今日から何回かに分けて腎症に関する記事を書いていきたいと思います。
「高血糖や低血糖の時間をできるだけ減らして、何年後、何十年後に血管に関する病気を起こさないこと」
という事はいつもお伝えさせていただいていますね。「なので、こうやって確認する事がとても意味のあることなんです
」
とデータを一緒に振り返りながら患者さんにお伝えしています。
そして毎月通院されている患者さんに
糖尿病治療の目的を頭のどこかに置いておいていただきたいなと思いなからお話をしています。
患者さんがHbA1cや血糖値の変動だけで一喜一憂してしまう関わりではなく
合併症の初期症状がないかや合併症の状態の変化がないかをご自身で把握してもらえる関わりをしたいと思っています。
合併症に関する検査データを一緒に確認して、以前のデータと今のデータを折れ線グラフで示しお伝えすると
「へ〜なるほど。今の段階ならもとに戻る可能性があるんですね。ちょっと、体重と血糖値…頑張ります!」と理解がモチベーションに繋がる方も多くおられます。
前置きが長くなりましたが…
今日は糖尿病性腎症の検査結果の見方についてです。
定期受診されている患者さんは、その度に血液検査や尿検査をされていると思います。
基本的に血液検査には毎回腎臓の状態がわかる検査項目が含まれています。
改めてとなりますが…
血糖値が高い状態が長期にわたって続いた方、つまり糖尿病の患者さんに起こる腎機能低下を糖尿病性腎症といいます。
糖尿病性腎症における腎機能評価のための検査は2つあります。
①血液検査【推算糸球体濾過率(eGFR)】
②尿検査【尿中アルブミン】
参考:糖尿病診療・療養指導Q&A
①【推算糸球体濾過率(eGFR)】
腎臓には、糸球体という尿を作る時に必要な毛細血管の塊があります。その糸球体が尿を作り出すためにどれくらい働いてくれているかを示す指標となる数値がeGFRです。
腎機能の低下とともに少しずつeGFRの数値も低下してきます。
30未満になると腎症4期となり腎症が進んだ状態となります。
この時期には血液検査のクレアチニンという項目の数値も上昇を認めます。
②【尿中アルブミン】
尿検査でわかる尿中アルブミン量を見ています。
アルブミンとはたんぱく質のことで、つまり尿の中にどれだけのたんぱく質が出てきているかを見る検査です。
この検査は糖尿病患者さんの腎臓を守るためにとても重要な検査です。
一般的に行われる尿検査で尿中に、たんぱくが混じっているかどうか(たんぱく尿陽性かどうか)を確認することはご存知だと思います。学校や職場の健診でもありますよね。
しかし、高血糖や低血糖が繰り返されたり、持続的に血糖値が高い状態が続くことによって毛細血管の壁に障害が起きはじめた初期のころには、一般の尿検査では陽性と出ないことがあります。
腎臓の機能は低下すると元に戻すことが難しいためいかに早期の段階で腎臓の変化に気づけるかが重要となります。
早期発見→治療を行い腎症の進行を止めることが必要なため早期に腎臓の変化を知るための検査として尿中アルブミン検査を行うということです。
尿検査で尿に出ているアルブミン(たんぱく)量が増えてくると、腎症が進んでいる可能性があると考えられます。
繰り返しになりますが
そういった理由から微量程度のアルブミン(たんぱく)しか出ていない状態の間に気づいて対処することが重要だということです。→腎症2期がこの時期です。
混乱しやすいのでまとめると・・・
腎臓に問題のない場合は基本的には尿にたんぱく質が漏れ出てくることはありません。
しかし、糖尿病患者さんは、5-10年以上を目安に血管への障害が起き始めてしまいます。(個人差はあります。)
腎臓の毛細血管の塊である糸球体に障害が起こることが、eGFR(腎臓の働き)を低下させること=腎機能低下に繋がってしまいます。
腎機能の著しい低下がわかってからでは、回復することが難しいため、いかに早く腎症の進行に気づくことが重要です。
腎症2期といわれる、尿中アルブミン量が300㎎/gCr未満であれば、正常(腎症1期)に戻すことができる段階だと言われています。
そのため腎症2期の段階から、患者さんにお知らせし、血糖値の管理状況や、体重、血圧の状態を確認し必要時薬の調整などが行われます。
腎症2期かどうかを知ることができる検査が尿検査で行える尿中アルブミン検査であり、一般的には数ヶ月〜半年に1度の検査をされる事が多い検査となっています。 ※年に一度は見ておきたい検査です。
早期発見、早期介入により腎症の進行を防ぐことが人工透析導入を防ぐことに繋がるため、患者さんには早めの段階からお話をさせていただいています。
腎症についてご自身の状態を把握していただけたら次は、腎症の時期別にある治療、対処方法についてお伝えさせていただきますね。
文ばかりで見づらくてごめんなさい
見ていただきありがとうございます。
今日も一日おつかれさまでした
参考記事 人工透析までの関わり
