「富裕層」は資産の大きさだけで判断できるかー「ADDICTAM」の高野編集人の話
昨日、富裕層向け雑誌「ADDICTAM」の高野編集人と懇談したときに、ある発見があった。超富裕層の定義として野村総研などが用いている「金融資産5億円以上」は、本当にそうなの?という話である。
私も超富裕層を資産の多寡だけで決めるというのには、長年違和感があった。例えば、資産が仮にそんなにないとして、冷泉家などは日本的な価値観では超富裕層だろう。またよく聞く「セレブ」というのも富裕層とは違う意味だろう。でもこの違いは何となく感覚的にはわかっても、もやもやしている。
高野さんはそのあたりを、「本当の富裕層はお金+気高さや気品を持っていることが必要」と喝破した。要は「気」
がないと超富裕層とはいえないということだ。成金のホリエモンや村上世彰さんは、超富裕層と言うのは違和感があると誰でも感じるだろうが、その本質は「気」だと思う。
どうしても超富裕層のイメージは、ヨーロッパのハプスブルク家のように何百年にもわたり富を維持してきた名家
という感じが強い。日本では明治時代に多くの財閥も誕生したが、たかだか150年の歴史しかない。その重みの違いは大きい。
でも日本も捨てたものではない。高野編集人は「日本には品のいい金がある」という。つまり、1億円を2億円にしてほしいという金ではなく、長期にわたって目減りしなければいいというお金である。弊社のお客様はまさに皆が
資産保持に重点があり、派手な運用は好まないようだ。
ともかく、高野さんには9月の当協会の第10回研究会の講師をお願いすることにしている。またいろいろとお世話になりたい。