Ovaltone  "MERKAVA "レポートPart 3! | 山本安男 ~超速日誌~

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音楽や日々の考え、体験などを綴ってゆければと思っております。

こんちはっ!山本です。


さてさて、早速ですが前回・前々回に続きOvaltoneのブースター "MERKAVA(メルカバ)"についての解説に入りたいと思います。

これまでのレポートを読まれていない方はぜひ目を通してみてください。

  → Part 1
  → Part 2

また、このブースターを製作しているOvaltoneのウェブサイトもお知らせしておきます。

  →http://ovaltone.net/products/driver/merkava/




今回はコントロール類における最後の要素【EDGE】について解説します。



このミニスイッチ、まず取り扱い説明書によると


左】ミッドにエッジ感を持たせる。中域を中心にゲインが少し上がる。
【中央】 フラットな設定。
【右】 ハイにエッジ感を持たる。高域を中心にゲインが少し上がる。

となっております。

この【EDGE】は、これまで解説してきたパラメータ設定に比べるとより分かりやすく、直感的・聴感的な操作でサウンドを決める事が出来ると思います。

まず「EDGE (エッジ)」とはどのような意味なのかを考え想像してみましょう。
各分野によって、その意味や使われ方は微妙に違ってくるかとは思います。

辞書でこの単語の意味を調べてみたところ

1.ふち。へり。端。

2.刃物の刃。刃物の切れ味。また比喩的に、人を刺激する鋭い感覚。「ーの効いたデザイン」

3.スケート靴の滑り金具の、氷面に接する縁の部分。

4.スキー板やスノーボード板の滑走面の両側端。また、両側端に沿って細く取り付けた金属。



などとなっております。

これらの言葉をエレキギターの歪みサウンドをイメージしながら当てはめていくと、エッジという表現は音の「鋭さ」 あるいは 「輪郭」 といった感じでしょうか。

人それぞれ感覚の差異はあれど、これはそのギターサウンドの「輪郭」のあり方・聴こえ方を表現した言葉だと言えそうです。

例えば、ジャズギターのように温かみがありマイルドな音は「エッジが丸い」 「エッジを効かせていない」などと表現できるでしょう。 刺激的なものというより、優しく心に語りかけてくるような、または温かく抱いてくれるような音。


一方ロックギターでよく聞かれる、アクティブで尖っていてシャープなドライブ感のある音は「エッジが鋭い」 「エッジが効いている」などと言い表せます。賑やかで攻撃的な音ですね(もちろん程度によりますが)。

これら二つの対象的なギターサウンドは様々な要因が絡み合ってそれぞれのキャラクターを持っていますが、そのうち特に分かりやすいのが音の輪郭でしょう。

とくにこのMERKAVAは、歪んでいるアンプの音をさらにプッシュするためのブースターなので、すでにある程度の鋭さを持ったエッジの質感がそこからさらに変化することで、その歪みサウンドの表情がガラリと変化します。



【中央】フラット

“フラット”とは「平らである」 「起伏がない」などの意味です。
特にどの帯域を強調するということはなく、全帯域に対してナチュラルで滑らかに歪みます。
このポジションをノーマルとして、ここから音作りを開始すると良いでしょう。
非常にスマートで扱い易い音なので、僕はこのポジションをよく好んで使っています。


【左】 中域強調

このポジションは、ギターの存在感を最も示す中心的な周波数「中域」を目立たせる効果を発揮します。
ナチュラルなサウンドを保つ“フラット”に比べると、音に厚みが出て膨らみを感じれるようなサウンドに変化します。
またそのように中域をプッシュするがゆえに、歪みもその中域に多くかかっているような感じです。
輪郭の鋭さも“フラット”に比べると切れ味が増していますが、音に厚みがある分バランスよく感じます。
アンサンブルの中でひときわ存在感を主張したい時は、このポジションを使いましょう。



【右】 高域強調

ギターサウンドの「高域」を中心に強調するポジジョンで、そのサウンドはとにかくエネルギッシュ。
攻撃的で食らいつくようなサウンドを演出できます。
もともとよく目立つ周波数帯域をさらにプッシュしているので、かなりエッジ感のある切れ味抜群の鋭いサウンドです。高いテンションでのギタープレイを演出したい場合は、このポジションで攻めるとカッコ良いと思います。



【EDGE】の各ポジションの特徴はこのような感じです。
このスイッチの効果は、実際に触ってみると容易に理解できます。


さてさて、ここまでブログを3回に分けながら、【GAIN】【TONE】【LEVEL】【MODE】【EDGE】のそれぞれの機能、効果、働き方などについて解説してきました。

現場やレコーディングも含め、僕自身がじっくり使ってきた中でこれら各コントロールを大まかなイメージで分けると・・・

【GAIN】 【TONE】 【LEVEL】・・・歪みの質感や量を作る部分
【MODE】・・・音の内部の在り方を決める部分
【EDGE】・・・音の外殻・表面をどのように表現するかを決める部分


このような認識です。
しかし飽くまでもこれは、極端にわかり易く各コントロールを表現したに過ぎず、実際には全てのコントロールがそれぞれお互いに作用し合いつつ様々な表情を作りあげているようです。

ゆえに、使う人によって様々な表現が可能で、無限の可能性を秘めたペダルだと思います。


ここまで僕が解説してきた内容も、単に各機能の方向性を示しただけで、MERKAVAの持つ可能性を全て示すにはほど遠いでしょう。
だからこそ、僕とはまた違う価値観を持ち、違った立ち位置からこのMERKAVAの魅力を示してくれるような方々がこれからどんどん現れて欲しいと期待してますし、否応無しにそうなってゆくと思います。


とにかくとてつもないポテンシャルを秘めたこのブースター。

これからずっとこのペダルを使い続け、共に良いディストーションサウンドを生み出していきたいと思っています。


今後は、このMERKAVAを使用したサウンドサンプルや僕のセッティング例などを公開していけたら面白いなとも考えております。


いや~しかし書きましたな!大量に!(笑)

というのも、現状なかなかこのOvaltone製品を実際に弾いて試すということが難しいため、生半可なレポートでは参考にならないと思ったからです。

もちろん文字による表現の限界はあります。


ありますが・・・

そこを可能な限りこの手段で伝えるべく、頑張ってみました(決して、文章書くのが得意というわけじゃないんですよ~泣)

少しでもワクワクしてもらえると嬉しいですね。

そして、ここまで書いてようやく、この一言を言わせていただきます。

   
このブースター・・・ 


 

 「超超超おすすめですっ!!!」