouTube Thanks!!


アジョッシのマンションはすごく高いビルの一番上の階だった
驚くほど広いリビングの他に二部屋アメリカで滞在してたスウィートとほぼ同等で…
スウィートよりも 真っ白で 何もない殺風景な部屋 男臭さも 女の影も ううん…生活感すら無かった
「アジョッシ…」
「こっちの部屋を使うといい」
「あたし…ここに住むの?」
「狭い?」
とんでもない!広すぎるよ
「明日必要なものを買いに行こう」
「必要な物ってなに?」
「さぁ?30のおっさんには ガインみたいな女の子に何が必要なのか解らない でも
ココには俺の物しかない 女の子の好みそうなものなんて 一つも」
何も要らないのに…
「あるよ ココに」
そう言ってアジョッシに飛びついて首にぶら下がった
えへへ 呆れてる!?
「ガイン…その… 外ではそういう風にしないと 約束してくれないか?」
「そういうって どういう?」
「今みたいな スキンシップ… どうみたってガインと俺じゃ…」
そういいながらでも 首に巻きつけたあたしの腕にチュッとキスしてくれる
「ロリコンと思われたくない?あたし18なのに?」
「俺は30だ」
苦笑いのまま沈黙…
ん~ この顔スキ!
アジョッシがあっさりあたしにパスポートなんかくれるから 何をやってる人か聞いたら
韓国では割と有名な会社の社長さんだって言ってたけど…
仁川空港で 沢山の人がアジョッシに深々とお辞儀してるのを見て… びっくりしたっけ…
年の事じゃなくて そっちデショ?気にしてんのは…
しょ~がない…
「解った じゃあ どうすればいいの?」
「アメリカの友人の妹ってことに…」
「ふぅん…友人の妹に手ぇ出しちゃったんだ」
「ガイン!」
目は怒ってるのに口元が笑ってた あはは!
あたしの手を解き(ホドキ)ながら 煙草を咥えて火を点ける 煙に目を細める
あ この顔もスキ!アジョッシの煙草から立ち上る甘い香りの煙もスキ…胸がきゅうっとする

アジョッシは あたしを可能な限り一人にしなかった
何にも言わないけど 多分…
あたしが初めて韓国に来て アジョッシの留守中一人ぼっちになるのが怖いと思ってたこと
解ってるんだと思うの
誰と会うときも いつも連れてってくれた

「うわ何?ギョ~ン!女遊び止めて いつも若い女の子連れてるって噂聞いたけど こんな若い子だったとはね~」
会う人みんながそう言った
「そんなんじゃないよ 知り合いの妹 韓国初めてで 俺以外知り合い居ないんだ 一人にできなくてね」
って軽く躱すアジョッシには ちょっと不満 だけど…約束したもんね…
「ガインちゃ~ん こいつ手早いから気を付けて~ てかまだ手出されてない?」
大学時代の友人とか あたしと初めて話した時に思い出したって言ってた中学時代からの友達も そう言った
約束したから「出されてません」って平気な顔でウソついた
本当はあたしウソはすきじゃない
ウソつかせた代償はちゃんと払って貰ったけどね ふふふ

アジョッシが仕事の時は 近くの図書館で本を読んで待ってなさいって
韓国語の文字に不慣れな私にも読める 面白い本を選んでくれた
だいぶ後に成って気付いたんだけど 初めに読んでた本より ずっと難しい本が読めるようになってた
図書館ではいつも スマートフォンにイヤフォンを付けて ずっと音楽を聴いてた
初日に知らない人に声を掛けられて怖かったって話したら アジョッシが買ってくれた物

「ガイン 学校に行ってみないか?」
「嫌!」
即答するあたしを見て 小さく溜め息を吐いたけど
「ごめん 無理にとは言わない 行きたいかと思っただけだ」
少し 哀しそうな顔だったから…
「行く」
といったら
「無理しなくていいって」
と笑った
すごく愛しくなって キスしようと近付いたら
肩を掴まれて…
「約束しただろう?」と言われた
あ…怖い顔…怒ったの?
「我慢できなくて…」
「そういう可愛い事言って誤魔化すんじゃない 約束は約束だろう?」
怒った顔を崩して くしゃくしゃっと髪を撫でられた
「子ども扱いしないで!」
「俺から見れば子供だ」
「違うもん!知ってるくせに!おっきい声で言っちゃうんだから!アジョッシがあたしに何するか」
「こ…こら!」


今日読んだ本の物語を 俺に聞かせてくれる彼女は相変わらず子供みたいに愛らしかった
だけど 英語も韓国語も 文字はさっぱりだったのに すっかり読めるようになって
最近は俺が奨めた物じゃない 挿絵の無い小説なんかも読んでるようだ
「アジョッシ!」
「ガイン…しっ」
もうすぐ迎えに行くとメッセージを送った後 図書館に迎えに行くと そわそわと待っていたらしいガインが立ち上がって 大きな声で俺を呼んで嬉しそうに手を振るのを 窘める
「あ…へへ」
ペロッと舌を出して笑う

「ガイン 学校に行ってみないか?」
返事はNO!だった やれやれ…
「ごめん 無理にとは言わない 行きたいかと思っただけだ」
せっかく文字を覚えても 四六時中俺と一緒か 俺を待ってるだけのガインを なんとかしなきゃならなかった 大人として…
いや 違うな…
12年前から 躰ばっかり大人になって 中身が伴わない日々を生きてたけど… 俺だって少しは成長したはず… そんな俺だから ガインを なんとかしてあげたかった
「行く」
ったく…俺が残念そうにしたからって理由で 返事を変えるなんて 悪い子だぞ!
「無理しなくていいって」
ふっと笑った俺に テーブルの向こうで立ち上がったガインが前のめりに…
キスする気だな!?
「約束しただろう?」
図書館なんかで18の女の子が30のおじさんにキスを逼るなんて!
外では俺にイチャイチャしないって約束は 基本的には守ってくれてる
だけど時々こうなる…
「我慢できなくて…」
揺れそうになる心を引き締める もうチャラ男は卒業したんだ 俺だってそれくらい出来る
「そういう可愛い事言って誤魔化すんじゃない 約束は約束だろう?」
しゅんとするのが可愛くて 絆されそうになったのを誤魔化すために くしゃくしゃっと髪を撫でたら 子ども扱いするなと膨れる
そんなところも可愛い
「子供じゃないって知ってるくせに!おっきい声で言っちゃうんだから!アジョッシがあたしに何するか」
げ…
実際俺は この頃ガインをそう何度も抱いちゃいなかった…
だけど 時々流されてしまうのは…染み付いた習慣のせいだろうか…
いや そうでなくても
ガインは毎晩 可愛いく 且つ妖艶に 俺に逼ってくるから… まいっちゃうよ


夜は絶対アジョッシのベッドで眠るの
「ガイン 自分の部屋で寝なさい」
「やだ」
また困った顔…
「なんにもしないからぁ~」
「俺と君の台詞が逆なのが一般的じゃないか?」
「う~ だぁってぇ~ アジョッシと一緒じゃ無きゃ眠れないもん」
「…おいで」
やった!


「ガイン…明日学校へ行ってみよう ソウルならほとんどの子が 高校受験無しで高校に行くのが当たり前だ 目星を付けて置いた学校が有る 編入試験も無いそうだ」
「本当に…行かなきゃダメ?」
「俺の傍に居てばかりじゃダメだ」
「ちゃんと図書館で本読んでるわ?」
「友達が必要だ」
「むぅ…要らないわ そんなの…アジョッシが…」
それがダメだって言ってるんだ…
「出来れば かけがえのない物に成る」
「アジョッシには居るもんね…友達」
「ああ…かけがえのない友達が 何人かね」

しょんぼりするガインが 少し可哀想だったけど…仕方ない
図書館は安全だと思ったのに 初日から知らない男に声を掛けられたせいで ガインは音楽と本だけが友達になってしまった…
安全なところが望ましいと思って探していたけど ガインは白黒がハッキリしている 私立のお嬢様学校なんかじゃ 浮いちゃうかもな…って思ったから
ごく普通の公立高校の共学を選んだ
俺とばかり過ごすより 年の近い女の子や それこそ…男の子の友達も必要だろう…
今のままじゃ ガインは大人になれない…
12も年上のオッサンと二人きりなんて 不健全な関係を続けちゃいけない…
なあガイン 早く一人で眠れるようになれよ…

アメリカに出張する少し前 身辺整理をしたわけではなかったんだけど ちょうど相次いで二人の女から結婚を理由に振られて… 完全に独り身になったのは すごく久しぶりだった
いや12年間で初めてかも
自由で楽チンで しばらくこのままでいいかもって思いながらでも 淋しかった
穴があいたみたいにね…
俺もそろそろ女遊びなんて止めて 身を固めるべきかもね…
そんな風に思って 俺が遊び人だったこと知ってても割り切って結婚してくれる相手を探そうと思っていたのに…な
ふっ だからそこでなんでガンヒョンが思い浮かぶんだか…
向こうは向こうで 社内恋愛 上手く行ってそうじゃないか…
自分で電話してくりゃいいのに 何もアノ本部長に電話させなくたって…ちっ

昼間母さんが会社に訪ねて来て 見合い写真を押し付けられた
ガインの目を気にして カバンの中に入れたままだ
まだ見てもいないが… 条件さえ良けりゃ 誰だって同じさ…
早く決めて その人を愛する努力をすりゃあいいこと
ただ…今は ガインが居て…そうはいかない… 彼女を放り出せない…
俺はやっぱり あの夜ガインを抱いたことを後悔していた
そうじゃなければ 然るべき手続きを踏んで 養女にでもして… いや…それはあんまりか…じゃあどうする気だったんだよ…
俺にベッタリのガイン…可愛いけど…結婚はできない…
条件を度外視すれば 12歳差くらい別に構わないと 思わないことも無いが…
腕の中で眠るガインを見る…やっぱり ナイな… 凄く愛おしいけど…ほとんど妹だ…
極ノーマルのつもりだったけど…俺は妹に手を出したド変態だ…

「あなた…最近女遊びを止めたと思っていたら 連れ込んでるそうじゃないの… それも若い子を… もういい加減にして頂戴よ?」
「ガインはそんなんじゃないよ…」
「ふうん…ガインね…そんなんじゃなくて何日も住まわせるの?
ちゃんと家政婦さんから聞いてるのよ?
表向きには知り合いの妹ってことにしてても 母さんはお見通しなんですからね」
母さんの信用なんか期待してないよ 俺のやってきたことは自覚してます

だけど母さんは知らないんだね
家政婦さんが母さんに問い詰められて白状してから2週間…
実はもうそろそろふた月だよ?その間毎晩俺のベッドで寝てる
「…行くところが決まるまで置いてやってるだけさ」
なのにこう言えちゃう俺も俺だけどね…
「あなたがそのつもりでも 相手はどうだかわからないでしょう?」
うるさいなぁ…
ああそうさ だから手を出さないつもりだった!
俺は大きなミスを犯したんだ 彼女を俺から離れられなくしたのは俺さ!
「ああそうだね わかったから 見合い写真はその辺に置いといて?会議が有るんだ」

会議なんて無かった ガインが図書館で待ってるだけ…
俺を待ってるガインを想像しただけで心が温かくなるんだ どうかしてるよ
ホント俺はどういうつもりで 彼女はどういうつもりなんだろうね…
どうしようかね…

この12年 俺には常に女が居たけど 特定だった事なんか 俺の記憶には…
あ… 居たか…
互いを独占し合ったし 結婚も考えた

今となっては只の思い込みだった気もする…
まあでも…
今の俺にとっての“結婚”ってのは 特定の相手に対して抱く情熱的な感情なんかじゃない
セックスしたい相手と 本能や情熱で躰を合わせるように簡単な事じゃない…
なんて言ったら世の中の女性を全て敵に回しそうだけど…
俺にとってはそれが現実 いや真実?
ビジネスパートナーを選ぶのと同様に条件が大事だ
だから相手もそんな風に割り切ってくれる人じゃなきゃね…
遊び人だった癖がついうっかり出ないとも 言い切れないじゃない?って…
こんな俺なんか 割り切ったライフパートナーとしてもお断りかな?

韓国항상 감사합니다 キラっとハート
お・ね・が・い はんさん かむっさはむにだ日本ありがとう
明日は→Irreversible/不可逆 5~名案だ 美味しい物は美味しいうちに今すぐ食べよう

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