浜田宏一、宇沢弘文、ロバート・シラー -エールでの宇沢教授の悪戯 | 日本ファミリーオフィス協会

浜田宏一、宇沢弘文、ロバート・シラー -エールでの宇沢教授の悪戯

浜田教授が勝間和代氏に働きかけて出版した「伝説の教授に学べ」だが、私としてはこの出版には相当違和感があった。しかし、この違和感を氷解させる解説ブログがあった。浜田ゼミ出身の池田信夫さんの「浜田先生の思い出」であり、私が調べた範囲でも池田氏の解説は正しいと思われる。要は、浜田教授は一昔前の自分が若いときに学んだケインズ政策に凝り固まっており、最近の新しい経済理論をフォローしていない、ということだ。


私がエールで浜田教授の授業を受けていたのは1990年から91年で、浜田教授の弁護をするつもりもないが、この時期は浜田教授はご家庭の不幸からくる自身の健康不調で、とても新しいことを研究する余裕はなかった。その後もそういう状態は続いたようだ。これは一時は天才といわれていた浜田教授にとっては不幸なことだった。


まあ、そんな暗い話はともかく、浜田教授の本にも頻繁に登場する宇沢弘文先生(元シカゴ大教授)はエールにいたときに浜田教授の「紹介」をいろいろな教授にしていたようだ。私が2002年にハーバードの研究員をしていたときにロバート・シラー(アメリカの不動産経済指標「ケース・シラー指数」の発案者)と懇談したことがある。この時にシラー教授から「ドクターウザワから聞いたが、ドクターハマダと同じ名前の政治家が日本にいるらしいがどういうことか」と聞かれたのだ。


さすがに私も動転したが、それは「ハマコー」のことだと説明した。日本には政界のハマコー(本家)と学界のハマコー(自称)がいることを説明すると、さすがに天才シラーだけあって、「疑問が氷解した」と言ってくれたのだ。しかし、それ以上に不思議なのは、その時なぜか私は政界のハマコーの本を持っていたのである。表紙は小泉首相と握手しているハマコーの写真だった。その本をシラー教授に見せると、何とこの高名な教授は「その本がほしい」とのたまわったのだった。


私は、この本は一冊しかないといって、その表紙の写真をコピーしシラー教授に渡し、ホウホウの体で逃げるようにシラー教授の部屋を去ったのだった。。。それにしても二人のハマコーと親しい私は何者なのか、、、と自問してしまう。