愛なきクリスチャン

 

イエス様が話されると、地が開き、私たちは地獄に戻って行きました。死んだ木の幹でいっぱいの丘の斜面が見え、その周囲は灰色の汚物だらけでした。またその丘の斜面に小さな穴もいくつかあり、灰色の姿の人々が歩きながら話しをしているのが見えました。その灰色の丘の斜面に通じて上がって行く、曲がりくねったきたない道を、私はイエス様について行きました。近づいていくと、人々が見えました。からだはそのままでしたが、死んでいました。体は灰色の死んだ肉からなっており、縛っているロープで、彼らは互いにつながれていました。それは灰色の網で、丘の上にいる人々の回りにぐるぐる巻かれてありました。火は見あたりませんでしたが、ここは地獄の一部であることがわかりました。それは、そこにいる人々の骨から死んだ肉が離れ落ち、またそれから実にすばやくもとに戻ったからです。死んだものがいたるところにありましたが、人々は気付いていないようでした⋯彼らは会話に夢中になっていました。

 

イエス様は言われました。「彼らが何を言っているか聞いてみましょう」

一人の男の人がもう一方の人に言いました。「罪を取り除くために来られた、このイエスという人のことを聞いたことがあるかね?」このもう一方の人が答えました。「イエス様を知ってますよ。私の罪を洗い流してくださった方です。実は、ここで自分が何をしているのかわからないんですよ」「私もそうなんだ」と最初の男の人が言いました。もう一方の人が言いました。「私はイエス様のことを隣の家の人に証ししようとしたんですが、その人は聞こうともしませんでしたよ。彼の女房が死んだとき、私のところに葬式代を借りに来たんですがね、蛇のように思慮深く鳩のように混じりけのない者となれ、というイエス様のことばを思い出しましてね。それで彼には帰ってもらいましたよ。彼ならお金を何か他のことに使ってしまうのがわかってましたから。私たちはお金の良き管理者にならないといけないですよね」

 

最初の男の人がまた言いました。「そうだよ、兄弟」彼は言いました。「私のところの教会でひとり男の子が服や靴がなくてね、だけどその父親が飲んだくれでね、だから彼の子供に何か買ってやるのはやめたよ⋯その男にひとつ教訓を教えてやったのさ」「そうですとも」ともう一方の人が言いました。彼は、縛っているロープを手で握り、神経質そうにそれを自分の回りでよじっていました。

「私たちはいつでもイエス様のように生きることを人に教えてあげないといけないですからね。そんな男には酒を飲む権利なんかなかったんですよ。苦しむがいいさ」

 

イエス様は言われました。「ああ愚かで、心の鈍い人たち。真理に目覚め、互いに熱心に愛し合いなさい。助けのない人々を助けてあげなさい。困っている人には、代わりに何かを得ようなどとは少しも考えずに与えなさい」「地の人々よ、もしあなたがたが悔い改めるなら、私はあなたがたを祝福し、あなたがたを呪わない。あなたがたは眠りから目をさまし、私のもとに来なさい。自分をへりくだらせなさい。そしてあなたがたの心を、私の前で低くしなさい。そうすれば私は来て、あなたがたとともに住み、あなたがたは私の民となり、私はあなたがたの神となりましょう」