独裁者が自分に都合の悪い話を聞きたがらないので、部下が都合の良い話しかしなくなり、その結果国のトップが自国の窮状を知らず悲惨な結果になる、という悲喜劇は歴史上延々と繰り返されている。かつての中国、イラク戦争前後のアメリカ、今のロシアがそうだ。それと似た事、もしくはより狂信的で幼稚な事が今の日本で現在進行形で起きている。
日本ではケネディ暗殺に興味を持つ老若男女は非常に多く、(奥菜秀次を除く)全員が陰謀説を信じているが、彼らには現実が全く見えなくなっている。
陰謀の有無という議論の余地がある(当方はそうは思わないが)事と違い、アメリカではオズワルドの単独犯行説を信じる人はここ三十年間増加傾向で、それと反比例してアメリカの陰謀派研究家の言い分から”陰謀の証拠”は減少し続けている。これは絶対的事実だ。
だがどういうわけか日本ではこの事が全く知られておらず、事件に興味を持つ(奥菜秀次以外の)人々は「ケネディ暗殺陰謀説は陰謀の事実だ」「アメリカで公式説を信じる人は、ほとんどいない」と今日も妄想の中で楽しく生きている。
どんなに有益な情報でも正確な情報でも、自分に都合が悪ければ耳をかさず殻の中に引きこもるのは独裁者にありがちでそれは自殺行為だが、今の日本ではケネディ暗殺に興味を持つ(奥菜秀次以外の)日本人が嬉々として同じ状態に陥っている。
どんなバカでも現実を直視すれば「陰謀の証拠」が日に日に減り続けていることは分かろうものだが、事件に興味を持つ(奥菜秀次以外の)日本人はその現実が見えなくなり、「陰謀の証拠」でなく「陰謀説の人気」や「陰謀説の支持率」「根拠も証拠も挙げずに『陰謀だ』と言い張る著名人の発言」のみを共有するのは無力なパンピーの(心理的)独裁者化だが、この醜く卑しくあさましく、おぞましき知的劣化傾向は今後も続くだろう。