ソフィア・アンティポリスと言う新産業都市で用事があったので、その帰りにニースに立ち寄ることにした。
バスでニースの街中に着く。海沿いを歩きながらまずシャトーと呼ばれる小高い丘を目指す。
10月といえどもやはりニース、太陽が輝いている。
階段をまじえた歩道があり、汗をかきつつ上る。
途中でカップルに頼まれて写真をとってあげる。
展望台につく。やはり眺めはすばらしい。左側は青い海と空、右側は旧市街のオレンジ色の屋根が広がる。
丘の上は公園になっている。遺跡などもある。
丘をおり、旧市街の狭い道を歩く。
再び街の中心地の広場に着く。そこでタクシーに乗り、マティス美術館に行く。かわいい家である。
モノトーンのロザリオ礼拝堂の下絵が描いてある。ぞんざいに修正しているところなど、マティスのええかげんさがよく出ており、思わずニタリとする。
すぐ側にローマ遺跡があるが、入れないようになっている。柵越しに覗き込む。
まだ時間があったので、シャガール美術館にも行って見る事にした。
高級住宅街を下っていき、美術館に着く。
聖書の場面を描いた絵画を集めている部屋がある。また別の部屋では、教会を模した暗い中で、ステンドグラスが青く輝いている。
そして、ガラス張りの部屋にたどり着く。そこには白を背景に人の一生をモチーフにした壁画が描かれていた。
暗の後の明。太陽の光がまぶしい。自然光をいかした効果に感動する。
美術館を出て、再び道を下り、中心地に戻る。
そこでタクシーを拾う。帰りの飛行機の時間も気になる。
陽気な運ちゃんとつたないフランス語で話をする。仕事やなぜニースに来たのかなど他愛の無い話の中で、「10月でもニースはこんなに天気がいいのか」と聞いてみた。パリを発つときには、冷たい雨が降っていたのだ。
すると「ニースはいつも、いつも晴れてるよ」とのこと。妙に嬉しそうだ。
年中晴れているわけねーだろ、と思いつつ、でもその通りかもしれない、とシャガールの陽光に照らされた白い壁画を思い出す。
タクシーは一路ニース空港に向かって走っていった。