投資関連の本は好きなので結構読んでいます。
去年出た本のなかで、特に個人投資家にも役立ちそうな本を3冊挙げてみました。


◎「ジム・クレイマーの株式投資大作戦」ジム・クレイマー


ジム クレイマー, James J. Cramer, 井手 正介, 吉川 絵美
全米No.1投資指南役ジム・クレイマーの株式投資大作戦
億万長者にして凄腕ヘッジファンド・マネージャーの経歴を持ち、TVの投資番組の司会者でもあるカリスマ投資家による投資戦略の本です。

タイトルや表紙の印象、ヘッジファンドのファンドマネージャーという経歴から、ちょっといかがわしい感じがしますが、内容は意外なほどまともです。

ピーター・リンチやウォーレン・バフェットが好きな方には面白いのではないかと思います。


まず、徹底して主張しているのが「バイ・アンド・ホールド」ではなく「バイ・アンド・ホームワーク」
買った後はそのままホールドしておくのではなく、「その銘柄について週1時間はチェックすること」です。


そして、老後資金と余裕資金とを分けて考えること


これまでの本と違う点は、余裕資金での投資ではある程度の割合で投機を行うべきだとしていることです。


基本的な知識、株価収益率の意味、相場のサイクルなどの見方を身につけ、著者の言う、トレーディングのための10のルールと長期投資のための25のルールを身につければ、個人投資家は職業的な縛りがないので、ヘッジファンドや投信よりも有利な立場にあると説いています。


実際にこれらの知識を身につけ、ルールを守るのは簡単なことではないと思いますが、今まで読んだ株式投資の本の中で最も実践的な内容の本のひとつだと思います。



◎「行動経済学」友野典男


友野 典男
行動経済学 経済は「感情」で動いている

旧来の経済学が前提としていたのは合理的で利己的な「経済人」。
30年近く前に経済学を学んだときには違和感はありましたが、経済学とはそういうもんかと思い、だから、理論と実際の経済は別物なんだと感じていました。

「行動経済学」とは「人は実際にどのように行動するのか、なぜそうするのか、その行動の結果として何が生じるのかといったテーマに取り組む経済学」です。2002年にカーネマンがノーベル賞を受賞し、広く認知されるようになりました。


行動経済学でよく例に出る問題に次のようなものがあります。


A.必ず5000円もらえる
B.50%の確率で1万円もらえるが50%の確率でもらえない

AとBのどちらを選ぶか、どちらも同じ期待値ですが、Aを選ぶ割合が高いようです。


次に

C.必ず5000円支払う
D.50%の確率で1万円支払うが50%の確率で支払わなくてよい

この場合もCとDの期待値は同じですが、Dを選ぶ割合が増えます。


つまり、利益が出ているときと損失が出ているときでは、リスクの判断が変わってくるわけです。
(しかも本書によると、利益を予想しているときと損失を予想しているときとでは脳の異なる部分が活性化しているという実験もあるようです)


これは、「損切りは素早く、利食いは大きく」が人間の感性からしていかに難しいかを示しています。


他にも、「参照点依存性」=簿価が忘れられない、などトレーディングで犯しやすい失敗がいろいろと説明されています。


本書を読んだからといってトレーディングにすぐに役立つかどうかはわかりませんが、説得力に富む本で、入門書として最適だと思います。



◎「『投資バカ』につける薬」山崎元

山崎 元
「投資バカ」につける薬

この本のタイトル「投資バカ」は「投資について何も知らないひと」や「投資中毒」ではなく、「投資に関心があるけどバカを見ているひと」(おそらく資産を持つ多くののひと?)のことです。


(証券会社の社長がお勧めするのもどうかと思いますが)金融機関に騙されないための本ともいえます。


本書では、
「だったら、なぜ自分で投資しないのですか?」
「リスクが減少する根拠を具体的に提示してください」
など金融商品を勧められたときの「正しい問いかけ」が18用意されています。


投資信託の購入や生命保険への加入、不動産の購入の前に一読をお勧めします。
本書は儲けるための本ではありませんが、この本を読むことで損をする確率は減ると思います。