カミソリの刃が目に焼き付いて眠れない・・・・
あの生徒かもしれない。いやこの生徒かもしれないと、一人で犯人捜しをしている・・・・結局一睡もできず目を真っ赤にしたまま出勤した。
朝の学級活動でも、だれがカミソリの刃を送りつけてきたのかと、45人の生徒全員を疑いの目で見ていた。
疑心暗鬼が募り、全ての生徒が信じられなくなっていた。
コソコソ話をしていると、彼が犯人かもしれないとか・・・
クスクス笑っていると彼女が犯人かもしれない・・・・
自分のクラスの生徒を「疑いの目」で見ながら教育など成り立つはずはない・・・そう言い聞かせながらも、無意識に犯人捜しをしている自分がいた。
教師生活がまだ始まったばかりなのに、こんな状態がいつまで続くのかと思うと・・・・やるせなく、せつなく、絶望すら感じた。
「これが今風の中学生なのか・・・」
連日、日本中の中学校では事件が勃発していた。
生徒が教師を集団暴行したり、暴行された教師が生徒をナイフで刺したり、保健の先生がレイプされたりと・・・・
教師のうつ病患者が一気に増加し、休職者も増えていた。
自分のその中のひとりになりそうな気配を感じていた。
生徒を信じられず、疑りながらこの仕事は続け慣れない。
どうすればいいのだろう・・・・
このやるせないもやもやは、いつまで続くのだろう…
ふと、自分が教師になろうとした時のことを思いだした。
なんの為に・・・
なにが目的で・・・
なにをしたくて・・・
なにを目指して・・・
そして、何を手に入れたかったのか・・・
昼休み、ベランダでぼんやりしていると、一人の女子生徒が話しかけてきた。名前はノブコ。
「先生・・・大変だね・・・学園ドラマの見過ぎじゃない??
現実はドラマのようにいかないよ。先生の台詞は、なんかテレビのドラマみたいで、みんな聞いていてしらけているよ。」
突然で、何を言いたかったのか、理解できなかった・・
学園ドラマの見過ぎだって??
それがどんなことなのか、ノブコが話し始めた・・・
次回へ