Love is revolution 5 ~わざと冷たくして私の事愛さないようにしてるんだけどな | かおり流 もうひとつの「宮」

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「チュ・ジフン&イ・ジュンギな毎日」のまほうの手・かおりが
こっそり書き溜めた「宮」の二次小説を今更公開(四十の誕生日2013/08/18にOPENしました)
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きらきら初めての方は是非 はじめまして から順に読み進めて下さい
コチラは 不定期で更新中の「Love is revolution」リュ・ファンの恋物語です❤
ファン目線だけでは語りつくせない 奥の深いお話は
オリジナルキャラ チェ・ウネに語って貰いますイチョウの葉
※二部まで一旦完結と成っています まとめてお読みの方は目次からどうぞ
「Love is revolution」


またお父さんが シネちゃんと ヘシンのホン・テソンを見合いさせると言い出したから…
ずっと会ってなかった従姉に会いに行った…
ううん…本当は姉… 近くて遠い処に居る姉…
「お久しぶりです スヨンお姉さん」
お姉さんが住み込みで働いている景福宮の すぐ近くにあるカフェ
ウチから車で五分… すぐ近く なのにお姉さんは 秋夕(チュソク)の前に休みを貰って ウチよりも遠いお墓詣りに行くだけで ウチへは帰ってこない…
私達が四歳で お姉さんが十六歳だったから あと三年で ウチにいた十六年よりも 皇太子殿下のお傍に遣えた年月の方が長くなる その間…ずっと
その理由は多分お母さんの為

「元気そうで…いえ… そうでもないのかしら…こうしてわざわざ私に会いに来るなんて…」
お姉さんに会いに来るのは大抵 問題が有るとき…
「流石です お姉さん…」
「…」

お姉さんが十六でお嫁に出されようとしたとき 私たちはまだ四つだった
従姉妹としてお姉さんの両親である叔父叔母と 同じ屋敷に住んでいて 本当の姉妹の様にお姉さんを慕っていたから
伯父と言う立場にありながら お姉さんのお母さんが亡くなるなり 叔父さんに後妻を連れて来て まだ十六のお姉さんをお嫁に出そうとするお父さんの仕打ちに たった四つだった私達でさえお姉さんが可哀想で なぜそんな事をするのかと お父さんに泣き縋った

結局 お姉さんの亡くなったお母さんの伯母である 当時の皇后さま 今の太皇太后さまの計らいで
女官の試験を受けることができ 見事合格したお姉さんは 女官として 当事は大君殿下だった今の皇帝陛下の屋敷に入り 私達と同い年の皇子とそのお姉さんである公主様のお世話係を仰せつかった
今は皇太子となったその皇子と共に宮に上がり 東宮殿で皇太子殿下のお世話をする尚宮として働いている

「今日はシネと一緒じゃないのね?」
「ホントお姉さんは勘がイイよね…」
「シネの事なのね?皇太子殿下に見初めて貰えなくて落ち込んでいるのかしら?」
「違うの そんなんじゃないわ もし見初めて欲しかったら 先にお姉さんに頼んでるわ!」
「じゃあなにかしら…?」
「あの時と同じなの…」
「あの時?」
「そう あの時 叔母さんが亡くなって すぐに後妻を見つけて 二人を追い出して
お姉さんをお嫁に出そうとしたあの時みたいに… まだ十六のシネちゃんを…」
「シネを…どこかにお嫁に出そうとしているのね?」
「うん…実は…」
私は去年の秋口 自分の病気が悪化したせいで お父さんがまた少しおかしくなってた時期に ヘシンの御曹司とシネちゃんを婚約させようとしてたこと シネちゃんにリュ・ファンという中学の同級生だった恋人ができた事 見合いをすっぽかして破談になったのに 今度は皇太子殿下に嫁がせようとしたこと
でも ファンが皇太子殿下の友人で ファンから皇子にシネちゃんを選ばないでと頼んだと知って お父さんが逆上したこと またヘシンに嫁がせようとしてること 順序立てて話した

「理由は…お姉さんならわかるよね?」

お父さんは ある女性を愛していた…
おばあちゃんの言いつけで やむなく他の人と結婚したけど…
どういうわけか その女性と弟との結婚を許してしまった… そういう形ででも…傍に置いて置きたかったのかな…?
弟の妻となったその女性を病気で失くして…気が変になって…弟に後妻を宛がい
愛した人にそっくりになって行くお姉さんを…自分の娘だと知りながら… 今度は逆に 傍に置きたくなくて… 誰でも良いから嫁に出そうとした…
そんな事情を 私たちは小さかったから知らなかったけど お姉さんは当時から知ってたらしい
私とシネは 中学の頃 お酒に酔ったお母さんが口にした言葉で知った
「スヨン…あんたが憎い訳じゃないの…憎いのはあんたの母親よ…でもその顔を見たくない…出てって 出て行きなさい!」
シネにむかってなのかあたしに向かってなのか解らなかった 中学の制服姿がお姉さんに似てたのか… お母さんが口走った言葉と 開いていた古いアルバムに閉じられたお父さんと叔母さんと叔父さんの写真… 愛し合ってるのは誰と誰なのか…
中学生だった私達には充分理解できた
何故 お父さんが叔父にさっさと後妻を見つけて追い出したのか
何故 お姉さんを傍に置けなかったのか…

「お父さん…今度は ファンにシネちゃんを奪われると思い込んでるのよ…
…気が変になっちゃうんだろうね… よっぽど 叔母さんのことが好きだったんだわ…」
「仕方のない事よ…私たちがとやかく言えることじゃないわ…私もまだ本気で人を好きになったことがないから…私達には解らないだけよ…」
「そうね…解らない…でもシネちゃんは解ってしまったみたいなの…」
「そう…じゃあ…あの子のことだから…自分だけ幸せになろうとは思えないのね?」
「うん…そうなの…お姉さん…どうしたらいい?」

お姉さんは少し考え込むように ティーカップの中の冷めてしまった紅茶を見つめていたけど
すっとカップを持ち上げ 紅茶を一口飲み下し ソーサーに戻して 私を見据えた
「私から…伯父さん…お父さんに…話して見るわ…
きっと今は 母を失った時と同じで 心が揺れてるだけ
なんとか乗り越えて欲しいわ… あんな人でも 私たちの父親ですものね…」
お姉さんだってお父さんに会うのは気の進まない事…でも私達家族は…このままでは居られない
ズクンと 刺すように痛む心臓の上に握り拳を宛てる…
「お姉さん…ありがとう
…お父さん…困った人よね…いつまでも子供みたい…
私を亡くしても またおかしくなっちゃうのかな?
わざと冷たくして 私の事愛さないようにしてるんだけどな…」
お姉さんが心配そうに目を覗き込むから 痛みを顔に出さないように我慢する
「ウネ…だめよ…諦めずに大切に生きなさい…
それに…人は皆いつか死ぬの…宣告が早かっただけ…悲観しないで…
もしその時が来れば あの時の様にどうせ悲しむんだもの 今は優しくしてあげなさい」
大丈夫 ゆっくり呼吸を繰り返せば…なんとか…痛みが消えていく
「無理よ 冷たくしとかなきゃ 今度はどうなるんだか知らないけど… また振り回されるお母さんとシネちゃんが可哀想よ」
「許してあげなさい お父さんも おばあ様の事も…」
おばあ様が お父さんをあんな風にしてしまったんだ… 叔母さんの事を愛しているお父さんにお母さんを嫁がせたりしたから…
お父さんもお母さんも 可哀そうよ…知らなかったとはいえ…ひどいよね…

私は ファンにこんなこと とても話せなくて どう説明しようも無かったけど
スヨンお姉さんがお父さんに会って話してみると言ってくれて ひとまずホッとした
シネちゃんを愛し愛されてるファンに取られたくないからって…愛してない人になら差し出そうとするなんて…ホント…どうかしてるわ…私には理解できない…
でもシネちゃんにはその気持ちが 少し解かるのかもね…
だからお父さんに冷たく出来ないのよね…困ったもんだわ…愛って…難しい…
私は愛なんて解りっこない…
ただ…ちょっとだけ…ホントにちょっとだけ…ファンに恋しただけだから…
後部座席の窓から 景福宮の塀が見える… この向こうに住んでるお姉さんのご主人は 私と同い年で…ファンの友達だっけ…

 

 

 

l今日もお読み頂き ありがとうございますキラキラ
実は 大きな愛を失った過去を持つチェ家のお父さま
シネを愛するがゆえに 相愛の二人を認めたくない
失いたくないお父さま
本当はまだファンを好きだけど…シネの幸せを願うウネ
解って頂けるといいけど…やっぱり難解ですか?

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あじさい。次のお話は本編です 明朝8:18:18→114.帰宮~お帰りなさいませ チェギョン様