Irreversible/不可逆 3~首を振るしかなかった…どうもしないもん…ただそう思っただけ | かおり流 もうひとつの「宮」

かおり流 もうひとつの「宮」

「チュ・ジフン&イ・ジュンギな毎日」のまほうの手・かおりが
こっそり書き溜めた「宮」の二次小説を今更公開(四十の誕生日2013/08/18にOPENしました)
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当ブログ内のお話は全て「宮~Love in Palace」の舞台とキャストをお借りしたフィクションです
今回のSideStory「Irreversible/不可逆」も完全にフィクションで
BrownEyedGirls/Gainのソロ曲PVから一部をイメージとしてお借りしています
GaIn(가인) - Irreversible(돌이킬 수 없는)official BEG@YouTube Thanks!!


16の時 オッパと孤児院を抜け出して 繁華街で補導されて…
助けてくれたおばさんはモーテルを経営してた ハッキリ言ってしまえば春を売る宿…
だからって 春を売るしか生きていく術(スベ)がないわけじゃ無い筈よね…
だけど
それが一番オーソドックスなやり方だった
お金は殆ど毟り取られ おばさんが買ってくれるのは あたしには不似合いな大人の下着だけ…
あたしのささやかな抵抗でもあり…純粋に好きだったからでもあるけど…
いつも子供っぽいポップな色のメイクをしてた…
そんなあたしは いつだって 何着もない服を着まわしてた
ピーナツバターのサンドイッチがご馳走で いつもお腹が空いてた
躰を売ったおじさんに ロリポップを買って貰うのがあたしのご褒美
これだけは 叔母さんに取られる心配が無かったからね…
まぁるくて 可愛くて 甘くて 色んな味が有って 大好きだった

少ない小遣いで 買ったばかりのノースリーブの赤いタイトなワンピースの上に羽織るモノは もう夏だってのに 黒い革ジャンしかなくて…
赤い編みタイツと黒い編上げのブーツを履いてた
あの日…
ガソリンスタンドに 不思議な空気を纏った男がやって来た

理由は解らないけど…
ドアを開けたとき目が合った一瞬で この人だと解った
棚を見回して 振り返ったら もう一度目が合った…
やっぱりそう… 私 この人を待ってたんだ…
何故かそう思った
ロリポップを選ぶあたしを…見てるよね?
きっともう気付いてるあたしの事 どういう子か… 迷ってる時間なんか無い 急がなきゃ
いつもなら 躰を売った後に買って貰うロリポップを 自ら アジョッシの前に差し出した
沈黙に 少し緊張した どうしよう…呆れたかな? いつもこうやってるって思われた?
そう思ってドキドキしながら彼の目を覗き込んだら…
ふんわりと笑ってくれた
ただそれだけだよ?なのに…
胸がときめくっていう感触を 久しぶりに味わった…
そう…ずっと忘れていた…
さっきおばさんに毟り取られたペンダントに入っていた写真
あたしの初めてを貰ってくれたオッパ
ただ抱いて貰っただけで 恋らしい恋もしないまま 離れ離れになったオッパ

オッパとあたしが二人で話す時に使っていた韓国語…
2年前まで使ってたのに 今はもう忘れかけてた
「アジョシガットゥンサラミマンナミョン…
おじさんみたいな人に出会ったら 絶対あそこから逃げ出さなきゃ そう思ってたんだ」
おじさんが 同じアジア系だからって 韓国語が通じると思って使ったわけじゃ無いの…
くにゃん…(なんとなく) そんな気分だっただけ…
おじさんには解んないかもねって思いながら
でも…
「ナガットゥンサラミ?
俺みたいな人?…でも 一人で幸せになる方法も 学ばないと…」
え?!韓国人だったの?驚いたぁ…
でも…
“一人で幸せになる方法”だなんて…今夜一晩抱いたら さよならする気なの?!
一体いくら払ったらおばさんが追いかけて来なかったのか知らないけど…
そんなに簡単に?
私また 捨てられる…?そんなの嫌…
「“一人で”なんてどうして考える必要があるの?
どうせこれからはもう…おじさんにぴったりくっついて離れないもん」
あ 笑った?
でも…意味解んない!友達を思い出したなんて言うし…
女じゃないって…ゲイなの?違うの?じゃあバイ?
「ふうん…色々知ってるの?ガインは」
やだ意味深…色々…されるのかな?


ホテルに直行か うわっ…って ちょっと引いたんだけど
初めて入った超高級ホテルに驚くばかり
レストランで見たこともないようなモノを食べて…
豪華なバスルームの広いバスタブにお湯を張ってくれて
「ゆっくりお入り」なんて言うし
入れ替わりで入ったアジョッシがバスルームから出てきて…
さあ…いよいよかな?って思ったのに

アジョッシは 意外にも身持ちの堅い人だったの
凄い高級ホテルのスイートには 寝室が二つあって
「君は向こうを使うといいよ お休み」ってタブレットを取り出して仕事を始めた
一緒に寝ようとしないなんて… びっくり
ワケわかんない!じゃあなんでおばさんに大金払ったの?
追いかけて来なかったんだもん 払ったんでしょ?!
やっとそこで 抱くつもりなんかなくて 旅行中だから滞在中のホテルに連れて帰ってきただけだったんだと知った
あたしを救ってくれた… ダケなの?

「どうした?もうお休み?明日は君の服を買いに行こう」ってどういう意味?
この人はあたしを着せ替え人形か何かみたいに思ってるの?
ウソ!金持ちの道楽なのね?
お人形みたいに 飽きたら捨てられちゃうんだ きっと… なんとかしなきゃ…
一人で寝なさいって言われたけど アジョッシが眠ったのを見計らって 腕の中に潜り込んだ…
脱がしちゃおう!って思ったのに
「んん…」
寝ぼけてるのか たぐり寄せるようにぎゅうっと抱きしめられて 驚いた
セックスなら色んなのいっぱいした事あるけど
抱きしめられたりキスされたりは あんまりないせいか…
処女(ウブ)な女子みたいにドキドキする自分が可笑しかった
あ アジョッシの吸ってる煙草の甘い香り…ヘビースモーカーではなさそうなのに…寝る前に吸ったのかな?
コレがアジョッシの匂いか…ふうん…悪くないね

カーテンから指す陽が 高く登ってて眩しくて目が覚めた
久しぶりに広くて清潔なベッドに つい貪るように眠てしまっていた
は!アジョッシ!居ない… 何処!?
ドアを開けてリビングにもキッチンにも居なくて 泣きそうになった
置いてかれちゃった?
バスルームからシャワーの音… バンッ! 居た!
あたし…気が付いたら
キャミソールもショーツもびしょ濡れで 裸のアジョッシの腰に足を巻き付けて縋り付いてた
濡れた下着を一枚挟んで触れる肌と肌って…なんか凄くヤラしい…
なのに…こんな状況でも… やっぱりアジョッシはあたしの躰に触ってもくれない…
躰は反応してるのに… ムッ…

クリーニングを待つあいだ バスローブ姿のあたしに付き合ってバスローブでいてくれて
ルームサービスで ブランチ
厚いトーストにママレード スクランブルエッグとサラダ
温かいコーヒーにオレンジジュースまで
あたしの口についたケチャップを ナプキンでそっと拭いてくれる
ちょっとした事が 全部粋なアジョッシは…
年の功ってわけじゃなく 熟(コナ)れてるように思えた
ふぅん…身持ちが堅いんじゃなくて あたしを子供扱いしてるだけなのね…
「下着までクリーニングに出すなんてね(笑) 早く着替えを買いに行こう」
あれ? 紳士の顔を崩して子供みたいに笑うのね あたしにあわせてくれてるつもり?
「思いっきり大胆な下着を買わなきゃ!一緒に選んでね?」
「お断り」
むぅっ!
「え~いいじゃん」
「俺は 下着なんて どうせ脱がせるんだからなんでもいい派だ」
わ… 紳士な顔に似合わず 荒っぽい事言うんだ
「じゃあどうして!あた…」
「君は問題外」
ちっ やっぱり子供扱いして… 解ってるくせに…
「アジョッシにどんな事要求されたって応える自信あるのに…」
フェ○だってうまいんだから!
「そう?じゃあ… そこで一人でシて?」
アジョッシは急に真顔で言った…え?…そっち?
「…」
「早く…」
本気で言ってるの?彼はリビングのテーブルを目で示す
一人でなんて…そんな必要なかったから…
ダイニングチェアからふわっと抱き上げられて 朝日の射す リビングのガラステーブルに座らせられた
足を掴まれM字に開かれそうになって焦った
「シたこと…ナイ…」
泣きそうになりながら言ったら ニィッと意地悪く笑って
「ほらね まだまだ子供だ」なんて言った
出来っこないと思って わざと言ったの?出来たら大人って認めてくれた?
アジョッシ…優しい顔して…実は怖い人なの?


ただの国内旅行かと思ってたら
アジョッシは韓国在住で 今は出張中 すぐに飛行機に乗って帰るんだって言った
そんなこと 思っても見なかったから… ショックだった やっぱり捨てられるんだ…
なのに…
「パスポートなんて持ってなかったのに…どうやったの?」
アジョッシはいつの間にかあたしのパスポートを作ってくれてた
「ん?まあ…色々あるのさ 心配ない 犯罪は犯しちゃいない」
「そうなの?」
たった1週間で アジョッシはあたしにいろんなものをくれた
下着と服に靴を沢山 今度はパスポートまで 韓国に着いたら 国籍もくれるって どうして?
いったいこの人は…何者なんだろう…

「ガイン おいで」
アジョッシに初めて抱かれたのは なんと夕べだった
なんで“なんと”なのかって?
だから1週間経ってるって言ったじゃん 解んない?
しかもキスだけって しつこくねだって あたしからいっぱいキスして
随分長いことキスを続けて…
やっと躊躇いながらの愛撫が始まった
でも…
始めたら止まらない愛撫は凄かった…
アジョッシは実は 凄く女の扱いに長けてる人だったんだ…
あたしなんかよりずっとずうっと経験豊富…
丁寧に愛撫されて…あたしが望む事全部してくれて…トロトロになっちゃったよ////

こんなに優しく抱かれたのなんて 初めてだった
「どうした?」
首を振るしかなかった どうもしないもん… ただ… そう思っただけ
何も言わないあたしを 胸に抱き寄せてつむじにキスしてくれた
이런 건 처음이야(イロンゴンチョウミヤ…/こんなの初めて)
胸がぎゅぅうっっと苦しくなった

韓国항상 감사합니다  はんさん かむっさはむにだ日本ありがとう
キラっとハート 新シリーズおってよ?たうめきでへじゅせよ~お・ね・が・い
タウムン明後日
Irreversible/不可逆 4~本能や情熱で躰を合わせるように簡単な事じゃない…
くれぐれも 彼女のPVから受けたイメージを元に作った完全フィクションです

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