CASSANDRA WILSON & JACKY TERRASSON
「RENDEZVOUS」

1997
 『PRINCESS OF DARKNESS
90年代最高のヴォーカリストが織りなすピアノとの対話。
スイングジャーナル主催第31回(97年度)ジャズ・ディスク大賞
金賞受賞作品。』
 
 
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 原題は「RENDEZVOUS」、邦題は「テネシー・ワルツ」。
ブルーノート3作目、前2作とは違い、ジャズ・スタンダードで構成。
プロデューサーもロック寄りのボブ・ベルデンなんだけど、
音は紛れもないジャズ、というかニュー・アフリカン・ブルーズ。
元々がフォーク系のSSWだったカサンドラが、
この時期、スタンダードをこれだけ唄いこなすのは珍しいのでは?
 
 先に「ニュー・アフリカン・ブルーズ」と表現しましたが、
これは本作の解説で、渡辺亨氏が名付けたネーミングです。
本作に収録された「Tennessee Waltz」や「Old Devil Moon」は
ジャジーであり、かつブルージーでもあるという、
まさにカサンドラの真骨頂だと言えるでしょう。
かなりディープな一枚でした。
BRUCE HORNSBY 「THE WAY IT IS」   1986
 
 正直、ブルース・ホーンズビーは80年代末の「MTV」の映像を
観たくらいで、彼の音楽にまともに接したことはなかったんですが、
後になって買ったこのアナログ盤、デビュー・アルバムだそうです。
ヒューイ・ルイスが何曲かプロデュースに加わってますね。
 
 
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 B-1「The Way It Is」でグラミーの最優秀新人賞を貰ってます。
美しいピアノのイントロに導かれたこの曲、
美しさとは裏腹に、当時の米国の不況を嘆いた唄のようです。
さすがにこの曲だけは知ってました。かなりヒットしたよう。
A-3「Mandolin Rain」も美しい曲です。
THE POWER STATION  「THE POWER STATION」    1985
 
 『このアルバムを聴くと疾風のごとく身体を駆け抜ける
熱いファンキー・ビートを感じることができます。
思わず身体が動き出して・・・・・。』
 
 
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 このレコードが出た頃、ロバート・パーマーもシックも
デュラン・デュランも名前くらいしか知らなくて、
個々のレコードをじっくり聴いたことがなく、
雑誌のレヴューを読んで何となく買ったんだけど、
A面の1曲目「Some Like It Hot」の重いリズムにぶっ飛んだね。
 
 B-1「Get It On」はもちろんT-REXのあの曲なんだけど、
マーク・ボランの妖しい雰囲気はまったくなく、
逆にロバート・パーマーの男らしい唄い方にゾクッと来ましたよ。(笑)
 
 所謂「スーパーバンド」的な要素もあるパワステですが、
デュラン・デュランやシックを引きずってないからいいのかな?
GEORGE STRAIT  「STRAIT COUNTRY」      1982-1985
 
 『"スーパー・スター" ジョージ・ストレイトが
頂点を極める過程が一望できる強力コンピレーション!』
 
 
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 初期のベスト盤みたいなもの?
というかアルバム「フォートワースの想い出」の10曲中9曲が
収録されてるから、「フォートワース」プラス・アルファみたいなもの。
 
 ジョージのような正統派シンガーを聴くと、やっぱりホッとするね。
カントリー・チャート1位の「フォートワースの想い出」や
「Honky Tonk Saturday Night」もカッコいいし、
ウェスタン・スィング調の「The Cowboy Rides Away」「Right Or Wrong」もいいね!
 
 かつて、ヒューストンのアストロドームのコンサートで11万人を集めた、
というから凄いじゃないか!この記録はいまだに破られていないようです。
とにかく日本でのカントリー・シーンからは想像もできないような現象が
本場USAには、たくさんあるみたいだね。
FLEETWOOD MAC  「ENGLISH ROSE」     1969
 
 『マックの名を全世界に広めた第2弾。
ブリティッシュ・ブルース・ロックの伝説がここにある。』
 
 
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 上記の帯コピーには「第2弾」とありますが、
実際は第3弾ですね。
 
 ワタシ的にはピーター・グリーンとジェレミー・スペンサーの
シンプルな編成で良かったんじゃないか、と思うんだけど、
本作よりダニー・カーワン(弱冠18歳!)が加入。
BBスタイルのピーターとエルモア・スタイルのジェレミーが
同居してること自体がただでさえ不自然なのに、
そこへもってきてダニーの新規加入だからね。
 
 我が愛するピーター・グリーンの魅力と言えば、
「Stop Messin' Around」のようなBBスタイル、
そして「Love That Burns」、「Black Magic Woman」
マイナー・ブルーズでしょうか。
「Black Magic Woman」は後にサンタナによってカヴァーされましたが、
ピーターの「I Loved Another Woman」がベースになっています。
オルガンのイントロに導かれたサンタナのヴァージョンもいいですが、
ピーターのバリバリのマイナー・ブルーズはもっといい!!
TOM WAITS  「BAD AS ME」      2011
 
 『「ミュール・ヴァリエイションズ」アルバム以来、
我々が最も待ち望んでいたものだ。・・・米MSN
「ロックの殿堂」入りも果たした孤高の天才音楽詩人、
7年ぶりニュー・アルバム』
 
 
 
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 全体の印象としては「都会のブルーズマン」て感じ。
以前のポコポコしたパーカッション群も鳴りをひそめ
ブルージーに自分の世界を展開するトム。
 
 いつものしわがれ声ではなく、裏声で唄う「Talking At The Same Time」、
ディヴィッド・イダルゴ(ロス・ロボス)のギターが華を添える
アップ・テンポのブルーズ「Get Lost」、
お約束の"美メロ"「Pay Me」、アコーディオンとヴァイオリンがいいね。
ちょっとメキシカンな感じもする「Bad As Me」、ここでの
チャーリー・マッスルホワイトのハーモニカがいい味出してます。
ジャジーな美メロ「Kiss Me」、
キース節炸裂!キース・リチャーズ参加の「Satisfied」、
そのキースとのツイン・ヴォーカル「Last Leaf」"しわがれダブル"で迫力!
この声でこんな美メロを唄われるとたまらんねぇ。(笑)
 
 そして一番のお気に入りは「New Year's Eve」、
これまた美メロなり。今回は美メロ率かなり高し。
「蛍の光」(正確には原曲の「Auld Lang Syne」)が挿入されるあたりは
感動モノですぞ!憎いね、これは。
小坂忠 「peace³」   1997
 
 タイトルは"peace"の3乗?「peace peace peace」?
 
 
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 小坂さんは70年代の中頃に、クリスチャンに改宗し、
以降はゴスペル集やワーシップ・ソング(礼拝曲)などを中心に活動されてます。
 
 やはり、昔のファンは名曲「ほうろう」や「機関車」あたりのイメージを
引き摺ってますので(ワタシです・笑)、
本作の中に「機関車」のセルフ・カヴァーが収録されており、
ホッと一息ついちゃうのです。(笑)
 
 さて本作、なぜかヘルシンキ(フィンランド)録音で、
現地のバンドがバックについています。
サウンド的にはフュージョンぽいソウル・ミュージックみたいですが、
唄ってる内容は「神の愛」についてです。
 
 オープニングの「機関車」、往年のアレンジで、
聴いててホッとしますね。サックスもいい味だしてます。
エンディングの「恵みの雨」はピアノをバックに優しく唄い上げてます。
「すべての国の すべての人を
つつみこんでいる キリストの愛
雨のように 今日もふりつづく」
まさに「聖職者の唄」ですね。
矢野顕子 「PIANO NIGHTLY」    1995
 
 ピアノ弾き語りによるカヴァー・ソング集です。
オーストリアとロンドンでのレコーディング。
92年の「SUPER FOLK SONG」に続くカヴァー集
ということになりますか。
 
 
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 知らない曲もありますが、知ってる曲はかなり楽しめましたよ。
島崎藤村の「椰子の実」は、思わず波打ち際を飛び跳ねそうだし、
小坂忠の「機関車」や細野晴臣の「恋は桃色」
JTの「Daddy's Baby」なんてのは
昔から好きでずっと聴いて来た唄だしね。
今回初めて知った友部正人の2曲も良かったわ。
 
 やっぱり「才女」ですね。
玉置浩二 「♠」   2001
 
 「カリント工場」のアルバムも良かったけど、
この「♠」も好きなアルバムです。
 
 
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 「△(三角)の月」のブルージーなムードもいいし、
「太陽になる時がきたんだ」の優しさも捨て難い...。
 
 そして「失うものはない 何も怖くない
逃げることなどない 今日を生きて行くだけ」と唄う
「夢見る人」、我々凡人や小市民には羨ましい限りの歌詞です。(笑)
メロもいいし、これまたブルージーな感じがいいね。
 
 できれば、こんな自由な気分を地で味わいたいもんやね。
CASSANDRA WILSON  「LIVE」      1991
 
 カサンドラ・ウィルスンの初ライヴ・アルバム。
1991年、ドイツのミュンヘンでライヴ・レコーディングされてます。
 
 
 
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 ピアノ・トリオを従えた編成なんですが、
ジェイムズ・ワイドマンというピアニストが出色です。
あの名曲「'Round Midnight」での長いイントロが素晴らしい!
ここでのちょっと気だるい感じのカサンドラのスキャットも味があるね。
 
 もう一つのスタンダード、「Body And Soul」、
イントロを含め、唄い出しからしばらくは原曲がわからなかった。(笑)
後年の、「恋の終列車」のカヴァーも、原曲が浮かばなかったけど、
これはそれを上回るくらいのサスペンスに満ち溢れた(笑)展開でした。