「おい おまえら何をしているんだ・・」
生徒指導担当の体育教師が現れ二人の間に入ってきた。
「やべ~」
男子生徒は突然、背中を丸くし、すごすごと教室の中に入っていった。
「お~い おまえら全員教室に戻れ・・・・戻るんだよ~」
鼓膜が破れる程の大きな声で叫んだ。
途端に、帰ろうとしていた生徒のほとんどが戻ってきた。
すごい・・・すごい迫力だった。
「先生・・こいつらに舐められていたらなんにもできないですよ。
しっかりしてくださいね。あいつらは、先生がどんな教師なのかいろいろ試しているんですよ。」
生徒が教師に叱られ、注意をされている心境だった。
そうか、やっぱり舐められていたんだな。
情けなくなった。
教室に戻った。
生徒がひとり帰っていなかった。
探す気力もなくなっていた。
学年主任に状況を話した。
「しっかりしてください。初任の先生に2年生の担任を任せるというのは、相当期待していたからですよ。」
初日からダメ出しだ。
翌日も同じように私が話をしている時は、ざわつき、勝手気ままにおしゃべりをしている。
そして、3日目が終わり、自宅に帰るとポストに一通の手紙が届いていた。
差出人の名前は無かった。
宛名は鉛筆で書かれていた。
なぜか不安な気持ちで封を開けた。
便せんに書かれていたのは、大きな字で・・「バカ・・死ね」
更に驚いたのは、カミソリの刃が貼り付けてあった。
愕然とした。
なぜだ?
だれが、なんのために?
ショックと不安と恐怖・・言葉にできない心の状態。
「教師になんかなるんじゃなかった・・・・」 後悔した。
スイミングコーチ仲間や自閉症児たち、そして保護者の顔が浮かんだ・・辞めるんじゃなかった・・・・・
教師になりわずか3日。逃げ出したい。
なんの為に教師になったのか、分からなくなっていた。
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