日本は2050年に最も繁栄する?ーある通産省元局長の説 | 日本ファミリーオフィス協会

日本は2050年に最も繁栄する?ーある通産省元局長の説

日本の政治も経済も「閉塞感」という一語で代表される状態だ。本当にこの国はどうなってしまうのだろう、と誰もが思っているだろう。個人的にもそう思うのだが、昨日お会いした方は何と「日本はこれから未曾有の繁栄をするだろう」ということを言われた。


この人は、ちまたにいるようないいかげんな経済評論家ではない。元通産省局長で、日本経済あるいは世界経済、歴史に造詣が深い方だ。今話題の天下り、渡りなども一切しなかったという稀有な方で、人格、識見とも

霞ヶ関で認められている大御所でもある(決して表には出てこないが)。


その方の説の根拠はこうだ。歴史上の大国は、その勃興期からおよそ200年で最盛期を迎えている。ローマしかりスペインしかり、イギリス、アメリカしかりだ。その最盛期からしばらくは横ばいが続くので、日本の場合は明治維新から200年にあたる2050年くらいにピークを迎え、その後しばらく繁栄が続くという。中国は1911年の辛亥革命から200年後、2100年くらいがピークでその後は中国が世界の覇権を握るというわけだ。


つまり、2050年まではアメリカの時代が続き、2050年から2100年までは日本の世紀になり、2100年からは中国の世紀になるというわけだ。これはまさに「新説」だ。少なくとも私は初めて聞いた。但し、ご本人も言われるように

「この暗い日本を何とか明るくしたい」という希望的観測がまじっているには間違いない。


一般的には私のハーバードでの指導教授であるジョゼフ・ナイのいうように「2050年まではアメリカの世紀で、その後中国の世紀が始まる」というのが通説であろう。先ころ亡くなられたハーバードのサムエル・ハンチントン教授(「文明の衝突」で有名)もほぼ同じ説だ。


本当に日本が2050年に繁栄を迎えるには、政治改革、行政改革、企業経営の改革など難題が山積している。

最近の公務員改革にも見られるように、既得権益がある人間は何とかこれを守ろうと命がけの抵抗をするので、なかなか全ての問題を解決するのは不可能に近いと思われる。しかし、私も日本人の一人としてこのまま日本が沈没するのをほっとくわけにはいかないので、草の根から日本の改革に一石を投じたい。