役所の縦割り(省益あって国益なし)もここに極まれりー環太平洋経済協定の試算 | 日本ファミリーオフィス協会

役所の縦割り(省益あって国益なし)もここに極まれりー環太平洋経済協定の試算

日本は高度成長から低成長に移ってきた時点で(1980年ころ)、政治や財界は今までの役所の縦割りから「横割り」へと移行しなければいけないと何度も指摘してきた。確かにキャッチアップの段階では、周りのことを考えずに自分の担当のことだけを考えてやれば効率がよかったが、世界のトップランナーになってからも同じ方法では何事もうまくいかないだろう。


この縦割りは未だに日本全国に広がっている。我々の生活を見てもまだまだ全てが縦割りだ。民間企業はもうそんなことも言っていられないので、最近いろいろな産業で「ワンストップ化」は進められてきたが、こと役所に関しては全く改善されていないと言っても言い過ぎではない。例えば、我々が転居したときに区役所に転居届けを一旦出せば、少なくとも区役所の「中」では情報が回っていると思いきや、実際は隣の課にも回っていないことはよく経験する。


確かに「仕事を減らす」ことが信条の区役所では、他の課のことをすることなど時間の無駄だ。百歩譲って、区民の利便性を考える職員がいて、他の関係部署に情報を伝えても評価はされない。逆に課長から「余計なことはしないで、自分の仕事をしろ」と怒られるのが落ちだ。しかし、中央省庁までがこれでは困る。


この度の環太平洋経済協定の試算では、経済産業省はこれに不参加のときには日本は10,5兆円の損失が出るとの試算だが、逆に農水省は参加すると日本は7.9兆円の損失が出るとのことだ。それもこれも、自分の省の関係することしか見ていないからだ。いいかげんに国家公務員だから「国益」を考えられないものか。経団連の米倉会長がこの省庁の縦割りをに怒っていたというが、日本国民なら誰でも怒るだろう。


中央省庁の官僚は、また海外の大使館に出たときも同じだ。自分の省庁に都合のいい情報だけを集めて東京に送っている。今回も各省が自分の省の「省益」を求めて海外でもロビー活動するわけだから、税金の無駄使い以上に海外から見たら、日本は何やっているの?と見えるだろう。


明治以来のこの縦割りをいかに打破するか。政治、民主党ではダメのようだ。残念ながら経団連でも常に意見を出しているが、改善はされていない。要は「上からの改革」は無理ということだ。従って、草の根からの改革しかない。その一つの手段として「ファミリーオフィス」(=横割りの一例)があるのだ。