2015新型エフェクトボード!徹底解説!~Part 2 | 山本安男 ~超速日誌~

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さて、前回のPart1では主に使用機材を中心に解説していきました。


今回のPart2では、このボードの特徴や工夫した点などをお話ししていきたいと思います。





さあどこからいきましょうかね?(^^)




まあまずは、スイッチャーARC-53Mがシステムの中心となっている点がポイントですね。





各ループに接続されたエフェクターのオン/オフ、それからMIDIケーブルで接続してあるFlight Timeのプリセット切り替え、そしてステレオケーブルで接続してあるOD-FIVE 2 Xtremeのチャンネル切り替えを、このARC-53Mのフットスイッチを1回踏むだけで同時に行えます。



ループに入れず、システムの最後段に設置されてあるFlight Timeはプリセットのアウトプットレベルも設定出来るため、最終的なマスターボリュームまでARC-53Mからコントロール可能です。

またディレイを使わないドライ音のみが欲しい場合は、単純にFlight Timeのプリセットのディレイ音量をゼロにしておけばよいのです。



僕は簡単であるこの方法をとっていますが、CC#を設定することでFlight Timeのエフェクトのオン/オフ自体も操作可能です。



ただ「エフェクトを常にオンでディレイ音をゼロにしたドライ音」と「エフェクトをオフにした時のドライ音」の音質を何度もしつこく比較したのですが、僕には違いが感じられなかったので、わざわざCC#を設定してコントロールチェンジによるエフェクトのオン/オフをする必要もないと思い、この形に落ち着きました。



OD-FIVE 2 Xtremeのチャンネル切り替えが出来るのはとても助かります。これによって、見た目上はSL DriveとOD-FIVE 2 Xtremeの2つが歪み系であるところを、実質3つの歪み系を使用出来ていることになります。




そうそう、それから今回はいつも使ってきたインプットバッファーを組み込んでいません。

ARC-53Mに使用されているHTSサーキットにハイインピーダンスで入力した状態での音をしばらく試したいからです。

各エフェクターのインピーダンスをトータル的に管理して最適の状態にしてくれるというこのHTSサーキット。

今のところこのサウンドが凄く気に入っており、より完成された音楽的なギターサウンドを提供してくれます。



もう少し砕けた言い方をしますと・・・



「音が良すぎてビックリしちゃった!!!」




ボード全体のレイアウトも気に入ってます。



ボード前段のペダル類とボード奥にある電源系との間にある程度のスペースを設けています。

電源から来るノイズをペダルが拾うとハムノイズが出てしまうので(実際に検証済み)、それを避けるためです。

実際にやってみると分かると思いますが、ホントに少し離すだけで途端にノイズが消えてくれるので、そのポイントを見極めると距離感が掴みやすいです。





ボードを使用する際の準備も最小限で素早く行えるようにしました。電源系もすべてボード内に収めたので、使用時にはジャンクションボックスにギターからのケーブルとアンプへのケーブルを挿し、パワーディストリビューターに壁コンセントなどからの電源ケーブルを挿せばそれで完了。






たまにワウペダルを使用することがあるので、その時はギターケースなどに入れて持って行き、現場でジャンクションボックスの手前に設置すればオーケー。自分にとって常に使用するものではないため、これで十分です。





カバーケースを含めたボード全体の重量は10kg弱といった感じ。

決して軽いほうではないですが、以前が重すぎたので、それに比べれば持ち運びも全然楽です。

以前はペダルトレインをソフトケースに収めてましたが、大事な機材ですからソフトケースだと非常に不安でして・・・

今回のボードは運搬時に機材を守るという点でも安心です。






基本プラン


以前旧ボードを作った際は、ボード上に乗るペダル類が極めて多かったため、死ぬほど脳みそを振り絞りながら操作性や音質を考慮してペダル類を始めとする各機材の位置を決め、全体のレイアウトを構築していきました。
初期段階においては、プリアンプも設置出来るようホームセンターでパーツを集め台座を作るなんてことも(笑)

これはこれでとても充実しておりましたし、満足のいく出来だったのですが、使用している間にもっと効率のよいアイディアが思いつきいき、それを実現し得る新製品もタイミングよく登場してきたことから、それらを導入する見込みの上でより洗練されたボードを作りたいと思ったのです。

それに旧ボードにはほとんど使わないペダルもいくつかありました。
「色々出来る万能ボード」は確かに理想的なアイディアの一つではありますが、旧ボードを組んでから1年半の間、フル装備での出動は数える程度しかなく(そういったボードが求められる現場は自分の場合それほど多くなかった)、それ以外の現場では簡単に持ち運べる小規模なボードに組み直して持っていくというシチュエーションが大部分を占めていました。

ゆえに「組み込んでいるだけで実際は使用する機会が少ないペダルによりスペースを消費されるのは非常に非効率だ」という結論に達し、今回新たなプランを持って、より実用的なボードの製作に挑んだのです。






より効率的にスペースを確保するために導入したアイディア


先ほど「スペースの確保は楽だった」と述べましたが、それでもただ考え無しに組み上げると部
分的に無駄な要素がいくつかありました。


まずはMIDIケーブル。
市販のMIDIケーブルで気軽に手に入る製品の大半はプラグ部分がストレート型です。このストレート型プラグ、困ったことに多くのケースでかなりの無駄なスペースを生んでしまいます。
加えて長さもボード内に収めるにはあまりに長いものばかり。

このMIDIケーブルがもしL字型で長さもうんと短いものだったら、MIDI端子周辺なスペースを必要最小限に止めることが出来ます。このアイディアを実現させるべく、ケーブルの両端がL字型でなおかつプラグの向きが斜め下になるようなMIDIケーブルを業者にオーダーして製作してもらいました。長さは40cmを選択。短過ぎて失敗するのも嫌だったのでこのくらいの長さにしましたが、実際には15cmで十分だったようです・・
まあ最初の試みだし、実物を装着してみるまで細部の予想は難しいため仕方ないでしょう。
それでも十分に短く、ケーブル部分をコンパクトに纏めることが出来ました。

L字型プラグの部分に関しては計画通りで、おかげでMIDI端子周り及びボードのスペースを効率的に使うことが出来ました。







ストレート型だとMIDIケーブルの根元を避けるようにペダルを配置しなければならなかった状態が、L字型のおかげでMIDIケーブルを気にすることなくペダルを配置出来るようになりました。
ケーブル自体も短くなったので、何重にも束ねてそれを収納するスペースを確保・・・なんて必要もなくなりました。





それから、チャンネル切り替えのためにスイッチャーARC-53MとオーバードライブOD-FIVE 2 Xtremeを繋いでいるステレオケーブルにも工夫を凝らしてます。
いや、工夫というほどの事ではないのですが、このステレオケーブルも両端L字型のものを選択。
こだわった部分は、プラグが標準サイズではなくミニだという点。
標準サイズだと本体部分が大型になってしまい、これまたスペースの無駄になってしまいます。
だから、本体の小さいミニプラグを選択し、その先に標準サイズへの変換プラグを装着して端子に接続しています。
この方が一回り小さいし長さも短くて済みます。
飽くまでもチャンネル切り替えのためのケーブルであるため、音質にこだわる必要はないぶん省スペース最優先で考えることが出来ました。











配線


ボード作りにおいて、個人的に最も難しいのが配線作業です。

納得のいく形まで持っていくのに凄く時間がかかります。

しかし最も重要な作業の一つでもあるので、焦らずじっくり取り組みました。



まず、パッチケーブルにはハンダ付けがいらず簡単に組み立てられるFree The Toneのソルダーレスケーブルを使用。

全てL字型プラグのみで製作しています。



これまでパッチケーブルに拘って色んな製品を試してきたわけでもないので、他者との音質的な比較は出来ないのですが、そこは信頼のFree The Tone製ということで安心しております。



ケーブルの長さもプラグの向きも自由自在、好きなようにカスタマイズ出来るし、失敗してもすぐに作り直せるという便利過ぎるアイテムです!



パッチケーブルの配線で1番気を遣ったのは、いかにグランドループの面積を少なくし、なおかつ無理のない範囲で最短にするかという点です。結束バンドをたくさん使用し、パッチケーブル同士を纏めながら不必要に面積が広がらないよう注意しました。

結果的に、グランドループによるノイズの呼び込み対策のみならず、見た目も整然として美しい仕上がりになりました。






それからアダプターの長いケーブル。このボードには4つのACアダプターが使われていますが、それぞれがとても長い。遠くの場所にある電源からエフェクターに供給する場合は長い方が助かるのですが、ボード内に収めるとなるとちょっと大変な長さですね。

ということで、各アダプターのケーブルを結束バンドで綺麗に束ね、コンベックスベースを使用してパワーディストリビューターのすぐ側に固定しました。

ケーブルを束ねる際には、まずコーヒーの空き缶に丁寧にグルグルと巻いていき、巻き終わったら空き缶から取り外し、出来上がった輪っかの束を潰します。そうすると、纏めたケーブルの束の長さがバラバラになりにくく、コンパクトかつ綺麗に仕上げることができます。







パワーサプライから各エフェクターへ接続されてあるDCケーブルの配線も、綺麗に纏めるのに苦労しました。アダプターのケーブルに比べると少々硬く取り回しが一段と難しかったです。

こちらも結束バンドとコンベックスベースを使用し、可能な限りスッキリ纏めました。





ただ、この時点で使用しているいくつかのDCケーブルが少々長すぎて、それを上手く纏めたは良いのですが、組み上げた後に一部大きめのグランドループを作ってしまった事に気付きました・・・(汗)

その部分一つでどれほどのネガティヴな要素がボード全体に影響するかはわかりませんが、気づいた以上は、後々改善させる方向でいきたいと思ってます。





さてさて、もうこれぐらいにしておきましょうか。

書いてるうちに「・・・もうよくね?」と思い始めました(笑)



それにしても、書かない時は平気で1年放置なんてするのに、気分がのってる時は書きまくるんだから・・・

エクストリームに気まぐれな性格のようなので、その辺り堪忍してください;^_^A



しかし、今後もこのボードネタはちょくちょく書いていきたいなと思っています。



だってすげえ楽しいじゃん!