佐藤明夫弁護士のファミリービジネスに関する卓見ー日本の潮流はファミリービジネスへ | 日本ファミリーオフィス協会

佐藤明夫弁護士のファミリービジネスに関する卓見ー日本の潮流はファミリービジネスへ

当協会理事の佐藤明夫弁護士(佐藤総合法律事務所所長)には、ときどきあるテーマについて懇談する。先日は「ファミリービジネス」に関して懇談した。私が参加しているファミリー・ビジネス・ネットワーク・ジャパンの先月の研究会で、佐藤事務所の若手が講師をされたので、それがきっかけだった。


佐藤さんによると、今後は日本はファミリービジネスが増えざるを得ないという。その一つの理由は「日本の衰退」だ。高度成長の時のように、どこの会社も儲かっていれば、経営者は誰にも富を分配できた。しかし、今後は少ない富の分配になるので、誰にでも分配はできない。その時には自分が「一番信用できる人」に分配するので、必然的に身内への分配になるという。


あるファミリービジネスの専門家から聞いた話だが、ヨーロッパでもファミリービジネスが多いのは節税をする時などに「身内は裏切らない」からだという。これと似た話だと直感した。やはり洋の東西を問わず「血」が一番信用できるというわけか。


もし、日本でも会社などが全て「ファミリービジネス化」するとなると、ノンファミリーにはつらいことになる。それでも養子になるとか、番頭になるとかの手段はある。少なくとも、日本の人口や経済の衰退は必然であり、我々個々人が生き残っていくためには相当な戦略が必要なことだけは確かだ。