1992年制定のケネディ暗殺に関する情報
公開を定めたいわゆるJFK法に基づく機密文
書公開が終った。
土田宏元教授の近刊『アメリカの陰謀:ケ
ネディ暗殺と「ウォーレン報告書」』による
と、2017年10月までに公開された文書には
大した情報は含まれておらず、教授曰く残り
の文書も「おそらくは特に重要なものが含ま
れているとは考えられない」という。
おそらく、事件に興味を持つ(奥菜秀次を
除く)日本人も似たり寄ったりの考えだろ
う。
だがそれは全くの事実誤認で、今回の情報
公開で40年以上にわたりCIA黒幕説の最大の
根拠とされてきた、アントニオ・ヴェシアナ
の証言が真っ赤な嘘であることが証明され
てしまい、CIA黒幕説は大打撃を受けた
のだ。
長年信じられていた説によると、反カスト
ロ亡命キューバ人でカストロ暗殺計画にも
関与した彼は1963年の秋、彼と密接な関係
だったCIA高官のディヴィッド・アトリー・
フィリップスとオズワルドがダラスで会っ
ているのを目撃したが、ケネディ暗殺前な
ので”リー”と紹介されたその無口な青年が
誰かはわからなかったという。
この話は下院調査委員会でも取り上げら
れたが公式には信憑性無しとされ、当然
CIAは彼の言い分を否定したが、調査官で
あるゲイトン・フォンジは本音ではヴェ
シアナの言い分を信じており、非常に
多くの研究家がこの話を特筆しCIAと
オズワルドの関係が証明されたと歓喜し
た…だが詳細は省くが、今回の情報公開
でヴェシアナの話は事実上全てが創作
だったことが証明されてしまい、CIA黒幕
説は前例がないほどの大打撃を受けた。
しかも、徹底してそれを暴いたのは
資料読解でトップクラスの大人気研究家
ジョン・ニューマンだ。
彼は事件の黒幕はCIAだと長年主張して
おり、NHK特番やストーンの新作ドキュ
メントでもそう説いているが、是々非々
に徹しヴェシアナの言い分を木っ端
微塵に打ち砕いたのだ。
普段研究家はニューマン頼りなのに、
この件では徹底して彼を無視した結果、
ヴェシアナの言い分が嘘だった情報は
広まっていない。
だが目ざとい人なら気付くはずだ。
40年以上前から研究家が事実認定
していた「CIA高官とオズワルドが
事件の前月に会っていた」大ネタ
が何故CIA黒幕説を説くストーンの
新作ドキュメントに出てこないの
だろうか?
いわゆる暗殺研究家は陰謀説に
都合が悪い場合、その情報を封印し
拡散させないが、これはその典型だ。
アメリカの暗殺研究家はケネディ
暗殺研究など行っておらず、
「ケネディ暗殺研究」というジャン
ルは存在しなかったのだ。