この20年の進歩 | JetClipper's Bar

JetClipper's Bar

JetClipperが日頃感じている事をblogにしました。

東京生まれですが、沖縄、多摩ニュータウン、横浜、尼崎、川崎を経て、三鷹市民になりました。

昨日、私のPCのDVDマルチドライブが逝かれた。必死の努力のかいもなく。故に昨日はブログ更新どころではなかったのだ。


で、諦めがついたところで夜中の1時つまり25時にヨドバシドットコムで内蔵用のDVDマルチドライブを一台購入した。

カードで支払いをしたので直ぐに在庫が確保され、朝には運送会社に引き渡したとのメールが届いた。

商品が届いたのは15時。注文してから14時間もたっていないのに商品が届いたのだ。


さて、このエピソードで一番大事なのは何か。


確かにネットで注文が出来たし、タイミングが良かったのかもしれない。今までなら店に足を運び、商品を選び、持ち帰るという作業が必要だった部分がなくなったというのは大きい。

でも何より物流システムが効率化されたことが一番変わったところだし、一番の肝だ。


インターネットの普及はこういう買い物等を便利にした。アマゾンのようなロングテールを可能にしたのは巨大な書店ではなく、ネットでの検索効率かもしれない。

でも、それよりも国際的な物流システムの効率化が進んだ事が一番大きな事だと私は思う。


実際、アマゾンで注文すれば、昔ならば丸善あたりに頼んでいた原書の専門書がすぐに届く。服でも食品でも取り寄せる事は簡単になった。それを可能にしたのはフェデックスやUPS、DHL等の国際宅配サービスをやる会社だし、日本におけるヤマト運輸だと私は考えている。

実際、私が子供の頃に何かモノを送ろうと思えば、郵便小包しかなかった。法人ならば佐川等の選択肢があったが、個人から個人になにか送るとすれば郵便しかなかった。

大学生の頃、宅急便の配送のバイトをやった。車両持込で。まだまだ機械化されていなかったが、人海戦術で荷物を届けるという事の域を出なかった。

ところが、今はどこにどの荷物があるか、という事はネットで確認できるし、不在連絡も携帯メールで出来るようになった。そして今日のように夜中に頼んだものが午後に家に届くということが可能になった。


さて、日本国内でも多分、こうした宅配の全国ネットで生き残れるのはヤマト運輸と法人需要を取り込んでいる佐川急便、後はUPS等の外資と日本郵船ぐらいかもしれない。実際日本通運は郵便の小包事業と自社のペリカン便を合併させたがまだまだ業務効率化というところまで進んでいない。

確かに外国まで日通のサービスはあるが、そこで存在感を出せているかという点では疑問が残る。日本郵船も陸運・空輸・海運とそれぞれに柱があるが、陸運ではまだまだ日通にも及ばない。日本国内でもまだまだ効率性には疑問が残る。

やっと北海道に翌日に届くようになったのは最近のこと。それまではどうしても時間がかかっていた。日本国内でもハブを幾つか作ってというようにはまだ進んでいない。ましてや国際的な物流については24時間運用が出来る空港があっても活用できていないのが実情だろう。実際トヨタが荷物を絞ればセントレアの荷物が減っているので、セントレアから撤退して関空に荷物を運んで対応するというところもあるくらいだ。


そこで危機感をもってもらわないといけないのだが、韓国の仁川国際空港は荷物の取り扱い世界一だ。日本に24時間運用できるハブ空港と施設がないので仁川に日本中から飛んでいる。また釜山港や上海港に日本の代表的な港湾は勝てていない。日本をスルーして、釜山か上海で荷物を小分けにして、日本には小さな船で運んでくるという事も日常茶飯事。


つまり、たしかにこの20年で国内物流のスピードも精度も競争でよくなったが、国際的にはもっと進んでしまっているという事実。今後人口が減る日本ではこうした複数の物流業者を養っておくほど人的資源が豊富ではない。淘汰されるべき企業は淘汰して、国際競争力のある企業を作らなければならない。勿論そんなことが政府には出来ないので敗者の市場からの退出を促し、巨大化させることを認める方向でなければいけない。

正直、地方のインフラ整備に金を使っている余裕はない。

もしインフラ整備を希望するならば、24時間運用可能な空港とそれに隣接する保税倉庫・物流センター、鉄道と高速道路も含めて複合的に結ぶ事ができる環境を整え、その騒音等にクレームをつけない事を条件に仁川に勝つ、という物流拠点の整備をするならば認めても良いだろう。


地方もいい加減に自分達が遅れているという認識ではなく、今から先、どれだけ進んだ事が出来るのかを考え、受け入れなければならないと思う。