ケネディ暗殺に関する日本人著者の近刊が

あったが、内容はどうしようもない低レベル

だった。

 著者名も著書名も出すのが嫌なので、ここ

では出さないでおく。

 この本でも強硬に説かれていたが、暗殺研

究業界の少数派が提唱する陰謀説に

「ザプルーダー・フィルム合成映像説」が

ある。

 彼ら曰く、事件の前後を写したと信じられ

ているこのフィルムは合成映像、もしくは部

分改変されているという。

 多くの人、専門知識のない人々がこのフィ

ルムを見て「頭部被弾後、ケネディが後ろに

倒れている、これは前方狙撃を示す陰謀の証

拠だ!」と叫んだが、どういうわけか陰謀団

は、彼らの陰謀の証拠フィルムをわざわざ作

成する奇妙な行為に出たらしい。

 前置きはともかく、下のコマこそ合成

の動かぬ証拠だという。

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 これは、今現在一番解像度が良いライト

ボックス版の引用だが、フィルムのコマの上の

方の部分がずれていて、右端の木が空中から

生えているように見える、異常な映像だという。

 では、以下のコマを見てもらおう。

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 これは、フィルムの高解像度版の同じコマ

の引用だ。

 木が普通に生えていることがわかる。

 ザプルーダー・フィルムは所有者のタイム

ライフ社が編集中に誤ってオリジナルのフィ

ルムを傷つけてしまい、一部のコマが失われ

た経緯がある。

 上記212コマ前後がないのと、212コマが切

れているのはそのためだ。

 では、何故同じコマで切れ目がない通常の

物があるのだろうか?

 それは、このフィルムは現像後すぐに複数

のコピーが制作されたため、オリジナルから

欠けたコマをコピーから補填すればよいから

だ。 

 だが、1960年代初頭の技術では八ミリフィ

ルムのコピーはオリジナルを全て移す事が

できず、端のスプロケット部分が抜けて

しまう。そのため両方を繋げて上映すると

長方形の映像の中に真四角の映像が出て来る

ため見た目がおかしくなってしまう。

 ウォーレン委員会はこの差分にこだわり、

フィルムのコマを資料集に転載するに際し、

コピー補填を行わなかったため「失われた

コマ」という都市伝説が生まれた。

 これは初歩的知識だが、それを知る

日本人は奥菜秀次ただ一人のようだ。