おバカコンビ再びの話
よく工場長と2人で
社屋を遠くに見て
タバコをふかしながら
コーヒーを飲む。
こんばんは係長です。
係長 「ねぇ工場長。おれらタバコ吸いすぎじゃないっすかね?」
工場長 「男がタバコをふかすのは
ため息を隠すためさ。」
係長 「ほほう。じゃぁコーヒーを飲むのは?」
工場長 「苦い顔を隠すためさ」
係長 「工場長は物知りだね」
工場長 「そりゃそうさ。」
係長 「はぁ。」
「打ち合わせ」と称して二人で難しい顔をしている。
そんな時の会話はこんな感じです。
当工場のバカコンビとは
私達のことです。
ははは。
はぁ。
チョコレートと夕方の空の話
今日は日曜日。
竹の子パーティ3回目を
こなして夕方に銭湯に行き
マッサージをしてもらった。

いつものコーヒーを買って
ワーゲンをよろよろ運転する。
暮れていく街を眺め走りながら
Jazzをカーステレオで聴く。
今日はBillEvansのリヴァーサイド盤。
リリカルなEvansのピアノが
季節の変化を予感させるこんな日に良く合う。
窓を開け放つと少しだけ土のにおいがした。
遠くの方ではお祭りの練習をしてる。
夏が来ますね。もうじき。
ドラッグストアの駐車場に車を停めて
車によさりかかりながら
煙草をゆっくりゆっくりふかす。
意味もなく変な顔をして
上を見上げると少しずつ群青に染まる夜の空が
急速にそして確実に温度を下げている。
もう一回大きく息を吸う。
吐き出した煙が夕方の空に溶け込んでいった。
よし。行かなきゃ。
おつかいおつかい。
シップ薬とロールパン。
店先にたくさん並んでる
チョコにボーっと見とれていた30秒くらいの話。
明日は月曜日ね。
がんばりましょう。
竹の子パーティ3回目を
こなして夕方に銭湯に行き
マッサージをしてもらった。

いつものコーヒーを買って
ワーゲンをよろよろ運転する。
暮れていく街を眺め走りながら
Jazzをカーステレオで聴く。
今日はBillEvansのリヴァーサイド盤。
リリカルなEvansのピアノが
季節の変化を予感させるこんな日に良く合う。
窓を開け放つと少しだけ土のにおいがした。
遠くの方ではお祭りの練習をしてる。
夏が来ますね。もうじき。
ドラッグストアの駐車場に車を停めて
車によさりかかりながら
煙草をゆっくりゆっくりふかす。
意味もなく変な顔をして
上を見上げると少しずつ群青に染まる夜の空が
急速にそして確実に温度を下げている。
もう一回大きく息を吸う。
吐き出した煙が夕方の空に溶け込んでいった。
よし。行かなきゃ。
おつかいおつかい。
シップ薬とロールパン。
店先にたくさん並んでる
チョコにボーっと見とれていた30秒くらいの話。
明日は月曜日ね。
がんばりましょう。
ケンジクンの話
春も少しずつ終わり
なのに何か少し肌寒い。
ホットコーヒーも
昼間はいらない。
桜がうわうわと散っている。
何かが少しずつ瓦解しているような。
修復しているような。
こんばんは係長です。
今日、私は会社の朝礼のときに
一人の社員をほめた。
彼には障害がすこしだけある。
以前は月に2回~3回は会社を
やすんでいた。
機嫌が悪い日は会社に来ない。
木曜日は良く休む。
まわりからも
「ちょっとだめなヤツ」
って思われていた。
3年前のある日から
2ヶ月間会社を休んだので
上司として家を訪ねたことがあった。
「どうしたよ?」
「・・・・・」
「来ないの?会社。」
「・・・うん」
「どうして?」
「なんもないよ」
「理由は聞かない。
係長にはわからないかもしれないし。
でもケンチャンの腕が欲しいんだよね。
お前が来ないと回んなくてさ。」
「・・・うん」
「力になってくんないかな?」
「うん」
実際そうだった。
当社の仕事というのは
樹脂成型。
職工さんの腕により
不良率が変わり
利益も全然違うのだ。
それからの彼は変わった。
無断欠勤は一切しなくなったし
欠勤自体もしなくなった。
少しだけだけど私だけに話をしてくれるようになった。
何でも報告し、よく働き、遂に二年前より
「優秀出勤賞(金賞)(無遅刻無欠勤)」で連続表彰を受けた。
そして
昨日の朝、工場長がいった。
「昨日、お客さんきたじゃん・・・
ケンジくんの挨拶がウチの工場の中で一番良かった
たくさんのお客さんに『こんにちわぁ。こんにちわぁ』
ってさ。・・・ちょっと感動したよ。」
以前からしゃべるのはもちろん
挨拶なんて全然したことのなかった彼が
お客さんへの挨拶でウチのボスからほめられたんだ。
上手な挨拶じゃなかったよ。
ぶきっちょでかっこ悪かったけど。
でも力強く何度も何度も。
だから朝礼で彼をほめた。
もうみんなのお荷物なんかじゃないぜ。
立派な社員だし部分的でもみんなのお手本になったんだ。
ケンジ、お前最高よ。
ケンジクンはうつむいたままニコニコしていた。
ケンジクンをほめてる最中、涙がぼろぼろ流れた。
班員はおろおろするし
おばちゃんたちもつられて泣いてた。
他の部署の人が「係長どうしたの?」って顔で通り過ぎていく。
他愛のないことかもしれない。
女々しいかもしれない。
でも、うれしくてうれしくて。
本当にうれしくて
桜が散りまた季節が変わり
社員が少しだけ成長していく。
僕には何ができるだろうか。
何を残せるだろう。
これからこの会社で。
でもこんな瞬間があるなら
もう少しだけこの会社を愛そう。
なのに何か少し肌寒い。
ホットコーヒーも
昼間はいらない。
桜がうわうわと散っている。
何かが少しずつ瓦解しているような。
修復しているような。
こんばんは係長です。
今日、私は会社の朝礼のときに
一人の社員をほめた。
彼には障害がすこしだけある。
以前は月に2回~3回は会社を
やすんでいた。
機嫌が悪い日は会社に来ない。
木曜日は良く休む。
まわりからも
「ちょっとだめなヤツ」
って思われていた。
3年前のある日から
2ヶ月間会社を休んだので
上司として家を訪ねたことがあった。
「どうしたよ?」
「・・・・・」
「来ないの?会社。」
「・・・うん」
「どうして?」
「なんもないよ」
「理由は聞かない。
係長にはわからないかもしれないし。
でもケンチャンの腕が欲しいんだよね。
お前が来ないと回んなくてさ。」
「・・・うん」
「力になってくんないかな?」
「うん」
実際そうだった。
当社の仕事というのは
樹脂成型。
職工さんの腕により
不良率が変わり
利益も全然違うのだ。
それからの彼は変わった。
無断欠勤は一切しなくなったし
欠勤自体もしなくなった。
少しだけだけど私だけに話をしてくれるようになった。
何でも報告し、よく働き、遂に二年前より
「優秀出勤賞(金賞)(無遅刻無欠勤)」で連続表彰を受けた。
そして
昨日の朝、工場長がいった。
「昨日、お客さんきたじゃん・・・
ケンジくんの挨拶がウチの工場の中で一番良かった
たくさんのお客さんに『こんにちわぁ。こんにちわぁ』
ってさ。・・・ちょっと感動したよ。」
以前からしゃべるのはもちろん
挨拶なんて全然したことのなかった彼が
お客さんへの挨拶でウチのボスからほめられたんだ。
上手な挨拶じゃなかったよ。
ぶきっちょでかっこ悪かったけど。
でも力強く何度も何度も。
だから朝礼で彼をほめた。
もうみんなのお荷物なんかじゃないぜ。
立派な社員だし部分的でもみんなのお手本になったんだ。
ケンジ、お前最高よ。
ケンジクンはうつむいたままニコニコしていた。
ケンジクンをほめてる最中、涙がぼろぼろ流れた。
班員はおろおろするし
おばちゃんたちもつられて泣いてた。
他の部署の人が「係長どうしたの?」って顔で通り過ぎていく。
他愛のないことかもしれない。
女々しいかもしれない。
でも、うれしくてうれしくて。
本当にうれしくて
桜が散りまた季節が変わり
社員が少しだけ成長していく。
僕には何ができるだろうか。
何を残せるだろう。
これからこの会社で。
でもこんな瞬間があるなら
もう少しだけこの会社を愛そう。