祈りと聖霊 

 

「クリスチャンである私たちの内には神様が住まわれているのです」と礼拝の中で語られました。それを聞いた救われて間もない兄弟は驚きました
「それは困った。きっと神様は、私のたばこの煙の中で苦しんでおられるに違いない」。
そう思った彼は「今日から禁煙だ、神様のために住みごこちの良い体にしなくては」と決心しました。彼は、家に着くとさっそく禁煙を始めました。
しばらくは我慢できたのですが、徐々に口元がさびしくなってきました。
ペンで机をたたいたり、貧乏ゆすりをしたり、まったく仕事が手につかなくなってしまいました。彼はとうとう我慢できなくなり、押入れを開けて、積んである布団に頭をつっこんで叫んだのです。
「神様、あなたが私の中におられるので、煙たくないようにしようと思うのですが、もう限界です。助けてください」
彼は何度も繰り返し祈って叫びました。
すると徐々に心が落ち着いて、吸いたいという思いがまったく消えてしまったのです。そして何とかその日を乗り越えたのです。
翌日、彼は昨日のことなどすっかり忘れ、うっかりいつものようにたばこに火をつけました。「ん、何だこのたばこ。おいしくない」。
彼は、この一本だけがしけって、味が変わってしまったのだと思い、別のたばこに火をつけました。するとどうでしょう。これもまたおいしくないのです。
これもだめかと、3本目に火をつけました。今度は、まずいどころかせき込んでしまいました。彼はそこで、ようやく昨日のことを思い出したのです。
「そうだ、神様は昨日の私の祈りを聞いてくださったのだ。自分の力では禁煙できなかったけれど、神様が私をたばこから解放してくださった。神様ありがとうございます。これで少しは、あなたの住みやすい体になりました。ハレルヤ! 」と祈ったのでした。