捏造の世界史 (祥伝社黄金文庫)/祥伝社
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アメリカ陰謀論の真相/文芸社
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自分は、故あってケネディ大統領暗殺事件を三十年以上研究し

ており、数冊の関連著作もある。近刊『アメリカ陰謀論の真相』(文

芸社)内の論考がかなり詳しいので、興味のある方はご一読を。

 世間一般では、大統領は陰謀により暗殺され、アメリカ政府が真相

を隠蔽したという見方が大勢だ。
 ブログ、ツイッター、ミクシィ等のソーシアル・メディア、報道番組、

雑誌記事、著作等の古参メディアを見てもその傾向は顕著だ。
 
 自分はこの説の立場に与しない。陰謀説とは、事件を調査解析し

持説を世に問うた暗殺研究家と、彼らに協力した”陰謀の目撃者”

が結託した捏造だと結論せざるを得ない。

 事件に興味がある人は、陰謀の証拠が膨大に存在すると思っている

だろう。

 だがそこには、事件以来半世紀にわたり続いてきた、捏造された

”陰謀の証拠”があるだけだ。しかもそのほとんどは子供騙しのテ

クニックで作られたすぎず、すぐ嘘とわかるものばかりだ。

 何故人々はかくも単純な嘘に騙されたのか?
 何故、無私公正かつ客観的であろう市井の人々は陰謀説の信奉者

と化したのか? 

 ケネディ暗殺陰謀説の仰々しさと実態のギャップこそ、この説が人

類史上最大の捏造であることを示すのだ。

 その現実を知れば、誰しも唖然とせざるを得ないだろう。