地政学×歴史で理由がわかる

ロシア史

キエフ大公国からウクライナ侵攻まで

岩田秀全 監修

朝日新聞出版 発行

2022年7月30日 第1刷発行

 

1920年代には、「ロシアはアジアでもヨーロッパでもないユーラシア国家だ」とするユーラシア主義という考え方が登場

この考え方は1990年代以降に再び力を増し、ロシアと中央アジア諸国の連帯をアピールする思想として今も影響力を持っている。

 

ウクライナ人とロシア人とは似ていると思われがちだが、実はウクライナ語はロシア語と文法や語彙がかなり違い、語彙面ではポーランド語と共通するものが多い。

 

国名「ロシア」の語源は「ルーシ」というという言葉

しかしルーシの語源はノルマン人を起源とする説や、

ドニエプル川の支流であるローシ川の周辺に住み着いた東スラブ人が「ルーシ」と呼ばれるようになった、という説がある。

 

偽ドミトリーや偽ピョートル、偽ドミトリー2世など偽ツァーリが現れた「動乱時代」

 

「ヴォルガの船曳き」(イリヤ・レービン作)

ロシアでは19世紀後半になっても船の移動を人力で行うことが多かった。ロシアの技術の遅れが読み取れる。

 

最高指導者が「書記長」と呼ばれる始まりとなったのは、ソ連のスターリン

レーニン政権時、彼が就いていたのが書記長だった。

ソ連共産党の書記長は人事権を持っており、自分の都合の良いように人事を自由に操れた。

 

従来「ウクライナ」という語は「辺境」を意味すると考えられてきた。

しかし現在のウクライナでは元々「国」を表す普通名詞で、やがてドニエプル川周辺を指す地名になった、という説が唱えられている。

 

ロシアではロシア人が多く居住する地域を「地方」や「州」、ロシア人以外が多く居住する地域を「共和国」「自治州」「自治管区」と分け、これらを連邦構成主体と呼んでいる。

2000年、大統領に就任したプーチンは連邦を8つの管区に分け、大統領全権代表を管区に配置した。