日経「経済教室」に浜田宏一教授が登場ー主張は20年前から同じ
今日の日経「経済教室」は学界のハマコーこと、エール大教授の浜田宏一氏だった。氏には私が1990年から91年にかけてエール大経済学大学院にいたときからのお付合いだ。留学して1年目だったので、アメリカ社会のことをいろいろと伺った。浜田教授のハムデンというところの自宅によく行き、囲碁を打ったりしてお話した。
浜田教授の昔からの主張は「インフレターゲット論」だ。しかも日銀批判が好きだ。それにしても驚くには、今日の日経の記事内容は20年前から全く同じことを言っていることだ。まあ「ブレない」ことはいいことだが、経済学も日進月歩なので、新しい内容も盛り込んでほしかった。
当時エールの経済にいた仲間でも、大竹文雄さん(大阪大)は次々に新しいことを言っているし、塩路悦郎君(一橋大)も新しい経済学に挑戦している。浜田教授は大御所だからそれでいいのかもしれないが、エール教授のロバート・シラーが「ケース・シラー指数」を考え出し、それが世界の不動産価格の基準になっていることを考えると、浜田教授にも何か新しいことをやってほしい。
浜田教授は学校秀才で、湘南高校のときから有名で、東大法学部では「2番」で卒業したそうだ。一番は角谷・元国税庁長官で3番は尾崎・元大蔵事務次官だ。昔の東大法トップは皆、大蔵省に行ったものだが、浜田教授は一番になれなかったことで大蔵省には行かず、東大の経済学部に行ったというから、当時から変人ではあったわけだ。
本家本元のハマコーがいなくなった今、「学界のハマコー」として新説を持って学界で暴れまわってほしいものだ。