陰謀説最大の根拠とされた‘’‘魔法の銃弾’説は一から十まで研究家のでっち上げで、30年以上前から反陰謀派はそう言い続けてきた。
批判を受けたオリヴァー・ストーンは研究家は間違っていないと反論したが、2021年発表のドキュメントで嘘だったことを事実上認めた。
映画【JFK】では、オズワルド逮捕の容疑だったティピット巡査殺害事件は彼以外の二人の男が撃ったというガチガチの陰謀説を唱えていたが、新作ドキュメントではこの事件の容疑でオズワルドは逮捕された、と紹介されるだけで、映画の解説本では「二冊の陰謀本を参考にして欲しい」「オズワルドがティピットを撃ったとは考えにくい」というかつての断言口調・命令口調とまるで違う弱腰となっていた。
「敵前逃亡」という批判が堪えたのか、映画の共同制作者は「ストーンが(ティピット巡査殺害事件を)扱ってくれと言ったらそうした」とコメントした。
研究家にとって大打撃だったのは、ティピット殺害陰謀説最大の証拠がでっち上げだった事が露見したことだった。この結果、ある者はオズワルドが犯人だった事を認め、ある者は公式説の瑕疵を攻撃し勝利宣言し、ある者はこの事件を矮小化し、ある者は事件自体を無かったことにした。
ケネディ暗殺陰謀説に危機が訪れていることが誰の目にも明らかになったが、研究家たちは昨年12月の資料大量公開で起きた根拠があやふやな陰謀説を拡散させて対抗する、恥知らずな態度に出るのであった。