One Night Stand 1994-96 | +PocketGame Museum ・・

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  AM 1:15
 
  「ありがとうございましたー」

  最後のお客を見送り、店のシャッターを下ろした  

  「じゃぁ、始めようか!」

  閉店したレンタルビデオショップに、どこからともなくゲームボーイズが集まった

  「リッジレーサーってテレビ二台あると対戦出来んだぜ」
  「それでわざわざ、テレビ持って来たの!?ご苦労様~」

  「あ!音小さくていいから 有線は付けておいて」 「あいよ」



          いくつの街を 越えてゆくのだろう 明日へと続く この道は
          行くあてもない 迷い子のようさ 人ごみにたたずむ 君はいま
          恋することさえ 恐れてた昨日に  なくした涙を さがしてる

                      夢を信じて 生きてゆけばいいさと 君は 叫んだだろう  
          明日へ走れ  破れた翼を 胸に 抱きしめて


  AM2:00

  
  「凄い、ゲームギア持ってる人に初めてあった」 「握手♪握手♪」
  「俺、ゲームギア持ってる人と初めて握手した!」
  「見てみ!」 「おぉ・・・タントアールじゃん!」

  「ときめきメモリアル? 何これ、恋愛シミュレーション?」  「広末がいい」
  「広末涼子 可愛いよね」  「広末も良いケド、これ凄いよ パンツァードラグーン」
  「サターンってことは バーチャファイタ-は?」 「忘れちゃったんだよ」
  「ウソ~ 後で 持って来てよ」 「了解!」

  「ねぇ!このネオジオ遊べるの?」 「レジに筐体の鍵があるから それで開けてみそ」 
  「ネオジオするからカギをくれ」 「それを言うなら、同情するなら金をくれでしょ!」

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  AM3:00◆■
  

  「スーパーファミリーテニス 4人でやろうぜ!スーファミの線つないで」
  「あ!ボンバーマンと、マリオカート そう言えばこのメンツで やった事がなかったな」
  「じゃぁ 誰が この中で一番か 決めようぜ!」 「おうよ!」

  「セブンとローソン どっちが近い?」 「ローソン」
  「買出し行くけど、何かいる~ッ?」 「あ!俺も一緒に行くわ」
  「コーラ 頼む!」 「1.5のペットボトルと 紙コップにする?」 「そうするか」
  「からあげくん欲しい からあげくん」 「今の時間、お弁当とかあるかな? おにぎりでもいいや」 

  「懐かしい!これナムコットのカセットケースじゃん!」 「キャンペーンで貰ったんだ」

          自分の空を 越えてゆくのだろう  さよならに怯えず 君はいま
          傷ついたことに 疲れはてた胸を  凍える両手に 温めて

          心のままに 生きてゆけばいいさと 君は 笑っただろう
          明日へ走れ 破れた翼を  胸に 抱きしめて

  ■◆AM4:00◆■
  

  「エキサイトステージ94 これ凄いな・・・」
  「まだまだスーファミも行けるね」 「LR同時押しで、ボールを浮かせられるんだよ」
  「エポック社は自分で自分の首を絞めることになっちゃったね」

  「店長いないの?」 「うん実家に 帰ってるみたい」
  「実家ってどこ?」 「大阪」

  「テニスコートはどこがいい?」 「神社か、軽井沢がいい」  「いや、断崖絶壁でしょ!」 

  「彼女とは上手く行ってるの?」 「うん、最近会ってないケド」 「いいなぁ、俺も彼女欲しい」

  「びっくりしたぁ~ 新聞配達かぁ」 「向こうも驚いてたよ」

  ■◆■AM5:00◆■
  

  「ボンバーマンって黒ボンがトクじゃない?」 「そんなことないよ 錯乱すると 頭が爆弾に見えるし」  

  「プレイステーションマガジン見せて」 「あいよ」
  「ナムコミュージアム だって」 「ウソ!?何が収録されるの?」
  「まだ載ってない」 「もし、ドルアーガの塔が収録されたら、プレステ本体買う」
  「オーバーブラッドって 何か恐そう」 「バイオハザードのが 恐そうじゃない?」

  「うわぁ もう外が明るくなって来た」 
 

  ■◆■AM6:00■◆■  
 

  「今、何時?」 「もう6時過ぎてる」
  「そろそろお開きにするか」 「まだ眠くないんですケド」
  「今日、学校なんですケド」 「俺も このままバイトだよ」
 
  「今度、みんなでどっか行きたいね」 「どうせゲームしか しないじゃん」
  「考えておくよ」 「じゃあね」 「おう!またな」 「おやすみ」 「おやすみー」

          夢を信じて 生きてゆけばいいさと 君は 叫んだだろう
          明日へ走れ 破れた翼を  胸に 抱きしめて

                                        夢を信じて /  徳永英明

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