「私立」日比谷高校ー日本郵船草刈相談役の日経コラムより
我が家は日比谷高校の隣にあり、リビングからは日比谷高校のグランドが一望できる。そこでは毎日ラクビー部が練習している。もちろん東京都予選で勝てるわけもないが、ともかく土日も練習している。
昨日の日経夕刊のコラムで知ったが、日本郵船の草刈相談役は日比谷高校のラクビー部出身だ。昔、経団連の仕事で一度お目にかかったことがある。そのコラムから、昔の日比谷高校のような公立が今でもあればいいのに、と誰もが思っただろう。
昭和20年代、30年代は日比谷高校は東大進学率一位だった。それでも、勉学一筋ではなく、自由闊達な雰囲気だったという。昔の日比谷高校の卒業生に伺ったが、運動部に入っていて3年次まで毎日練習にあけくれ、現役で東大に入る人が多かったという。今では考えられないような話だ。その中から大物が出たようだ。
草刈さんも批判しているように、最近の日比谷高校は東大合格率の低迷に業を煮やし、なりふり構わぬ予備校化を推し進めている。これでは日比谷のいいところはなくなるだろう。OBからの大学進学の結果を出せという圧力もあったのだろうが、先生の中にも昔の日比谷のいいところを知っている人が少なくなっているのでは、と推測される。
しかし、これは都立名門校に限らない。私の母校の甲府一高も似た状況にある。あるいは他の地方公立名門校も大なり小なり、同じ状況だろう。昔は野球のピッチャーをして甲子園に行って、現役で東大に合格したような人が結構いたのだ(でも必ずしも社会に出て成功しているとは限らない。人生の難しさだ)。
今は小学校から進学塾に行っていたような人しか東大に現役合格は難しくなっているのではないか。これでは日本では本当のエリートは育たない。ハーバードに行っていたときに寮の中でいろいろなアメリカ人と話したが、日本のように幼稚園からお受験塾に行っていたような人は皆無で、小学校の時には野球とかアメフトに熱中していた人が多い。高校のある時期に集中して勉強したという。
日比谷高校の黄昏は日本の黄昏のような気がしてならない。日本でも本当のエリートを育てるような教育機関はないのか。戦前はいろいろあったようだが、全てマッカーサーにつぶされたようだ。海洋学園のような全寮制の学校も、文部省の指導要領の縛りがあって欧米のようなエリート教育はできないようだ。
困った日本の教育の現状がある。その中で日本の国際競争力も目に見えて落ちてきているのだ。