某日未明早朝、
東京都中野区の某会社のM社長が、
自宅の階段にて足を踏み外し、
尾てい骨を強打する事故に見舞われた。


その翌日は会社で行われる今年最後のセミナー。


聴講者の予定数は
予想を上回る50人を超えていた。


久々の2時間オンステージ講演だけに、
M社長は「休むわけにはいかない…」と、
お尻を抱えながらヘッピリ腰での登場。


痛みのせいで
現代脳である「大脳新皮質」が働かなかったせいか、
講演内容は支離滅裂だった模様。


しかも、

かなりやばい話しも多かったとか。


原始脳である
「脳幹」のみで話したと思われる。


それが幸いしたのか、
終了時には拍手の渦が…。


本人いわく、


「講演前に

インカの帝を飲んだのが良かったのかも…」


と、一人ご満悦の様子。


翌日には
講演会に参加された方々からの

御礼メールも殺到した。


しかもその内容は、
全てM社長の

「尾てい骨」の心配に関するものばかり。


講演内容に関する感想は

まったく一つもなかったと言う。。



脳幹は言葉にならない世界である。


よって感想も、
言葉にすることが不可能だったのであろう。


社内ではこの日のセミナーのことを、
「伝説の脳幹講演会」と呼び、

DVD化を検討している。


しかし、
数日経ってもその痛みは治まらないらしく、
とうとう観念して整形外科に行く事になった。


出掛け際、「タクシーで行ったらどうですか?」
という社員の適切なアドバイスに対し、
M社長は


『いや、

脳幹と尾てい骨は繋がっているんだよ~』


と、うつろな目で意味不明な言葉を残し、
自転車で近くの病院に向かって行った。


『振動でドンドンするたびに、

脳幹に響く~!』


…と言ったかどうかは定かではない。


そういえば弘法大師空海も、
自ら断崖絶壁から飛び降りて尾てい骨を強打し、
悟りを開いたらしい。


さて、
病院でのレントゲン検査では、
尾てい骨が陥没してる事が発見された。


しかし医師の診断によると、
これは過去数十年前の損傷の痕らしいとの事。


この件でM社長に尋ねてみたところ、


「いや~、そういえば20年前、
雪道でスリップして

車ごと豚小屋に突っ込んだことが…。
その時もしばらくケツが痛くて…」


しかも笑えない親父ギャグで、


「豚小屋の中から、

ブーブー言われたよ、ハハハ…」


と、しゃあしゃあとした顔で言ってのけた。


更に、
病院での診療中に会社から
「来客が来ている」との連絡を受け、
湿布と痛み止めの薬を受け取らず、
病院から逃げるように立ち去ったとの事。


当局では

他に余罪がないか調査を続行する模様。


定坊共同通信社提供




年末の脳幹対談


スタッフ「どうして階段から?…
やはり老化ですか?」


M社長『う~む、君は的確な質問をするね。
確かに、
階段の途中の「踊り廊下」から落ちたから、
老化かもね~(笑)』


スタッフ「(…無視)

毎朝、落ちてたのですか?」


M社長『…あのねぇ、
すべり台ならいざ知らず、
いつも階段から滑り落ちる人なんか、
世の中にいるわけないだろ?』


スタッフ「では、何年振り?」


M社長『…君、そんな事聞いてどうすんの?
何か意味があんの?
50年振りだよ』


スタッフ「ほほう、それはすごい!」


M社長『君、変な事に感心するね?』


スタッフ「脳幹対談ですから。
で、どんな形で突き飛ばされたのですか?」


M社長『え?突き飛ばされたって…?』


スタッフ「いや、てっきり奥様が…」


M社長『あのねぇ、
どうして君は思い込みで質問するの?』


スタッフ「脳幹対談ですから。
じゃ、どんな状況で?」


M社長『いやね、

実は階段の一段が消えたんだよ。』


スタッフ「消えた!?」


M社長『そうなんだ、
朝、いつものように2階にある風呂に入って、
女房が洗ってくれた下着を持って、
階下の自分の部屋に戻ろうと、
階段を降りた瞬間の出来事なんだ。』


スタッフ「奥さんが下着を洗ってくれるのですか?」


M社長『…あのねぇ君、
あちこち話が飛び過ぎてない?
これじゃ、対談が支離滅裂になるでしょ?』


スタッフ「社長に合わせての脳幹対談ですから。
じゃ、ご希望に沿って話を戻しましょう。
なぜ、階段が消えたんですか?」


M社長『そういえばね、後で女房に聞いたんだ。
数日前に家の真ん前で道路工事があって、
玄関先の一部を壊して移動させたと…』


スタッフ「工事と災難は関係するんですか?」


M社長『そうだよ。
風水では方災と言って、
むやみやたらに工事をやってはいけないんだ。』


スタッフ「良い日や方角を見て工事をやらないと、
災いが降り掛かる…ってわけですね。」


M社長『そうなんだ。』


スタッフ「遭難(そうなん)も?」


M社長『あのね…』


スタッフ「これはジョークです。
で、お尻はどのように打ったのですか?」


M社長『足元を見ながら降りたつもりなんだけど、
踊り廊下から第一歩目の一段が消えて、
あっと思った瞬間、
ドンドンドンと、5段くらいお尻で滑ったんだ。
それが不思議なんだけど、
途中で止まらないんだよ。』


スタッフ「持っていた洗濯物は?」


M社長『…君は変なとこばかり気にするね…
そりゃ、放り投げたさ。』


スタッフ「その時、奥様は?」


M社長『女房も娘もその音に驚いて、
駆け付けたよ。』


スタッフ「どんな顔をされてました?」


M社長『…笑ってた。
パンツが丁度、頭に半分乗っかっていて、
顔が隠れていたからね…』


スタッフ「やっぱり!!(笑)
とっさにそれが脳裏に浮かびましたよ!
僕もインカの帝、飲んだからですね!!
素晴らしい…」


M社長『君、そんなとこに脳幹働かせて何になるんだ!
…でも女房の第一声が、
階段大丈夫かなぁ…と。』


スタッフ「あはははは、やっぱり!」


M社長『でも、
一つだけ会員の皆さんに言ってる事をしなかった…
それを今反省してるんだ。』


スタッフ「何を?」


M社長『ありがとうの言葉だよ…』


スタッフ「あっ!そうでしたね!
良くない災いが起きた時にこそ、
即座に『ありがとう』と言う事が大切なんでしたね!」


M社長『そうなんだ、
それがありがとうの
本当の効力を出すチャンスだったのにね…』


スタッフ「有り得ないことが起きた時にこそ、
有り難い…ですもんね!」


M社長『それさえできたら、
どんな災いも良い前兆になるんだが…』


スタッフ「でも今回の災いも、
大難を小難に変えてくれたのかもしれませんよ。」


M社長『おっ!たまにはいいこと言うね!』


スタッフ「今年最後の講演会は、
表面的な話ではなく、
まさに本質的な脳幹で話すように仕向けられたから、
こういう現象が起きたのかもしれませんし…」


M社長『そうだね、
来年からは本質の時代に突入する気がする。
みんなが本音で話せるような時代にね。』


スタッフ「それが、
日本人の覚醒に繋がるのかも…ですね。」


M社長『…君、どうかしたの?』


スタッフ「脳幹対談ですから(笑)」。。



※昨年の暮れのブログとは、

打って変わった内容でスイマセン!

参考「煩悩と除夜の鐘

http://ameblo.jp/jesmotoi/entry-11122321716.html




本年は大変お世話になりました。


来年もまた、
このブログ、楽しくのぞいて見て下さい。


良いお年を。